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「アフロ民藝」森美術館

2024.8.--

ギロッポンで夜遊びしたもん。嘘じゃないもん!

と、いうことで、森美術館。仕事終わりの夜間開館。森美術館は夜22時までOPENしてるから大変ありがたい。仕事終わりに来てくれって言ってるようなもん。実質クラブでしょ。

駅に向かう人たちと逆方向にウゴウゴ移動し、エスカレーター登って、滝やママンを抜けて、53階までどーんと上がって、中央のエスカレーターを最後に登る。トップオブトップ。

神殿に入るみたいで結構好き

実際、最初の部屋は神聖な感じでつくってた。香りと音と、あとは常滑焼がチリッていう感覚や、これもでも、音の要素でもあるかもしれないけど。手仕事の触感を目で見た。

音と、香りと

次の部屋はライブラリースペース。JETとか雑誌系の管理って大変よね。ディアゴスティーニ少し溜めちゃってピンに刺してバインダーに綴じるの大変だったもん。新刊ですら(新刊だからこそ、ちょっと背表紙硬くて大変ってのはあったかもしれないけど)ファイリング難儀だったのに、古い雑誌や、リーフレット類、判型の違うパンフレットを綴じてるのまであった。古い雑誌類の取り扱いなんて怖いよな。そんないい紙使ってないだろうし、ホチキスや綴り紐がとれてバラバラになるかもしれないし黄変してるかもしれないのだし。整然と並んでる姿に、かつての誰かの作業へ思いを馳せた。

よく見ると日本語の本もあった。
手広い〜〜〜
夜景の見える隣の部屋でも本の閲覧が可能。
シアスター・ゲイツのプロジェクトの説明もある。

映像と、大型の作品と、年表を抜けて。

・映像の、教会の中を歌って歩く姿は労働歌というか、そういうシンプルな力強さがあった気がする。なんとなく杜氏の酒造りの歌とか、舟を漕ぐときの歌とか、そんな印象も受けた。あと、清水のカトリック教会の解体現場の美しさも思い出した。

・大きな壺を並べた展示台が好き。こういう古材の転用は杉本博司もやるけど、今回はもっとダイナミック。部屋も作品もでかいからかな。杉本博司なら小箱や宝玉の中に圧縮入魂かもしれんけど、シアスター・ゲイツの壺は土葬用埴輪みたいなボリュームもあるし、みっちみちに等身大が詰まってそうな感じがする。

・年表はめちゃくちゃ読み応えがある。よくある美術展だと年表は添え物的に、一応こんな時代の作家、作品だよ〜っていう扱いのが多いかもしれないけど(でも、それだってよくよく読んでみるとどんな出来事を抽出したかっていうバイアスがかかっているから面白い)こんなに年表が、メインに一室使うくらいに充実してるのって良いもんですね。山口庄司の嘘が、たくさんの出来事に固められてリアルになってった。

トコシツピ・デスコ

DJタイムにも居て、職員さんがDJやってた。ターンテーブル回してない職員さんも身体揺らしてカウンターの向こうに居て、私は高い椅子に座って。そこそこ混雑してて。美術館でディスコって良い。貧乏徳利(通い徳利?)って動きまわるボトルキープみたいだなって思った。今は棚に並んでるけど、文字も使いながらのものだから生き生きしてるし、サイズも一様じゃないし、踊りたいしお外に出たいし使われたいってエネルギーがあるように見えた。用の雑器って、そういうソワソワ感があるような気がする。ディスコにぴったり。
昔、クラブの入場フリー券みたいなの貰って行ってみたことがあって、トイレのDysonジェットに驚いたり、アメニティ充実してたり、すっげぇところに来てしまったな……っていう体験をした。フロアで一杯飲んでた時に思ったのが「ターンテーブルに土器置いて鑑賞してみてぇな」だった。器を全方位見ることができるし、回転変わったら音楽も変わって聴覚にもくるし、そんなエキセントリック床の間で、卓で抹茶キメる会みたいなのあっても良くないか?と思った。たしか、初めて入ったこのクラブも六本木だったっけな。

・でも、ブラックイズビューティー運動と、民藝運動って、前者は強権的に抑えつけられ虐げられてきたものに対して尊厳を求めての活動ぽいなと思ったが、後者のは美の価値自体の転換というか新しい視座を与えることのほうがメインなんじゃないかなという違いがあるような気がしないでもない。なんというか、民藝運動って確かに大量生産品に押されてた部分に光を、ってのがあると思うけど、単純な淘汰というか、無理くり押さえつけて廃止!ってしたようなわけでもないのでは?と思う。押さえつけのバネの動きと、回転扉みたいな転回の動きと、って違いがあるのかなと。まあ、私も詳しくはないのでいろいろと調べてみたいなって思うきっかけになった。これも常滑とアフロの友情によるものだわな。フレンドシップてぇのは共存共栄的で良いもんだ。

帰り道はTodrick Hall聴きながら帰った。シェイク・シャックも食べて、味覚も満たした。
良い夜遊びをした。


おいしいごはんたべます。