スタンガンに拳銃の代わりが務まるか?

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富田林での教訓が生きたのか。警察官を刃物で刺して拳銃を奪った事件での警察側の対応は早かった

防犯カメラに映った容疑者の容姿公開は人権上問題になりうるのでそれなりに覚悟が必要だったと思うが、地域の安全を考慮した上での迅速な対応は適切だった。

事案にもよるが、人権が正しく機能するためにも安全への考慮が大切だと一国民として改めて感じた。

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でも、その安全が変な方向にいってしまっている。

今回の事件に関連してテレビやネット上では原則拳銃不要論が話題になっているのだ。

つまり、拳銃不要論警察官が常に拳銃を携帯していると、襲われて拳銃を奪われたら返って治安が悪くなる。
だから警察官は一定の例外的な場面以外は拳銃を持たず普段はスタンガンを持つべき、という理屈の賛否が話題になっている。

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これに対して、賛成意見もあれば反対意見もあるが、僕はもちろん反対。

まず、この理屈は拳銃そのもののリスクばかりが注目されていて、警察官が拳銃を持たない場合の治安上のリスクについて考えられていない。

悪いことをしようとしている人間がいたとして普段スタンガンしか持たない警察官を怖いと思うだろうか。
やったことがないので断定はできないが、多分、気持ち的に楽になるだろうと思う。最悪殺されることはないと。
とするなら犯罪を行う確率も上がる可能性も否定できない。
犯罪抑止の点から問題があると言わざるをえない。

また、現に人の生命・身体上が危険にさらされている時に、最終手段としての拳銃がない場合、どうやってそれを防ぐことができるのか。


刃物を持った相手にスタンガンで果たして対抗できるのか。
至近距離にいない場合はどうすればいいのか。
やはりスタンガンでは問題解決のためには不十分だと言わざるをえない。

さらにはヤクザや反社会的勢力、マフィア、それにテロ組織や凶悪犯罪組織に対して拳銃なしで渡り合って行けるのだろうか?
敵は密売等で拳銃を手に入れるだろう。
そんな敵に丸腰同然で立ち向かえるのだろうか?

警察官が拳銃を発砲しにくくしている今の刑事実務上の運用を変えていくべきではないだろうか。その上で警棒をスタンガンに変えるならむしろ犯罪防止の強化につながって良いと思う。

確かに表面的な犯罪件数は平成14年以降下がってはいるものの、将来テロやカジノの解禁等で外国人犯罪が増加する恐れがある将来を考える時、その方が実態に合っていると思う。

むしろ、警備業法を改正して警察官だけでなく警備員のスタンガン所持・使用も許すべきではないか。

個人的には、警備員に一定の条件の下、拳銃所持を認めるべきと考えるが、現状が管理体制や警備員の資質に問題ありとするならば、とりあえずはスタンガンを所持・使用できるようにすれば警官を増員しなくても、今より犯罪抑止できるようになると思う。

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これから、外国人の入国が増え、倫理感覚の低い日本人も増えているのに、ヒト・カネが不足しがちな今の日本。

この状況で安全を確保するにはむしろ、治安当局の権限強化を検討すべきなのではないかと僕は思う。

戦前日本へのアレルギーから治安というものに対し、懐疑的になる方々がいらっしゃるのは分かるが、それが安全を軽視する理由にはならないと思う。

安全vs人権みたいな2者選択ではなく、それらをどう両立させるかという視点がこれから求められているのではないか。ここに日本の成熟さが試されていると思うのである。

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