カノープスの冒険2　9

初めてドルチェに会い、大勢のシャチと共に天に昇るシャチを見送ったことを思い出し、カノープスはしみじみしました。
でもドルチェは、すぐさまカノープスを鼻先でツンツンしました。
「いそいできょうちゃんを探そう。時間がないんだ。朝になるまでに連れて帰らないと、きょうちゃんはお月様へ戻れなくて、地上をさまようことになる」
カノープスはびっくりしました。
「たいへんだあ！　きょうちゃんはそれを知らないの？」
「知っているけど、探検するのに忙しくて、時間のことなんか忘れているんだと思う。手分けして探そう」
そこでカノープスは大事なことに気づきました。
「きょうちゃんって、どんなウサギですか？」