#66 疑問に満ちた賢治の世界 その4【宮沢賢治とエミリィ・ディキンスン その4】
(続き)
○ 疑問に満ちた賢治の世界 その4
私にとって、賢治とエミリィ・ディキンスンの世界はよく似ているように見えました。二人の世界が理解できない、というのが最も似ているところですが、それだけでなく、その「理解のできなさ加減」も似ているような気がしたのです。
「なぜ、賢治とエミリィが似ていると感じるのか?」
という新たな疑問が加わります。
そして、その疑問について考え始めると、賢治の疑問の答えへと、つながりそうな気がしました。
遠く離れたアメリカと日本。エミリィの死後10年を経て生まれた賢治。距離を時間を隔て、生前は作品をほとんど発表することなく亡くなった二人。時代を共に生きた人々には、ほとんど理解されなかった不思議な作品群。
「賢治とエミリィは、何をしようとしていたのか?」
最後は、そんな疑問にたどり着く気もするのです。
(続く)
2023(令和5)年9月25日(月)
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