狼欒神社の参詣が終わらない
2021年1月13日。
ついに、その日はやってきた。
実に5年ぶりとなる我らがSound Horizonの新譜、『絵馬に願ひを!(Prologue Edition)』発売の瞬間である。
プロローグということはフルも出るのか?という問いには二つ返事でイエスだが、残念ながら発売日は未定である。
主宰Revoさんは「アラウンド2021年には」とインタビューで仰っているので、そのうち出ると思う。たぶん。
こちらの作品。一番の大きな特徴はBD、つまりブルーレイディスクで発売されたというところである。
CDではなくBD。
ついにCDのメディアでは収まりきらなくなったらしいぞこの栄光の移動王国は。
また新しいことをやってのけたなあ……などと思っていたところ、Revoさん自身は10年前からBDで出すことを考えていたらしい。
本当にとんでもないことを考えるぜ我らが王はよぉ〜〜〜〜〜!!!!
一生ついていきます。
話を続けよう。
BDになるとどうなるか、というと。
それまで付属のブックレットで歌詞やイラストを見ながら曲を聞いていたのが、映像付きで全て楽しめるようになる。
一言で言えばMV集。しかも歌詞表記までアニメーション。
心が階段を転がり落ちている……(歌詞の話です)
そして、BDになったことで音質が大幅に向上したらしい。
これはヘッドホンで聴くとよく分かる。臨場感が半端ない!
既に色々とすごいのだが、Sound Horizonはこれだけでは終わらない。
Sound Horizonは物語音楽である。
5年前の『Nein』に至るまで、物語の大筋は曲によってある程度決められていた。もちろん全ては語られないから、その隙間を我々ローランは必死こいて考察するのだが。
『絵馬に願ひを!』は物語の結末すらローランが決めることになる。
トレーラーを見ていただければ分かるのだが、曲の途中で突然分岐が現れリモコンでの選択を迫られる。
そして選択肢によって物語の展開は変わるし、次に聴ける曲も変わる……という寸法。
ついに地平線の行先も、我々が舵を取る時代になってしまった。
Prologue Editionの分岐は全部で3つ。
選択肢そのものは全8通りで、収録曲は全部で9曲。
単純に8回周回すれば全ての曲を聴ける(『周回』というワードが出てきている時点で何かがおかしいけど、気にしたら負け)計算になるのだが、それで終わらない。終わらないんだよこの地平線は。
リード曲のナレーションと間奏が2パターン存在したり。
途中の台詞を入れている声優さんも複数人存在したり。
各分岐において、超低確率で発生する通常以外のルートが発生したり。
そのすべてがランダムだったりする。
もちろん普通に聞いていたら絶対に気づかなかったので、Twitter上で先人ローラン達から得た情報ではあるのだけれど。
おかげで8周で終わらなかった。軽く20周はしているしそれでも全ルート回収できてない。
総参詣時間(再生時間のこと)が「参拾伍分以上」なのに、壱道筋乃参詣時間が「貴方次第」とHPに明記されている理由がとてもよく分かったぞ……
これは永遠に参詣が終わらない。終わらせてくれない。
そんな感じで困惑しまくる我々ローランを嘲笑うかの如く、堰を切ったように公開されまくるインタビュー記事。
5年の沈黙を破り発表されまくるメディア出演情報。
突然投下される国歌の振り付け動画。
(Sound Horizonは王国なので国歌があります。ツッコんだら負けです)
そして1月19日より、コンサート『Sound Horizon Around 15周年記念祭』も無事開催されている。
このご時世なので通常通りの開催とはいかず、アーカイブ配信を後日行うらしい。
どう足掻いても東北の辺境を出られないので、ありがたい限りだ。
1公演3万越えのプレミアム配信チケットあったりするけど……
それでもプレミアム配信でしか見られないコンテンツと演出が目白押しすぎるので、ひとつくらいは見たいなあ、と思う金欠ローランであった。
だって、コンサートで絵馬の再現するんだよ?配信の内容、わたし達の選択肢でリアルタイムで切り替わるらしいよ??
そんなことしてくれるんなら3万くらい払うよ……払わせてよ働くから……!!
約5年の沈黙を破り満を辞して発売された『絵馬に願ひを!』。
その奈落のような奥深さに情緒を乱されながら、わたしは今日も参詣を繰り返すのだった。
美味しい肉を食べます