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志望動機は3つの層に分けて考えよう!

志望動機は就活の鬼門

6月に入り、就職活動もいよいよ本格的にスタートします。みなさんの中にもこれから面接で忙しくなる人が増えてくるかと思います。
そんな中、多くの就活生が困るのが志望動機。「似たような会社が多いのに、志望理由考えろって言われても」という言葉や、「志望理由なんて結局その場を誤魔化す、偽りの内容を行っている人ばっかりなんでしょ」など、皆さんの悩みや不安が多く聞こえてくるようになりました。
そこで今回は、誰にでも簡単に作れる、面接官を唸らせ、否定されない志望動機の組み立て方を伝授します。

まずは仕事を通じて成し遂げたいことを明確化

皆さんは就活生としてどこかの企業の選考プロセスに進んでいきます。しかし、なぜその会社で働きたいのでしょうか。もちろん、生きていくためにお金が必要だからという理由は当然あるでしょう。しかし、それでは仕事をする理由は説明できていても、その会社を志望している理由にはなりません。

仮に「給料が高いから」とか「断然ホワイトだから」などの理由で志望しているとしても、給与が高い業界は外銀やコンサル、商社など多岐に渡るし、ホワイト企業も同様に多くあるはずです。
その中でもその企業を選んでいるからには、何か理由があるはずです。

その理由を探る際に必要な視点は、「その会社で何を成し遂げたいか」という問いをしてみることです。どのような社会を作りたいのか、自分が仕事をすることで周りの人にどのような影響を与えたいのかについて、最終的なゴールは何なのかを明らかにすることが大切です。

このゴールはご自身の経験から培った価値観や人生観に基づいて決定しましょう。例えば、「高校の頃に自分がホームレスになり露頭に迷った経験から、貧困問題を解決したいと思った!」は、納得感がありますが、「途上国に行ったこともなければ大学で学んだこともない、そういったNGOで働いていたこともないけど、やっぱりそう言った問題の解決は大切だと思った!」では、面接官の反応は「へー、そっかー」で終わってしまいます。

業界・アプローチ・企業の3つの層

「その会社で何がしたいのか」が決まったら、それをするために、なぜその会社を選ぶのか、を言語化していきましょう。そのために必要なのが、3つの層で考えることです。ここでは仮に、会社で達成したいことが途上国の開発、いきたい企業がトヨタ自動車だという想定で考えてみましょう。
会社で達成したいことは途上国の開発ですが、支援ではなく、現地の人が自分たちで働いて稼ぎ、自分たちの力で豊かになれるような仕組みを作りたいと考えたとして、なぜトヨタ自動車なのか、の志望動機を作っていきます。

1つ目の層は業界。なぜその業界がいいのかについてまずは考えましょう。例えば、トヨタであれば、なぜ自動車業界なのですか?という問いです。自動車業界であれば、途上国に雇用身を生み出すことができる、と答えることが大切です。例えば、以下の内容で回答できます。

「自動車は身の回りの工業製品で最も部品点数が多いなど、産業の裾野が広く、雇用創出能力が最も高い業界だとうかがっております。その自動車業界を発展させることで、雇用の維持拡大をしていき、大企業から地域の町工場まで広く影響を与えられることから、自動車業界を志望しております」

上記の回答をした場合、次に面接官が気になるのは、なぜそのアプローチなのか、です。今回の場合は、なぜ自動車メーカーの中で、完成車メーカーというアプローチをしているのかでしょう。自動車業界に関わるといえども、アプローチ方法は完成車メーカーから、部品メーカー、素材、ディーラー、自動車保険まで様々あるはずです。

「途上国に雇用を生み出すことを考えた際、完成車メーカーがいいと考えます。なぜなら、完成車メーカーだけが、どこで自動車を作るかを判断することができるからです。仮にトヨタが南アフリカに自動車工場を作れば、部品メーカーも進出してきたり、現地の工場が発展したりすることで、大きな雇用創出が行われます。こう言ったことを検討できる完成車メーカーというアプローチが、自身のやりたいことだと考えました。」

ほうほう、だから完成車メーカーがいいのね、と面接官も納得し始めたことでしょうか。ここでやっと、じゃあなんでホンダや日産ではなくうちに??、と面接官は聞きたくなるわけです。ここでついに、なぜこの企業なのか、という問いに答えるわけです。

「完成車メーカーの中でも御社は特に途上国への進出が盛んであり、アフリカへの進出では他社の追随を許さない3拠点を既に抱えております。また、中期経営計画においても、さらに途上国への展開を加速させることを目標においております。この中にあって、私が入社し、"多様な文化的背景の相手の懐に飛び込むことができる"という私の強みを用いることで、現地の人から信頼され、円滑に進出することで、御社にとっても、私にとっても理想の状況ができると考えております。」

※本当にトヨタがこんなことを言っているかは知りません、あくまでも例です。

ともすれば、就活生の多くは、なぜこの企業なのか、という問いに終始して答えがちです。「先輩の人柄」に惹かれがちだし、「企業理念」に共感しがちなわけです。しかし、これでは、面接官としては、「それうちじゃなくていいじゃん、、、似たような理念なんてどこにでもあるよ」とか「いやいや、数人の社員に会っただけで人柄に惹かれても、僕は君に引いちゃうよ」と思われてしまって終わるわけです。(社員の多くは正直企業理念なんて覚えてないのではないでしょうか)


まとめ|大切なのは「なぜあなたがそれをやらなければいけないのか」かと「なぜ他の企業じゃダメなのか」

今まで見たように、達成したい社会に向けて、志望動機を3層に分けることで、相手を納得させることができる志望動機が作れるはずです。
そもそも、面接において、志望動機で聞かれて困る質問は2つだけです。「別にあなたがそれやらなくていいじゃん」と「それうちの会社じゃなくてもいいじゃん」という定番のツッコミです。

「別にあなたがそれやらなくてもいいじゃん」に対しては、仕事を通じて成し遂げたいことや達成したい社会についての説明であり、自分の人生と紐付けた、やりたい仕事の説明が回答となるはずです。

「それうちの会社じゃなくてもいいじゃん」に対しては、3つの層に分けて答えることで、それなら確かに他じゃ無理だやな、と理解してもらうことができるでしょう。

志望動機の回答作りは、自分が人生で何をしたいのかと向き合うちょうどいい機会となるはずです。社会人10年目くらいに、この仕事を選んでよかった、と思えるように一度立ち止まって考えてみることをおすすめします。

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