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#65 疑問に満ちた賢治の世界 その3【宮沢賢治とエミリィ・ディキンスン その3】 

(続き)

○ 疑問に満ちた賢治の世界 その3

宮沢賢治に徐々に興味を持ち、賢治思想の背景を知り始めると、新たな疑問に次々と突き当たりますが、その中でも、特に、何とも言えない感覚になるのが、石原莞爾との関係性です。
石原は、満州事変の首謀者の一人と言われる、旧日本陸軍の幹部です。同時に、日蓮主義の熱烈な信奉者で、石原の行動は、日蓮主義から大きな影響を受けたと言われます。賢治もまた、日蓮主義を熱烈に信仰し、父親との軋轢が生まれ、作品への影響も指摘されます。
「なぜ、満州事変の首謀者である石原莞爾が、賢治と同じ日蓮主義に影響を受けたのか。賢治と石原は同じ思想なのか?」
というのは、デリケートな疑問です。

最近では、ウクライナ侵攻などのネガティブなニュース、逆に、科学の新発見などのポジティブなニュースなど、様々な話題が報道される時、100年前の賢治作品に、その出来事が暗示されているような、不思議な機会にも出会います。
「なぜ賢治作品は、未来の予言書のようなのか?」
という疑問も湧き上がります。

たわいもない疑問ですが、次から次へと湧き出るし、さっぱり答えも見つかりません。そんな私に偶然が重なり、賢治について取り組むこととなった訳ですが、その辺りのいきさつは、今回触れられるかはわかりません。
ただ、そのきっかけの最大が、アメリカ・アマーストの詩人、エミリィ・ディキンスンです。

(続く)

2023(令和5)年9月24日(日)

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