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観たら最後やめられない(2021.8.1 バンテリンドーム)

日本ハムファイターズ 6-4 中日ドラゴンズ

本当に行ってよかったと思う。

実は当初は前日(7/31) のみ観戦しようと思っていた。だが思ったよりやることが早く片付き、どうせファイターズが名古屋に来る機会なんてそうそうないのだから、チケット代も安いし日曜も行こうと先週思い立った。ほとんど座席は完売に近かったが、なんとかよく見えそうな内野席を取ることができた。

まず生で見られて感動したのは、今川選手と谷内選手の今季初ホームランである。(公式戦ではないにせよ)プロ初の一軍ホームランを打った札幌出身の今川はずっと熱烈なファイターズファンであり、選手となった現在も未だにファンクラブ会員である。4月には一度一軍に昇格したものの、結果を出せないままコロナウィルス感染症に罹患してしまった。治癒してからは二軍で結果を出し、エキシビジョンマッチで一軍に昇格した。(制度上は五輪期間中NPB選手は全員抹消されているので一軍も二軍もないのだが)

彼は二軍でも常にベンチから先頭にたってチームを鼓舞し、「執念」という言葉をファイターズ全体の流行語にしたほどだ。TwitterやInstagramでも日々の努力や二軍選手との交流を載せており、とても応援したくなる選手である。

そんな今川が2回裏、今日の第一打席でホームランを打った。札幌ドーム並みに広いバンテリンドームでである。打球がスタンドに入ったのを見届けると、驚きと喜びのあまり声が出なかった。コロナ対策で声を出しての応援はしてはいけないが、もし通常の応援が許可されていても声は出なかっただろう。

そんな興奮さめやらぬうちに、これまた2回裏に谷内もホームランを打った。ヤクルトスワローズから移籍してきた谷内は守備の名手であり、これまでは終盤の内野の守備固めとしての起用が主だった。後述するが現在のファイターズは内野守備が弱点のため、守備に定評のある谷内が打撃でも活躍し、スタメンで出場することを望む声は多い。

谷内の打球はレフトポールすれすれを飛んでいったが、ポールを直撃しホームランだとわかるとやはり声を失った。広いバンテリンドームで、2人も今季初(というよりも今川は一軍初、谷内は移籍後初)ホームランを打つなんて!!まるで夢を見ているかのようだったが、エキシビジョンマッチであるものの現実だった。

このようにして4点が入って私はとても歓喜したのだが、それ単に初ホームランだったからだけでなく、先発が池田投手だったからからでもあった。2021年初頭に楽天から移籍してきた池田は、防御率は3.67であるがリーグワーストの無援護(援護率1.82)(+守乱)に苦しめられてきた。それが原因なのかはわからないが前半戦の終盤は本人も調子を崩していた。

私は先発ローテ投手の中で池田が一番好きなので、実際に投げている姿を見られて嬉しく思う一方で援護がなくエラー祭りになるのではないかと心配だった。だが実際は2回ですでに4点の援護、本人も4回無失点と良い内容だった。ピンチの場面もあったが、落ち着いて切り抜けていたと思う。

その後は5回に杉谷選手の2塁打→石井選手の3塁打→渡邉選手のタイムリーで2点を追加したが、このあたりが最も見ていて楽しかった。

何を隠そう、実は私はファイターズの中で渡邉諒選手が一番好きなのである。ストレートに強いため「直球破壊王子」と呼ばれているが(なぜ王子なのかは諸説あるが、私はとある女性有名人に似ているからという説を支持する。なお渡邉本人は王子と呼ばれることについてインタビューで恥ずかしがっていた。)

しかし今季の渡邉は前半戦終了時点でホームラン2本にとどまり、打撃は本調子ではなかった。特にシーズン序盤は絶不調だったし、6月にも3日ぐらいゲッツーマシーンと化していたこともあった。

それ以上に問題があったのが守備だ。この選手はなぜか守備範囲が極端に狭く、いくらファンだったとしでも擁護できないプレーが散見された。6月下旬に打撃と守備双方でスランプが来たのか精彩を欠いたカードがあったのだが、ハムファンの批判/誹謗中傷はすさまじく、選手のファンである私も落ち込んでしまうほどだった。ちなみにその翌カードではホームランを放ったが、スランプから脱せたようで余計嬉しかった。

さて今日に話を戻すと、タイムリーの前にはまず3回裏にヒットで出塁すると盗塁に成功した。盗塁成功率があまり良くないのだが、それだけに成功を見ることができ、私は嬉しかった。(ただ、盗塁時に頭にボールが当たってしまいしばらくグラウンドに座ったまま動けずにいた。心配だったが、やがて立ち上がったので無事だったようだ。今季の渡邉は死球や交錯などが多く、やたらと痛がっている場面を見るので心配になる。離脱するようなケガにつながっていない点は安心だが)

その裏にセカンドの守備につくと、普段とは異なり守備範囲が広くなっていた。普段なら抜けるようなセカンドへの打球がきちんとセカンドゴロになり、フェンスすれすれで打球を取るファインプレーもあった。守備と打撃両面での活躍を実際に目にすることができて私の嬉しさは最骨頂に達し、周りに誰もいなければ叫んでいたかもしれないほどだった。

実はここのところ私はこの選手を応援していて苦しさを感じていた。今季は期待されるよりも打撃成績が低く、守備にも問題があるにもかかわらずずっと一軍のセカンドとして起用されつづけたため、ファンからの批判の声を多く目にしてきたのだ。根拠の無い暴言(例えば容姿や出身地など野球に関係ない内容や明らかな事実誤認)だったら笑って耐えられたかもしれないが、なまじ理にかなった批判を目にすると、同意できる部分も見受けられただけに「私も強いファイターズが好きなのに、応援していて良いのだろうか?」と疑問を抱き自己批判に陥りかけていた。今考えれば選手にはとても失礼なのだが、けっこう本気で悩んでいた時期もあった。

だが球場で実際に活躍する姿を見ることができて、私は彼をずっと応援しようと決めた。どちらかといえばクール(インタビューを見るとむしろ内気?)で感情があまり表に出ないようなので「いつもスタメンで、本気を出していないのではないか」などと言われていることもあるが、実際に見るとやはり彼も本気でプレーしているのだと伝わってきた。

確かにファイターズの弱点は内野陣であることは認めなければならない。たいてい守乱が起こる時は内野であるが、熾烈な競争が繰り広げられている外野とは対照的に競争になるほどの人員がいない。(不当に干されている選手も特にいないのではないか。論点としては谷内の起用法くらいだろう)まともなセカンドが必要なのは分かっているが、私はそのまともなセカンドは渡邉であってほしいのだ。今日の3,4回のような守備を常にしてほしい。

もちろん打撃面に関しても「破壊王子」のあだ名の通り特に長打やホームランを量産してほしい。毎年夏になると調子が上がるので、後半戦は大いに期待している。

結局私はハムファンもやめられないし、なべりょファンも当分やめられそうにない。

付記:その他今日の試合で面白かった点

・スタメンで杉谷の名前が呼ばれると観客席全体が湧き上がった。人気の高さを実感した。(以前野球に詳しくない人と話した時、「ファイターズだと大谷と杉谷しか知らない」と言われ、大谷と並ぶのかと驚いたことはあったが)杉谷も長打が出たので後半戦は巻き返してほしい。

・9回裏3アウト目、サードの送球が少しそれたのだがファーストのロニー・ロドリゲスが猫のようにジャンプして取った。(※ロニーは「エル・フェリーノ(スペイン語で「猫」(西和中辞典では「ネコ科の動物」))」名義でラッパーとしても活動している)実は守備の人だったのだろうか?打撃面でも活躍してほしい。


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