中小企業にあったフィードバックのやり方

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昨日、会長が所属する経営者団体の自社訪問のフィードバック用紙を見させていただいた。

手厳しくも貴重なご意見ありがとうございます。

でも、感想を一言言わせて頂くと、うちの顧問税理士他数名以外はこちらのお願いしたい意図とズレていたような印象を受けました。
まあウチの会長の説明不足も原因としてあるんですが…。

この経営者団体は勉強熱心で知られる団体でそういう意味では熱心に会長の説明を聞いた上で、自社の経営に関しての意見を言って下さって有難いとは思います。

しかし、今までの活動経歴同様に今回も、弱みの指摘ばかりに意識がいっておられ、こちらが望む強みの指摘とそれを伸ばすために改善すべきことがらがなく、あったとしても社交辞令になっている場合がほとんどになっているようにお見受けしました。

とはいえ、それはそれでやれそうなことはやろうかと思います。


(ちなみに社長である自分に対する精神論に基づく経営姿勢の批判や偏見に基づく事業承継時期尚早論は誤解に基づくものだと思いましたので省略します)

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大企業と違って、中小企業ってヒト・モノ・カネが不足しており、欠点だらけのところが多いというか一般的です。

限られた経営資源を選択と集中によって、事業ドメインを設定して戦略を練り、強みを生かした経営をしていくことが要請されます。

そのためには、まず自社の強みを把握する必要があるのですが、会社内部からはそれが見えにくいです。

だから外部の目線で、それを見つけてもらい、それが事業利益に結びつくためのアドバイスや人手確保のアドバイスをいただく。

それが中小企業に対するフィードバックなんだと思うんですよ。

フィードバックの中に御社の事業ドメインが見えてこないみたいなご意見がございましたが、それをおっしゃるなら経営者としてウチの強みを指摘した上で、それが事業に結びつくために必要な視点や方策をおっしゃっていただくと有り難かったです。

あと、人手不足に対しても、同様に足りないことばかりを指摘するのではなく、人手確保に対するウチの強みを指摘してもらった上でそれを人手確保のためにどう生かすか、についておっしゃってもらうとより有り難かった

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この団体には勉強が大好きな専門家、もしくは高齢の経営者の方が多いのでしょう。

おそらく前者は教科書に書いてある綺麗事を真に受けていたり、後者は高度経済成長の波の中で育ち、大人になった方々が多い。

こういった方々は粗をなくすことの意識が身につきすぎてしまっているのでしょう。

粗を消していけば品質が向上し、大企業に近づくみたいな。

でも時代は右肩下がりの成熟期になり、安くて品質の良いものを作る会社だらけになって、大企業でさえ、苦戦を強いられるようになりました。

この場合、粗を削って品質を上げても売れる保証はなくなりますね。

そこでは面白いものやサービスが売れます。

面白いものを作るためには会社の強みを伸ばし、事業利益や人集めに結びつける観点が必要になります。

ある意味欠点だらけの中小企業にもチャンスのある時代になったと思います。

だからこそ、その中小企業に対するフィードバックは欠点の指摘ではなく、長所の具体的な指摘とさらなる改善のための方策であるべきだと思うのです。

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これは自分やウチの隊長も心しなければならない観点だと思う。

隊員を指導するにあたり、足りないところを指摘するのは間違っていないが、あまりにそこばかりに目が行き過ぎて、彼のいいところに目が行かなくなると人的資源の無駄遣いになってしまうおそれがある。

むしろ基本的に隊員のいいところを指摘した上で、そのよさを更に伸ばすための方策を隊員と一緒に考えていくスタンスがこれからの時代には必要とされるだろう。

弱みは強みの裏返しだという人もいるが、あまり弱みを指摘しても、意味のない時代になってしまった。

ある意味難しい時代ですね。

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