理想的に理念を現実にすり合わせる
1. この人は現場の仕事は出来るのに管理は向いていないなあとか、その逆とか感じるときがある。
代替わりした昨年のこの時期に合わせ、この会社に本物の警備という理念を浸透させながら、公平な組織にする目的で作った警備マイスター制度。
この制度の人事制度は現場隊員→管理もする隊長や事務方というシンプルな形(以前はこの形すらろくになかったので進歩したとはいえるのだが)。
考えてみれば、業務がすごく出来るのに管理が下手なばかりに隊長にできなかったり、辞めてただの一隊員に戻すというのは実質的な公平性に欠けるといわざるをえない(まあ今は金銭上や時間的な理由で管理者教育自体が不十分なのでそれ以前の段階なのだが)。
もちろん、だから俺はこの現場しかしないとか、この仕事しかしないだなんて身勝手な言い分を許すわけにはいかないが、将来的には隊員の特性を生かせる「組織」を作って行きたいものだと感じる今日この頃である。
2. その考えに近い人事制度は何かと考えた時に浮かんだのが複線型人事制度である。
複線型人事制度とは、複数のキャリアやコースを企業内に設定して、社員に選択させる制度である。
具体的に従業員が非管理職から管理職へと昇格する時点で、3つのコースからひとつを選択させようとするものである。
(1) まずは従来通りのライン上の管理者となる管理者コース。
(2) 次に特定分野における専門家で、一般的にスタッフ部門を指す専門 職コース。
(3) 最後に実務知識や技能を活かす上級実務家で、一般的に現場のエキ スパートを指す専任職コース。
(その他仕事内容と転勤の観点から総合職や一般職、その中間の準総合職等の区分けがあるが今回はその話題は省く)
この複線型人事制度のメリットとしては①社員の役割に応じた教育による適材適所の人材配置ができること②社員の能力や個人的な事情に応じた進路選択が可能になること③コース別の教育訓練の実施による教育効果の向上と教育コストの削減、がある。
個人の特性に応じたキャリア選択の機会の付与。今の多様な働き方の時代に必要な発想だと思う。
3. 我が社の警備マイスター制度は企業理念の「本物の警備」を具体化したものなのでその浸透は理念の浸透、ひいてはサービスの差別化に繋がって行く。
ただ現実はその浸透について比較的上手くいっている部門もあれば、まだわがままばかり、一人親方ばかりの部門もあり,思うように浸透しきっていないところもあるのが実情。
それを打開するために一部の1人親方達の妨害にもめげず事業構造の再構築を行い経営の安定化を図り、この制度を受け入れやすい土壌をつくることを図り、一定の成果を出しつつあるのが今。
この流れを決してとめてはならないが、理念の体現たる警備マイスターをより現実にすりあわせていくプロセスも今後必要になっていくと思う。
理想的に理念を現実にすりあわせる、それが上手く出来た時、我が社は次のステージにいけるものと私は強く感じている。
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