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【毎日投稿】義務教育のことを改めて考えると...

 おはろん、義務教育芸人のしらすです(嘘です)。

 個別指導の講師のアルバイトをやっていると、やはり義務教育というものを考えざるを得ない。7歳から九年間、足し算やひらがなの書き取りからスタートして、芥川龍之介の作品を読んだり図形の相似を学ぶまでに至る。

 学校に行けば、1クラス40人弱の箱に入って一対多の授業を受け、クラスメートと給食を食べ、部活動などの放課後活動に勤しむ。これについて個別指導歴4年になる私が少しだけお話ししたいと思う。

義務教育は最高のサラリーマン育成

 日本の識字率(99.0%)や四則演算ができる子どもの割合は世界レベルでも高水準である。さらに生徒全員が同じ授業を受けたり、テストでいい点を取ると褒められ、悪い点を取ると「次は頑張ろう」と激励が来る。

 学校という一つの小社会の中で行われる教育が共通しており、同学年の人間同士で仲間を作り、多くの場合年功序列が効いており先生の言うことは絶対であるような風潮、まさしく一般的なサラリーマンの構図に近い。

 他の国との比較を明確にしたわけではないが、ここまで義務教育というものの恩恵を授かっている国はないと思われる。私自身も、こういったブログが書けること、数学を他人に教えられることなど、義務教育からの授かりものでできている。

しかし、それは学問ではない

 とある書籍で読んだのだが、数十年前の英語のレベルは今より偏差値でいうと10ほど高かったとされている。これは、英語の授業が英会話寄りになったことも考えられる。つまり、実用性に重視した結果、学力は低下しているのだ。

 また、エンタメというものが当たり前に存在するようになった日本では、多くの生徒がつまらない授業を聞くより、家に帰って見られるYoutubeやできるゲームにすべての思考を持って行かれる。それに合わせて、授業も「より分かりやすく」とか「より楽しく」といった部分を強調するようになったように思われる。

 当然ながら、それは学問を究める道ではない。何故なら学問にはエンタメ的な快楽の要素が少ないからだ。そのような快楽を求めるならば、圧倒的にゲーム、動画視聴の方に走るだろう。

 だから、テストでいい点を取るとすごい、これしか効かなくなるのである。

レッドオーシャンの経験値

 受験というのは多くの中学生と一部の小学生が経験するレッドオーシャンの世界だ。学力の高さを決められた科目の試験や面接などで他人と競り合う世界。点数が高いほうから合格が決定し、基準を下回ると不合格になる。

 勉強に励み、受験戦争を勝ち抜くということ自体が、レッドオーシャンでの生き方の一つとなっている。受験生全員が先生などから教えられたであろう同一の勉強内容でデッキを組み、本番テストを用いていかにして点数を稼ぐかを考え、研鑽する練習だ。

回想される給食

 お堅い話だけではつまらない。給食という文化については振れたほうがいいだろう。不自由ない学校生活を送っていた人なら、給食は思い出の一つだという人も多いはず。これには私も共感だ。

 学校の給食というのはありがたいことに9年間平日の昼に毎日登場する。これは世界では当たり前の話ではない。

 4時限目終了のチャイムが鳴ると、多くの生徒の口角が上がり、ワゴンで運ばれる給食に居ても立っても居られなくなる。いつか食べた揚げパンの味、特徴的だった麺類の麺、おかわり合戦が毎度行われた牛乳、定期的に出る大学芋など、人により、地域により様々な思い出がよみがえる。それと同時になぜか食べたくなるのだ。

まとめ:住めば(主観的)都

 学校生活が多くの人の人生の基盤を作ると言っても過言ではない。人との付き合い、基本的なものの考え方、性格や自分という存在の気づきなどは、学校生活が多く起因してその姿になる。

 だからこそ義務教育を終えた側の人間は、それの是非について説教のように口うるさく話題にする(私のことです)。

 しかし、学校生活という新しい環境を受け入れなければならない新入生というのは、基本的に無防備だ。「学校とは、そういうものである」という適性のもとで動かなければ生きてはいけないということを暗に感じるものである。

 勿論、学校という存在が楽しいと感じる人が必ずいる。その人にとっては学校が主観的都になっている。対して、いじめが原因で学校に行きたくない、よくわからないけど学校が楽しくない、などの理由で義務教育を避ける人だっている。

 問題は、この状態を「直すべきだ」と声をあげるかどうかなのだ。つまり、義務教育というものは平等で公平な楽しい教育を全員に提供すべきだ、という価値観を押し付けるかどうかだ。

 私自身の考えとして、学校は少なくとも天国であってはならないと思っている。楽しい学校生活の中にスパイスとして小さな理不尽を重ねていく方が、身のためだと思われるし、それをどう乗り切るかのノウハウを誰かとともに学ぶチャンスでもあると思う。

 さて、読者は、義務教育に何を求めるのだろうか?意味不明な校則の撤廃だろうか?けがをさせない立ち回りだろうか?それとも、よりおいしい給食とより長い長期休暇だろうか?

P.S

 私はあまり揚げパンが好きではありません。揚げパン派の皆さんすいません。

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