山下素童

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山下素童

新刊『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』 https://amzn.asia/d/dg7HlPX 『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』 http://amzn.to/2OlHrID

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童貞喪失ものAVがあまりにもドキュメンタリー作品だった

AV監督の二村ヒトシさんと、代々木駅前にある『A Talk Club WOOFER』という酒場で毎月、『代々木駅前の人生ご相談会』というお悩み相談イベントをやっている。 僕と二村さんがそれぞれ悩みを持っている知り合いを呼んでは壇上にあがってもらって公開でお悩みを相談してもらい、酒場に集った人々がそのお悩み相談を肴にして酒を飲んだり飯を食べたりするイベントなのだけど、今月はレミレミ・ニューワールドさんという、ソフト・オン・デマンドでAV監督をやってる女性がお悩み相談をしにきて

    • "オフパコの中村さん"を知っていますか?

      "オフパコの中村さん"を知っていますか? 時は2016年。井脇ノブ子の写真をアイコンにした「中村」という名前の、30歳フリーター非モテ男性Twitterアカウントがバズりにバズっていた。 きっかけは、一通のDMだった。見知らぬ女性からの、オフパコのお誘い。中村さんは疑念を抱きながらも、その女性とオフパコすることにした。 中村さんはオフパコをし終えると、その見知らぬ女性から届いたDMの内容や、オフパコの詳細、それからオフパコをした後のDMのやりとりに至るまで、自身が体験し

      • 新大久保食べ歩き

        夕方。新大久保にあるドン・キホーテ2階のコメダ珈琲で、彼女とそれぞれノートパソコンを広げて仕事をしていた。彼女は原宿の美容院でストパーをかけている弟と夕飯に行く約束があり、19時ころに新大久保を出る予定だった。けど、ストパーをかけてる弟と連絡がとれず、何時に出ればよいかわからないとのことだった。 「食べ歩きでもいく?」 コメダ珈琲を出ればすぐに栄えた通りだったから、そう提案してみた。新大久保に住んでもう2年近くになるが、コメダ珈琲でご飯を食べたり、セブンイレブンでお弁当を

        • 戸田真琴さんと渋谷の大盛堂書店でトークイベントをします。

          7/26(水)に、新刊『彼女と僕がしたセックスは動画の中と完全に同じだった』を集英社より発売することになりました。その刊行記念イベントを、渋谷の大盛堂書店さんで開催します。日時は7/29(土)の15時からで、ゲストは、元セクシー女優で、現在は文筆家・映画監督である戸田真琴さんです。 戸田真琴さんとは特に面識がないので、急に戸田真琴さんとトークイベントをするのは突飛な印象を受けるかもしれません。まぁ、トークイベントは別に突飛であったとしても何の問題もないとは思うのですが、実際

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          新刊『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』予約開始のお知らせ

          7/26に、集英社から『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』が刊行されることになりました。 集英社の『よみタイ』というWebサイト上で『シン・ゴールデン街物語』という連載をやっているのですが、その中の文章3篇と、書き下ろしの4万文字ほどの私小説1篇が収録されている本です。 予約して購入していただいた方には、僕が週1で店番をやっている、ゴールデン街のプチ文壇バー『月に吠える』の500円割引をする特典もやっているので、よろしければ本を購入してお酒を飲みにきてく

          新刊『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』予約開始のお知らせ

          酒場で創作者と出会うからこそできる作品批評的な何か

          集英社のよみタイというサイトで、『シン・ゴールデン街物語』という連載をやってまして、その第2回目が先週公開されました。 ゴールデン街に『人見知り克服養成所』という謎のお店があります。そこで店番をしてる米澤成美さんという方が『ちくび神』という映画を撮影していまして、大阪のミニシアターで上映するということだったので、大阪まで『ちくび神』を観にいったときの話です。 ゴールデン街には年齢を問わず、創作活動をしながら働いている人がいます。ゴールデン街で飲んでいると、そこで知り合った

          酒場で創作者と出会うからこそできる作品批評的な何か

          『シン・ゴールデン街物語』というWeb連載がはじまりました

          こんばんは。 久しぶりのnoteの更新ですが、お知らせ続きですいません。前回は、ソープランドで同じ女性を指名している見ず知らずのお客さんが勝手に僕のnoteを製本してきた件についてのお知らせでしたが、今回は、集英社の「よみタイ」というWebサイトで『シン・ゴールデン街物語』というWeb連載が始まりました、というお知らせになります。 5年くらい前、小説家の佐川恭一さんの小説『サークルクラッシャー麻紀』のAmazonレビューを書いたら、そのAmazonレビューを見て文芸誌のエ

          『シン・ゴールデン街物語』というWeb連載がはじまりました

          【ご報告】 小説 『おてぃんてぃす描いてください』 が本になりました

           こんばんは。  いつもnoteをお読みいただき、ありがとうございます。本日は、いつもnoteを読んでくださっている方に報告があり、記事を書かせて頂きました。  先月、noteに『おてぃんてぃす描いてください』という小説をアップしました。私の書く文章のほとんどがそうですが、この小説も、実体験を元に書いております。  3年前に本を出版させてもらってから、幸運にも、自分とプライベートで関わってくれる人が増え、そのときの人間関係のことを思い出しながら書きました。今から同じ人と

          【ご報告】 小説 『おてぃんてぃす描いてください』 が本になりました

          おてぃんてぃす描いてください

          「おてぃんてぃす描いてください」 初対面の僕に、白色のシリコン製スマホケースを差し出してきた女性。それが、葵さんだった *  2018年11月20日。鶯谷にある、東京キネマ倶楽部。ソフト・オン・デマンド運営の風俗情報サイト、カクブツが主催する『テメェらのフェス2018~暴発リフレイン~』というフェスイベントで、著書の物販をさせてもらった。その十日前の11月10日。はてなブログに投稿していた風俗レポの文章を編集してまとめた『昼休み、またピンクサロンへ走り出していた』という

          おてぃんてぃす描いてください

          トベッ! トベッ! トベヨォッ!

           平日。仕事終わり。職場の上司から夕食に誘われた。場所は、新宿職安通りのすしざんまい。  コロナ禍で業績を伸ばすIT企業が目立つなか、もちろん業績が低迷しているIT企業もある。勤め先の中小IT企業は全員リモートワークにした結果、生産性が著しく低下した。社員の三分の一が稼働すれば足りるはずの量の仕事しか受注できていないのに、どのプロジェクトも人員不足で納期が遅れている。年間の売上目標は当然のように達成されず、冬のボーナスは減額となり、優秀な若手から転職してゆく。  会長もエ

          トベッ! トベッ! トベヨォッ!

          キスの前の歯磨き。あるいは、トマト缶を美味しく食べる方法

           トマト缶ほど怠い食べ物もない。  最近、YouTuberの某イタリアンシェフにハマっている。そのシェフがYouTubeに投稿している、生トマトを使ったパスタと、トマト缶を使ったパスタの、両方を作ってみた。それで、生トマトを煮詰めて作ったパスタの方が、断然に美味しいと思った。  生トマトとトマト缶の味の違いを言葉にするのは難しい。それは、そもそも生トマトの美味しさを言葉にするのが難しいところにも依っていると思う。甘味と酸味、フレッシュさと奥深さ、そうした一見相反するような

          キスの前の歯磨き。あるいは、トマト缶を美味しく食べる方法

          風俗嬢の源氏名とおっぱいと食べ物の関係について

           開高健の『食の王様』を読んでいたら、こんな一節に出会った。  食談も性談も皮一枚の差なのである。性を忘れて食談にふける人も、食を忘れて性談にふける人も、その識閾下にあるものはおなじであるように思われる。一つの根の二つの幹であるかと思われるのである。 (開高健 『食の王様』)  食欲と性欲。この二つの欲望について「一つの根の二つの幹であるかと思われる」と指摘している。開高健がそう述べる際に参照しているのが、安岡章太郎の『遁走』という戦争小説の、以下の一節だ。  内還の希

          風俗嬢の源氏名とおっぱいと食べ物の関係について

          じゃあ、えっちしようよ😚(18,330字)

           中学二年生のとき、彼女がいました。  そんな一文から始まる文章を、書く価値のあるものだと思い込み、インターネット上に放出してしまう。アラサーになってまでそんなことをする人生を自分で選びとった覚えはないですが、それが自分の人生であるならば、引き受けなければなりません。  私が通っていた中学校は、隣り合った二つの学区の小学校から児童が入学してくる、公立の中学校でした。こうしたタイプの中学校の場合、入学式の日に取り交わされる定番の会話というのは、「隣の学校の子でめちゃくちゃカ

          じゃあ、えっちしようよ😚(18,330字)

          風俗嬢の紹介文から見る東京

           こんばんは。  むかし、性風俗関係者が集う飲み会に参加したとき、性風俗店の取材経験がある女性ライターの方に、こんなことを伺ってみたことがあります。 「自分のパートナーが性風俗を利用してたら、どう思います?」 その方の返事は、こうでした。 「許せないです。仕事で取材する前は、体だけの関係だから別に良いと思ってたけど、風俗業界の取材をする中で、風俗店を利用する人は情をもって利用していることがよくわかったので」 性風俗はその実態を知らなければ、体だけの関係を金銭で売り買

          風俗嬢の紹介文から見る東京

          道玄坂冬けやき (6514字)

          ※この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。  また、こんな日々がやってきたのだ。JR渋谷駅と、道玄坂のラブホテルを往復するだけの日々が。M性感で、お尻を掘られるだけの日々が。  JR渋谷駅から道玄坂のラブホテルへ向かい、道玄坂のラブホテルからJR渋谷駅へと戻る。渋谷における私の歩行記録を採ってみたならば、お尻を掘られるという目的とは裏腹に、男性器を手でコカれるような単調な往復運動が描かれるだけだろう。そんなことはわかっていながらも、それをまた繰

          道玄坂冬けやき (6514字)

          万引きで捕まりかけた話

           社会人1年目の、冬だった。  クリスマスから年始に向けて長い休みが取れ、静岡にある実家に帰省していた。自意識的な事情により旧友とは全て連絡を絶ってしまっているから、実家に帰っても特別することはなく、むかし自室だった部屋に籠もって読書をしていた。  東京から持ち込んだ2冊の本を読み終えると手持ち無沙汰になった。暇を共に過ごす本を見つけようと、実家から1kmほど離れた、海の近くにある古本屋へと自転車を走らせた。   古本屋に入ると、BUMP OF CHIKENの『車輪の唄』

          万引きで捕まりかけた話