見出し画像

伝わる話と伝わらない話 〜苦労話と失敗談〜

何か物事を習得していくにはまず基本を身につけることから始まります。いわゆる『型』。この型を知ってから自分なりにアレンジしてオリジナルになっていく。この順番が必要です。これを『型破り』と言います。型破りをしてオリジナルになれなければ亜流で終わってしまいますが、そのスタートはやはり基本を身につけることから始まると考えています。

話の構成、流れ、組み立てなどにも基本的なセオリーがあります。設計図や青写真的な感じでしょうか。

何かを話すことは。自分の頭の中にある伝えたい思いを他者に見える形にしてアウトプットすることです。伝えたい思いが何も無いなら黙っていればよろしい。
目的は「伝える」ことですから、より伝わりやすいようにしたほうが良いでしょう。より伝わるには、言葉選びや声のトーン、表情など様々な要因がありますが、その中の一つが「話の構成」。

構成にも様々な手法がありますが、まあまあベタでわかりやすく初心者向けなのが、

①意気揚々とスタートしたけれど〜 ②上手くいかない時期があり〜 ③それを乗り越えて今がある
みたいな山と谷の流れ。映画やドラマでもよく見られます。

先日とある経営者の方とお話しをしたいた時、その方がこうおっしゃいました。
「苦労話をするのはあんまり好きじゃないんですよね」
ああなるほど、これはなかなか示唆に富んだご意見だと興味が湧き考えてみました。
確かに、苦労自慢や不幸自慢になってしまうと面白くなくなるどころかマウントになってしまいそうです。

では、どうしたらいいのか。

まず『②上手くいかない時期があり』を「苦労話」ではなく「失敗談」にします。
両者の違いは何なのか。話の軸が「他者」か「自分」かの違い。さらに言うと「周りの環境」か「自分自身の愚かさ」ではないかと考えます。
例えば周りの環境は、創業時お金も人もお客様もいなかった、人に裏切られた、騙された、謂れのないパワハラを受けた、不慮の事故に遭った等々、自分の意思に反して起きてしまったこと。
自分自身の愚かさは、少し利益が出たから調子に乗って派手な生活をしてしまった、他者の感情を顧みず傍若無人な態度を取り社員が辞めていった、私利私欲を求めて情報商材に手を出して損をした等々、自分が選択して行った愚かな結果。

次に『③それを乗り越えて今がある』ではその主語を入れ替えます。
乗り越えられたのは「周り」のおかげ。決して「自分が頑張ったから」「自分の実力」とは言わない方がいいでしょう。

と、話し方にも様々なセオリーがあります。

どんな世界でもそうだと思いますが、知っていて敢えてやらないことと、知らずにやれないことは雲泥の差があります。
物事の習得の仕方は人それぞれで良いと思いますが、私はまずは基本の型を知る方がオリジナルへの近道なんじゃないかなぁと思いますよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?