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37) 冷静さは、絶対的安心から生まれる

「冷静」という言葉がある。

この言葉の意味は「感情に動かされることなく、落ち着いて物事に動じないこと」ということだ。

ちなみに「冷静」の反対語は「興奮」になる。

そこで、この「冷静」と「興奮」という対義語を足して二で割ると「情熱」という言葉ができるといっていいだろう。

なぜかというと「情熱」という言葉には、「熱い気持ち」の中にも「冷静さ」が含まれているからだ。

「情熱」とは、何かを達成したいという「熱い思い」の中に、それをどのようにすれば達成できるのかという理屈としての「冷静さ」が含まれているといっていい。

つまり、熱いだけでは情熱は生まれないのだ。

当たり前のことだが、「興奮」という言葉には「冷静さ」は存在しない。だから反対語になっている。

人は、何か「混乱」が生じるような出来事に出くわすと、どうしていいかわからずに慌てふためいてしまい興奮した状態になってしまうものだ。

では、なぜ混乱しているときに興奮状態になってしまうかというと、その状況を脱する方法が分からないからだ。

しかし、何かの混乱があっても、それを対処できる方法を知っていると興奮することなく冷静でいることができる。

したがって、普段から冷静さを保って生活できるようになるには、何かあった場合でも、その状態から切り抜けられる方法を知っていればいいということになる。

こういったことから「冷静」の言葉の背後には「理論」や「理屈」、「筋道」という言葉が隠れていることが分かる。

世界を見る態度から、
余計な考えをすべて取り除き、
ただ虚心坦懐に受け入れる。
その態度に極限にまで徹底された状態を、
「冷静さ」をどこまでも保つという。

(中略)

冷静さとは、根源に帰るものとして世界を見ることである。
根源に帰るとは、世界をありのままに見るということである。
ありのままに世界を見ることを「明晰」という。
ありのままの世界を知らぬことを「迷妄」という。
迷妄は凶悪な事態に帰結する。

ありのままの世界を知れば、寛容になる。
寛容であれば、公平になる。
公平であれば、王たるにふさわしい。
王たるにふさわしければ、天意にかなう。
天意にかなっていれば、道に沿っている。
道に沿っていれば、久しく、
一生涯、あやういことなどない。

「老子 あるがままに生きる」

これは、「老子 あるがままに生きる」という「老子道徳経」の超訳本の「 世界をあるがままにみる」という章であり、今、僕の中で最も関心を持っているところだ。

そして、思い切って、この文章を一文で要約するなら、「冷静さを保てるようになると、一生涯、あやういことはない」ということになる。

では、なぜ「冷静」になることができると、あやういことがなくなるかというと、「冷静さ」は、あやうい状態から脱するための「理論」や「理屈」、「筋道」を理解しているために生まれるからだ。

つまり、僕たちがこの世界に潜んでいる「理論」や「理屈」、「筋道」を理解できるようになると、どんなことがあったとしても「冷静」な気持ちで人生を過ごせるようになるといっていい。

老子は自身の著「道徳経」で、「道(タオ)」の大切さを説いているが、この「道(タオ)」とは、人が生きる上で必要な「理論」や「理屈」、「筋道」のことだ。

そして、この「道(タオ)」を、現代風にわかりやすい言葉にするなら「法則」となる。

そこで、僕たちが自分の人生を、冷静になって慌てることなく穏やかに過ごせるようになるためには、この世界に存在している「法則」を知ればいい。

では、どうすれば僕たちの心を安心させられる法則を知ることができるかというと、この世界をあるがままに見ることが大切になってくる。

なぜかというと、先ほどの老子の言葉を借りれば、「冷静さ」は「虚心坦懐」、つまり「先入観を持たず、広く平らな心」で見れば手に入れるからだ。

では、この世界はどんな仕組みでできていて、どんな法則があるのか。

正直にいうと、今の僕には、それをわかりやすく言語化することはできない。

しかし、この法則の本質的な意味は理解できるようになった。

それは、僕たちは誰もが「守られている」ということであり、「大丈夫」だということだ。

そして、この「守られている」「大丈夫」という安心感で生きていると、「冷静さ」が保たれるようになって「あやういこと」がなくなっていく。

しかし、「冷静さ」を失って、混乱しながら興奮状態で生きていたりすると、人生がますますあやうくなっていく。

だからこそ、「守られている」「大丈夫」という安心感で生きていることが大切なのだ。

そこで、僕がこれからしなければならないこととして上げられることが、僕たちは「守られている」「大丈夫」ということを、できるだけわかりやすく、ひとつの道として言語化することだといっていいだろう。

これからも「道」は続く。





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