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9月27日 地雷グリコ 感想

 青崎有吾さんの地雷グリコを読み終えました。最後までお話のテンポが良いままで、終わらないでほしいという気持ちのままに最後のページをめくる久々の感覚を味わせてくれる作品でした。あと想像よりもかなり漫画だった。

 以下ネタバレありです。


 この間イケメンがじゃんけんで殺し合うギャンブル漫画を読んだところだったので思考が完全にそっち側にいってしまったんですけど、誰も命を落とさず身体的な後遺症もないまま最後まで行ったのが逆に新鮮です。こういう話だと命がけで臨むことに戦いの意味を感じる主人公が多いので、真兎のスタンスも珍しい気がしましたね。普通のことなんですけど、普通の人はあんな複雑なルールに瞬時に適合して裏をかきにいったりしないので。とはいえこのジャンルはそんなに多くの作品に精通してるわけでもないですし、似てる似てると言われていた嘘喰いも読んだことがないまま気になるなーどまりなので、全員が全員バーサーカーなわけじゃないんでしょうね。
 個人的に一番面白そうだったのが自由律じゃんけんだったんですけど、一番審判の負担が大きいだろうなとも思いました。プレイヤーが決めた独自手の内容を認めるかどうかをすぐに考えないといけませんし、熟考したという事実から相手がどんな手を設定したのかが悟られてしまうこともあるでしょうし。椚先輩ばりに公平で判断力に長けた人物でなければいけず、そんな人がそうそういるわけが……と考えてから塗辺くんが脳裏にちらついてきて困ります。彼は出番でいえば大した量じゃないのに、異常に濃かった。そういう枠を好きになりがちなので、塗辺くんがメインの、愚煙試合に向けてなんやかんやする短編とか読みたい気持ちがすでにあります。
 あと、昔いざこざがあった旧友との再会というシチュエーションで、ちゃんと三人仲直りで終わったのが嬉しかったです。エピローグの雰囲気的に今後真兎と絵空がタッグを組んで試合に出ることもあるかもしれないと思いましたが、パワーバランスがめちゃくちゃになるので難しそう。でも本当に漫画だったので、星越学園の生徒会も認知していない”謎の生徒”が破格の掛け金で突如挑戦を持ち掛けて来て……みたいなインフレ展開もたぶんあることでしょう。


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