DORPが描く浜松のクリエイティブの未来。
2013年に発足したデザイナー・オープン・リソース・プロジェクト（以下DORP）は、浜松に関わりのあるデザイナーに焦点をあて、その持てる力を引き出すためのプロジェクトです。浜松で個で活動する点在するデザイナーたちを結ぶことでより広く大きく創造分野の活性化が図れるのではないか、という発想でした。Webデザイナーの鈴木力哉、編集者の大杉晃弘、そして僕、グラフィックデザイナーの宮下ヨシヲの3人で始めました。
2014年には浜松で活動するデザイナーにインタビューをした冊子.SOURCEを、翌2015年には浜松市が開催したはままっくすデザイン会議のプロジェクトの一環として.SOURCEの2号を発行しています。
.SOURCE 1号 2014年発行
.SOURCE 2号 2015年発行
また2014年には.SOURCEの発行と合わせてデザインを考えるトークイベントDORP INSPIRATION 2014を開催しました。地方から紐解くデザイナーのこれからというテーマで、ローカルにおけるデザイナーのあり方を探りました。
2016年にもまたDORP INSPIRATION 2016として、なるほどデザインの著者で株式会社コンセントのアートディレクター筒井美希さん、関口裕さん（現・日本デザインセンター）や、長谷川恭久さん、オイシイワークスの黒元実紗さんをお招きし、デザインの可能性と機能するための仕掛けを考えました。
DORPから生まれたデザインプロジェクト
また、こうした動きが浜松の産業界とも少しずつリンクし、DORPがきっかけで浜松のプロダクトデザイナー松田優くんと創生商事株式会社による家具プロジェクトBOKUNOが誕生しました。
松田くんはその後もトヨタのLEXUS NEW TAKUMI PROJECT参加し、魅力的なプロダクトをデザインし続けています。
また浜松でデザインを学ぶ学生に、プロのデザイナーが指導、サポートをする形で「静岡県産品シンボルマーク」のデザインをディレクションしたりもしました。
浜松のクリエイターを発掘する
2016年には浜松のデザインにまつわる制作者（=デザインパートナー）をもっと地元の企業や団体にも知ってもらおうと浜松デザインパートナーズ2016を発行いたしました。浜松で活躍するデザイナーはもちろん、イラストレーター、フォトグラファー、編集者などをコンパイルした浜松版デザイナー年鑑です。実に53組も参加してくださり、地元の大手書店の谷島屋さんなどでも取り扱っていただいたことで多くの方の手に届いたようで、浜松のクリエイターを広く知っていただくという役割はとりあえず果たせた気がします。
今年度も浜松デザインパートナーズを発行いたします。
さて2020年に4年ぶりに浜松デザインパートナーズを発行しようと企画しています。今年度はテーマを協働にいたしました。クリエイティブの求められる範囲は年々広がっています。展示会をするときにグラフィックももちろんだけど、同じ感性をもったインテリアデザイナーと組むことでより高いクオリティのデザインが完成すると思います。また印刷物やWEBのみならず最近は映像制作も求められる事も多く、その時にセンスの良い映像作家やサウンドデザイナーが近くにいればプロジェクトチームとしての能力は格段に上がるでしょう。今回はデザイナーや写真、イラストだけでなく、執筆や建築や音楽、映像など広い範囲でのクリエイティブの職能を持っている方とさせていただきます。浜松在住または拠点とされている方（浜松近郊も可）であれば誰でも応募資格はございます。
募集は8月1日〜9月30日までになります。掲載料は無料です。浜松を拠点に活動してらっしゃる様々なクリエイターの方を結ぶことが出来たら、浜松という町の創造性が一層おもしろいものになる。そんな未来を描きながら制作して行けたらと思っています。下のバナーからご応募よろしくお願いいたします。
浜松の気になるクリイター紹介。
ここからはせっかくなので、浜松の気になるクリエイターを紹介していきたいと思います。
まずは、アニメーション作家としても活動するtsukunem.さん。cinnamonsのアートワークやミュージックビデオも担当されています。80'sポップでファンシーで懐かしさもありながら、今っぽいデジタル作画の抜けの良さもあって印象的なアニメーションです。浜松にこんなセンスの良い方いたんだ！と知った時に思わず嬉しくなったのを憶えています。
浜名湖の蜂蜜専門店「長坂養蜂所」のCMソング「ぶんぶんはちみつのうた」は浜松の音楽家マッスルNTTとシンガーソングライターにゃにゃんがプーというニューウェイブ界では知る人ぞ知るミュージシャンによって作られています。こういうのが地元のチームで作れるのは強いですね。
磐田の食品会社ポンデケージョ カザドポンのCM曲は、qujakuのギターとして、そして浜松KAGIYAビルB1Fのライブハウス、キルヒヘアの元オーナー水野壮志くん制作、その実母MAACHANがボーカルです。
DORPメンバーでもある大杉晃弘は活版印刷工としても活躍しています。町にこういう場があるとつくるデザインの幅も広がりますね。
浜松在住のイラストレーター草間花乃さんは新しい東武百貨店池袋店B2Fのイメージビジュアルやショッパーにも採用され目にした方も多いのだと思います。
浜松にもまだまだ面白いクリエイターの方がいるのだと思います。浜松デザインパートナーズ2020では、広くクリエイターの方が応募してくださると嬉しいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
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