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イヤイヤモードを打ち破るズボン男

4歳の娘が、朝の支度でイヤイヤモードになった。

その日は屋外で運動会の練習予定だったので親的には長ズボンを履いてほしかった。

娘は半ズボンが良かったらしく、「長ズボンにしな」というレコメンドが気に食わず、「いやだ!!!」となった。

あ、これは地雷的な何かを踏んだか。と感じた時にはもう遅いのは子育ての常である。

娘はヒートアップし、今度は洗濯後に干してある半ズボンを指し「あれじゃなきゃ嫌だ!!他に履きたくない!!」と大泣きモードになってしまった。いや、結局それも半ズボンじゃねーか。

なだめてもすかしてもどうにもならず、長ズボンを履かせようとしたら娘のおならがプッと出た。

つい笑ってしまったら娘も笑っていて、「今だ!!!!」と和やかムードを維持すべくヘラヘラしたまま再度長ズボン装着チャレンジを開催するもあと一歩及ばず。

ただ会話はできるくらいに落ち着いてきたのでもう一押しなんだよな、と思いつつ攻めあぐねていると、バタン!と風でリビングのドアが閉まった。

咄嗟に「誰か来たのか?」と迫真の演技をすると、娘も心配そうな顔になった。

「見に行ってくるね」と言い残し部屋を出て、しばらくして戻り娘に事の顛末を伝える。

娘「誰だったの?」
父「ズボンおじさんだった。「ズボン履いていない子がいますか?」って聞かれたから、「今履くところなので大丈夫です。」って言っておいたよ」
娘「どんなかっこだった?」
父「(なんでかっこ気になるんだよ)頭にズボンかぶってた」
娘「Tシャツは?」
父「(なんでTシャツ限定なんだよ)着てたよ。「ズボン」って書いてあった」
娘「もう来ない?」
父「履けなかったらまた来るって言ってたよ」

朝7時の高尚な会話

するとなんということでしょう、娘はそそくさと長ズボンを履き出した。

これ多分、一回イヤイヤモードになってもう本人も疲れてるんだけど引っ込みがつかなくなってて、「このモード打ち切れるきっかけを親がスマートに提供してくれよ」という状態になっているのだろう。

その塩梅が難しいんだけどね。とりあえず「ズボン男」は著作権フリーで置いておきます。

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