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読書。社会学とか。

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2016年10月の記事一覧

ルーマン『リスクの社会学』序文 メモ。

 観察範囲を拡大するのではなく、全体社会が逸脱・事故・予期せぬ出来事をどのように説明し処理しているかを問う。その説明・処理には固有の秩序がある。それを明らかにすることには、ノーマルな秩序の形式を逆に照らし出す可能性と同時に、「自明ではない仕方での研ぎ澄まされた区別の能力」という形での批判的潜性力が潜んでいる 〘*もっと良い区別ができるよという意味なのだろうか?p.10-11ではベックがフランクフル

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ルーマン『リスクの社会学』1章 メモ。

 リスクの定量的計算の結果が受容されるのは、それが個人にとってのカタストロフィの閾を超えていない場合においてである (:19)。〘*不思議、というか展開に違和感。〙 このように今日では「閾」、また「リスクの選択」という問題が扱われる (:20)。しかしこれらは出発点において未だ個人主義的 (心理学の痕跡を残したもの) である。そして今日では社会学もリスク概念を扱おうとしているが、それらはオートロジ

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ルーマン『リスクの社会学』2章 メモ。

 2章 リスクとしての未来

 〈事前 / 事後〉の差異を統一的なもの (時間) として認識するために、旧ヨーロッパでは運動の概念を用いていた (:50)。〈運動している / いない〉〈変化しうる / しえない〉〈瞬間 / 永遠〉。近代社会は時間ゼマンティクをいまなおこの形式で呈示できるか?〘*リスク概念への注目は、全体社会の変動に対応しているのではないか?この章ではリスク概念が時間とどのように関

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