カノープスの冒険2 17

カノ17

「あれれ、ここ、僕の住んでいる森だ」
目の前にはキングサリの花があります。
しかも、まだ明るい時間帯です。
「僕、お昼寝して夢を見ていたのかな」
そっと身体のにおいを確かめると、潮の香りが微かにしています。
「間違いない、月兎たちと一緒に海にいたんだ。もう、お月様に着いているかな。また会いたいな」
不思議な体験を思い出しているカノープスの上で、キングサリが優しく揺れています。
いつもの静かな森の生活に帰ってきたのです。

                       完

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