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「未来を見つめ行動するリーダー」パタゴニア前CEO Rose Marcario

SIS・シス発起人の栗原優子と梶原奈美子です。SISは、”Sisterhood(共に助け合い成長する女性たち)”をキーワードにしたミレニアル世代のグループで、「アメリカ女性リーダーから学ぶ人生デザイン」勉強会を運営しています。

今回SISが勉強会のテーマに選んだのはパタゴニアの前CEO、Rose Marcario(ローズ・マーカリオ)氏

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パタゴニアといえば、日本でも言わずと知れたアウトドアアパレルブランドですが、特に近年アメリカでは、ミレニアルズやGen Zなど若い世代を中心に絶大なる人気を誇っています。パタゴニアのプロダクトの高い品質もさることながら、環境保護を会社のミッションの中心に据え、強いコミットメントとともに行動する姿勢が、同社が支持を集める大きな理由の1つとなっています。1985年以来、売上の1%を環境保護のために寄付しています

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例えば、2011年のブラックフライデーの直前、パタゴニアは、ニューヨーク・タイムズにこのような広告を出して話題となりました。「Don't buy this jacket (このジャケットを買わないで)」時には年間の売り上げの半分以上を占めることのある重要なセールであるブラックフライデーにこのコピーを載せるというのは、なかなか大胆かつ衝撃的です!

環境を保護するために、全ての人が消費を減らす必要がある。そのためには、ビジネスはより上質なものをより少なく作ることに努力する必要があるし、消費者は、物を買う前に一度考え直さなければならない。というパタゴニアの意思を反映した広告ですよね。でもその結果、消費者からの共感を呼び、5倍も売れてしまったそうです

また、パタゴニアはスタートアップとの連携やイノベーションにも積極的で、RoseさんのCEO在任中に、製品を「無駄に購入しない、修理する、再利用する」ため顧客と協力関係を築くプラットフォームである Common Threads Initiative(現Worn Wear)を立ち上げました。

Roseさんは、自称”前に出ないCEO”としてPR等で発言されてこなかったのですが、トランプ政権以降、政治的な発言・行動にも積極的になられたのが印象的です。「CEOとして、社会のリーダーとして必要な時に声を上げる」というスタイルで、何が何んでも前に出てアピールするスタイルを主に”リーダーシップ”として刷り込まれてきた私たちには新鮮でした。

例えば、2017年12月、米国内のナショナル・モニュメント指定保護地域の範囲を削減するとの決定に当たり、「大統領があなたの土地を盗んだ」と強く抗議するメッセージをウェブサイトに出し、トランプ大統領等を提訴するなど、アクティビストとしての活動も行いました。

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このPatagonia v.s. TrumpというNew York Timesの記事も面白いので、ぜひ読んでみてください。

自らのビジネスをto save our home planetのためと位置づけて環境保護の活動を精力的に行う一方で、売上は10億ドルに達し(ローズさんがパタゴニアに参画して以降、退任までの間で売上は4倍に)世界で50の店舗を持つ世界最大規模のアウトドアブランドに成長しました。

このように経営と環境保護活動との両立を実現し、パタゴニアを世界中から熱烈な支持を集める唯一無二のブランドへと成長させた立役者が、今回取り上げた元CEOのローズ・マーカリオ氏なのです。

それでは、ローズさんのリーダーシップについてSISが注目したポイントを紹介します!

SIS's POINT①自分の価値観を軸に変化する勇気

パタゴニアのCEOとして、大きな存在感を持つようになったローズさんですが、実はパタゴニアに参画する前は、30代で上場企業(Appleの子会社)のCFOとして、またPEでEVPとして働くなど、ファイナンスの専門家として王道のキャリアを積んできました。

誰もが憧れるような、いわゆる成功と言われるキャリアを歩んでいたローズさん。彼女が育ったイタリア系移民の家庭・コミュニティの価値観でも、そのようなキャリアは成功そのものだった、とも彼女は語っています。

しかしながら、10数年間、順調に華々しいキャリアの階段を昇る中で、彼女が感じていたのは、仕事と自分個人の価値観の完全な乖離でした。そしていつしか、その乖離が耐えられなくなったそう。

I could see that the buying and selling of companies made very few people rich and in most cases, hurt the actual workers and the people who had built the company.” 
PEの仕事で、会社を売り買い(M&A)することは限られた人を裕福にするだけのように思えました。ほとんどの買収のケースでは、その買収される会社を一生懸命作り上げてきた人たちを(利益率を上げるための)解雇などの方法で傷つけることになるのです。

そして彼女は、それまで築いてきたキャリアを全て手放して、1年ほど休みをとり、インドへ一人旅をしたり、仏教を勉強するなどして、自分が誰なのか、自分にとって意味がある仕事とは何なのかを考えました。

資本主義社会に疲れて、いっそのこと、
尼になろうかなと思った時もあったのよ。

そんな時、彼女が出会ったのがまだ当時は小さなファミリー企業だったパタゴニアの創業者、Yvon Chouinardさんでした。

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新しい人生の方向性を探しているとき、彼女はパタゴニアの創業者であるYvon Chouinardに出会った。そこで、彼のビジョンが彼女に突き刺さったという。「Yvonは品質の良い商品を作り、良いビジネスをして、更に環境にとっても、従業員にとっても、地域にとっても正しいことができるというパタゴニア特有のビジネスモデルを持っていた。それが、私にとって今まで見た中で最も包括的なビジョンを持ったビジネスだった」
While searching for a new direction, she met Yvon Chouinard, the founder of Patagonia, and was struck by his vision for the company. “Yvon had this model where he was basically saying you can have a great business, you can make quality product, but you can also do the right thing by the environment, by your employees, by your community,” she says. “That, to me, was the most holistic vision of business that I’d ever seen.”

ファイナンスで「立派な」キャリアを歩んできた彼女が、畑違いのアパレル、そしてファミリービジネスの小さな企業であるパタゴニアに参画することに関し、周囲はいろいろなことを言ったそうです。「これまでのキャリアがもったいない」「今のところで頑張ればもっと高みを目指せる」と。しかし彼女は全てのアドバイスは間違っていた、と語ります。

このトランジションの時、昔の同僚や友達から本当にたくさんのアドバイスをもらったけど結局それは全部間違っていた。あなたが変化したいと心から思った時、あなたはどのようにその変化を成し遂げるのか具体的に想像し始めるのよ
There was a lot of advice and it was all wrong.” "Once you know that you want to make a change, I think you start to visualise that you’re going to make that change."

会社の売買を通じて利益を上げるPEで働き、資本主義に疑いを抱いて、尼にすらなろうと思った彼女の行き着いた答えが、既に自分にあるビジネススキルを活用して、社会に役立つような自分の価値観により合うことをやることだったと言います。彼女のスキルというのは、ビジネスを構築し利益を上げること、会社のオペレーションを回すこと、良いリーダー・マネジャーであること。尼だとゼロからのスタートで結局自分がそれで何ができるんだろうと思ったけれど、パタゴニアなら自分のこれまでのスキルを使って具体的に社会に貢献できると思った、と語る彼女。パタゴニアのビジネスと環境の両立のモデルはまさに彼女が欲していた理想を体現したもので、当時まだ小さな会社だったパタゴニアに入社できたのは自分の心の声に真摯に耳を傾け、創業者のビジョンに未来の変化を見たからなのでしょう

彼女がこのトランジションを経験したのは、キャリアをスタートして十数年のとき。まさに今のSISメンバーの世代と重なります。今まで歩んできた道自体が間違っていたのかもという葛藤、世間の評価や他人の意見とその社会中で生きてきた自分、世間に合わせるうちにわからなくなった本当の自分の声。シリコンバレーやアメリカでは、転職の合間にサバティカルを取ることも一般的になっています。今の疲れた職場からの逃げ場を求めて転職するのではなく、一旦全てから解放されて自分軸を活力と共に取り戻し、自分の人生を自分が主役で生きるための選択をするための時間がサバティカルなのです。

彼女の葛藤や決断への道のりは、私たちミドル世代の多くの人が経験するものではないでしょうか。資本主義で燃え尽きた彼女。この社会の在り方は人を幸せにしないのではないかと疑いを持ち、何か違うものを求めて、仏教を学び、尼になったらどうだろうと思ったサバティカル。そして、地球・働く人・コミュニティを守るビジネスを作りたいパタゴニアに出会い、かつて培ったスキルを使い、パタゴニアを大きくすることで社会に貢献できる自分に気づいた。ローズさんの生き方は、人の人生を生きるのではなく、自分の本当の心の声に耳を傾け、アクションを取った時、予想もしなかった人生の扉が開く希望を与えてくれますね。

あらゆる人生体験全てが、あなたがやることに繋がっていく時が来るの。もしあなたが包括的な人生を生きていたら、人生経験の全てが次の人生にしっかり組み込まれていくわ。
“All of your life experience comes to bear in anything that you do,” she says. “It all gets incorporated if you’re a person who lives a holistic life.”

SIS’s Point ②地球目線、未来志向でビジネスを動かす

彼女は、現在の危機的な地球環境を考えると、企業が四半期の業績を達成するために短期的思考に陥いることは”Make senseしない”と語ります。彼女は、ビジネスだけではなく、地球単位で物事を考えることで、現在の資本主義の仕組みを超えたあり方を模索しようとしています。

短期的な結果を求めることで疲弊した現代のビジネスシーンに対し、ローズさんのリーダーシップの新しさは「未来志向」「長期的目線」「地球目線」で指針を決定し、行動していることだとSISメンバーは考えます。

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私たちの地球を守ることは、ビジネスを成功させることと相反しない

例えば、彼女は、自社の製造を見ているチームと多くの時間を過ごし、従業員達に、30年間に何が起こるのかを聞いて回り、何がリスクとなるのかをともに考えているそうです。30年!社長から30年後を質問されて答えられるためには、社員も長期目線、未来志向のインプットが必要ですね。このようにして、従業員たちにも長期目線、未来視点での課題発見に目を向けさせ、イノベーションを創出する風土を作り出しているのです。まさに、現代に有効なリーダーシップのアプローチではないかと感じました。

パタゴニアは、その未来志向に基づいたSDGs領域の先進的な取組みで知られています。日本ではようやくSX(Sustaibability Transformation)という言葉がトレンドになりましたが、まだまだ「環境は儲からない」「理想論だ」「やらないといけないからやる」というビジネスリーダーも数多くいます。パタゴニアは、前述の通り、環境・従業員・コミュニティの発展に貢献しながらビジネスの結果を出す、ということを長年にわたって実証してきました。1% for the planet、オーガニックコットンへの全面切り替え、企業内託児所の設置(なんと1983年から実施)、ボランティア休暇、等々。これらの施策をパッと見ると、コストにしか見えない人も多いのではないでしょうか?

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どのように企業内託児所がコストを回収しているのかを自社サイトで説明

ローズさんが見事なのは、彼女がこれまで培ってきたファイナンスの視点から、パタゴニアのこれらの様々なアクションが、経営戦略としても正しい選択であるということを、ちゃんと数字で示して説明責任を果たしていることなのです。環境問題への取組、サプライチェーンの改善等が単にスローガンのためにやったことではなく、実際に、これらの取り組みがプロダクトの品質改善に繋がり、従業員の質の向上に繋がり、顧客の共感を呼び、結果、売上の飛躍的な向上や店舗の拡大等の結果を出しているのです。まさに正のループ!未来型のビジネスモデルを実現されていますね。

四半期に何が起こったかを一喜一憂するのではなく、私は、むしろスタッフの子どもの目を見つめて、彼女の人生の中で何が起こるかについてを考えて行きたいのです。 
I don't want to think about what happened in a quarter. I want to look into the eyes of my employee’s child, and say, what's going to happen in her lifetime?

パタゴニアが企業内保育施設を完備していることについて彼女はこう語っています。

「子どもがいない自分としては、子育てに関してスタッフが感じている悩みや問題に関してはもともと意識が低かったと思う。パタゴニアに参画して、社内に保育施設があり、子どもがキャンパスを走り回っていたりするのを見て驚いたし、本当に素晴らしいことだと感じた。毎日、未来を見られるから。スタッフの子ども、次の世代とのリアルな繋がりを持てるから。それこそが私の毎日のモチベーションになっている。同時にその投資がいかに理にかなったものであるかもちゃんと数字で示されている。これはパタゴニアが小さな会社だった時から取り組んでいることであり、ビジネスモデルにビルトインされているものなのです。」

パタゴニアが本社を構えているのはVeuturaというカリフォルニアの田舎なのですが、新卒・中途問わず、全米から優秀な入社希望者が応募するといいます。人材獲得の面でも、地球目線の企業であること、それをビジネスモデルとして実現していることが寄与していますね。

環境、人権、ジェンダー等のSDGsに関連する施策を後から会社にビルトインするとき、「理想論に過ぎない」といった批判が寄せられることも多いと思います。しかしローズさんのように、他者も共有できるものさし(例えば経営指標などの数字)を駆使して、主張を展開していく巧みさは、SISメンバーとしても是非学んでいきたいと思うポイントだと感じました。

SIS’s POINT ③イノベーションを起こし続ける

Profits and Purpose Are Not Mutually Exclusive(利益と目的は互いに相反しない)ーこれはパタゴニアのビジネスを語る上で重要なキーワードです。

ローズさんの参画後は、パタゴニアの環境への理念が事業のオペレーションに落とし込まれました。サプライチェーンの大幅見直し(例えばオーガニックコットンのサプライチェーン強化等)による無駄や過剰包装の排除、リサイクルダウンや天然ラバーのウェットスーツなどの新技術の開発、フェアトレードの拡大などを急速に行い、環境へのコミットメントを製品作りのレベルに浸透させ、実際のアクションが目に見える形でドラスティックに展開されたのです。

SISが着目したのは、この環境とビジネスモデルという私たちが社会全体で抱える問題に対して、単に”昔の生活に戻ろう””たくさん売るのをやめよう”と生活者に我慢を強いたり犠牲者になるのではなく、イノベーションや投資というビジネスツールを活用して解決しようとしたローズさんのアプローチです。

・環境分野のビジネスに投資し成長を促すためのCVC、Tin Shed Venturesを設立し、マテリアルサイエンスや再生農業への投資を拡大

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・多くの生活者が環境への意識を高めるきっかけとなるのが食であることに着目し、新規事業として、サステナブルな食品を提供するPatagonia Provisionsをロンチ。環境に強く結びつく食や農業等の取組を深化。

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出典: "What is Patagonia Provisions? How an apparel brand is regenerating food systems to better the planet"

・Circular Shoppingの仕組みをブランド側にサービスとして提供するスタートアップTroveの最初の顧客となり、パタゴニアの服の修理やリセールを促すWorn Wear Patagoniaというプラットフォームをロンチ。パタゴニアが最初の顧客になったことで、他のアパレルブランドも同様の取り組みを開始

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出典:"Gold In Your Closet: The Startup Helping Patagonia And Levi’s Cash In On The Resale Boom", Forbes *この記事もとても面白いのでぜひ読んでみてください!

・環境活動団体と顧客を繋ぐソーシャルメディア兼リクルーティングツールAction Worksをロンチ

多くの企業が成長や利益を生むために活用するCVC投資や新規事業、スタートアップとの連携が、会社の環境ミッションを達成するための手段として使われているところに、「Profits and Purpose Are Not Mutually Exclusive(利益と目的は互いに相反しない)」というローズさんの声が聞こえて来るような気がしますね。前例を必要とせず、ミッションを独自のアクションに落とし込むところに、業界を牽引するリーダーシップを感じます

彼女はこう語ります。

「環境問題のことを考えると、恐ろしい思いがしつつも、同時にとてもエキサイティングであり、問題があるこそ変えたいという原動力にもなる。そしてその解決を担うのは、イノベーターの力であり、ビジネスの力であると信じている。私たちはRegenerative economyをつくらなければならない。今それに取り組んでいるビジネスこそが成功すると思う。」

ビジネスとイノベーションこそが環境問題を解決する」という信念こそが、彼女に行動を起こさせ続けるのだと思います。

環境問題についてのおしゃべりはたくさん聞くけれど、そのお話をしている人たちがアクションをたくさんとっているようには見えないわね。私たちはアクションを取らずにいられるような時間はもうないのよ。(環境問題を解決するための)投資もまだ多くない。まだこれまでと同じ基準で物事を判断しているように見えるわ。
I see a lot of talk and I don't see a lot of action yet from that group. And we don't have time to not take action. I don't see the investment yet. I still see using the same measures or metrics.

パタゴニアは、環境に関するベストプラクティスを競合他社に共有したり、協働することでも有名です。パタゴニアは大企業ではないため、環境に関するイノベーションがスケールするためは必要なことだと語っており、これらの考え方やその実践も、資本主義とその進化を信じる彼女らしさを感じられる一面でしょう。

資本主義が悪いとは言っていない。私は資本主義を信じている。正しい競争も信じている。イノベーションも信じている。私は、協働していくことで、素晴らしいアイディアが花開くのが好きよ。これら資本主義の素晴らしい側面を愛している。だからこそ、資本主義は進化しないといけない。それに尽きるのよ。悪い仕組みという必要はないわ。単に、進化しないといけないだけよ。
It doesn't mean that capitalism is bad. I love capitalism. I love the competition. I love the innovation. I love the working together and collaboration and the best ideas win. I love that and thats like the best part of the capitalism and great products and great services and disruption and all of that. So capitalism needs to evolve. That's all. It's not necessarily a bad system. It just needs to evolve.

2020年12月、ローズさんは12年の在職期間(CEO在任期間は7年)を経て、CEOから退任することを発表しました。退任後の今は、人工肉のMeati、電気自動車のRivianの取締役として経営をアドバイスしています。

NY Timesにて、これまでのローズさんのパタゴニアでの功績、退任、これからの展望に関する良いインタビュー記事がありました。そこからのいくつかの翻訳を締めに、今回のnoteは終了したいと思います!私たちも、「幸せの戦士」となり、自分たちの力や能力を世の中をより良くするための戦いに使っていきたいですね。

Q: パタゴニアにはアクティビズムの歴史があり、それはローズさんのCEO在任中も継続されました。企業が社会的な問題に取り組むための最良の方法は何でしょうか?

Rose: 投資家や企業が政府の政策に影響を与えようとすることは、今に始まったことではありません。しかし、企業が実際に何かを支持し、お客様に何を支持しているのかを伝えることは、ますます重要になってきています。ある意味、今やお客様はお金を使って投票しており、その多くはより良い世界を求めて投票しているのです。Dick's Sporting Goods社(スポーツ用品店)は、ライフルをもう売らないと宣言し、CVS社(米国のドラッグストアチェーン)は、"健康のための会社であるならば、タバコはもう販売できない "と宣言しました。パタゴニアは公有地を保護すると思われる上院議員候補を支持しました。私たちは大統領を訴えました。アクティビズムは私に希望を与えてくれます。非暴力である限り、物事を前進させることができるのです。それは健全な社会の証であり、権力者に責任を負わせるものでもあります。
Q: それは政治的分断を作るようなリスクはないのでしょうか?

Rose: 自然保護は超党派の問題です。一般的に、人々は野生の場所を保護したいと思っています。また、空気や水がきれいなことは良いことだということにも賛成しますよね。私は、企業は自身の意見や立場を伝えて、お客様に選択してもらうべきだと思います。
Q: 仏教を学んだことは、あなたの仕事にどのような影響を与えていますか?

Rose: これは、私がキャリアの初期にやっていたことをやめて、パタゴニアのような会社を選んだ理由と関係しています。世界のためにならない、金融取引をしている自分に耐えられなかったのです。仏教の専門的な話ではありませんが、悟りへの八正道の中に「生業」があります。私たちは物質的な富を追い求めるためにここにいるのではありません。慈悲深い心を育み、より良い人間になる方法を学ぶためにここにいるのであり、それが世界を良くするのです。

仏教には「幸せな戦士」という表現があります。それは、何でも許して人に都合の良いようにされたり、振り回されるということではありません。むしろ、恐れを知らない心を養い、力強くなり、悪事を訴えるのです。人は喜びに満ちているときに最高の仕事をします。脅かされたり、怖がらされたり、恥をかかされたりするような環境では、最高の仕事はできません。




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