1000万円で面白いものを撮ってこい!
「ロケで海外にタダで行ける!」という甘い考えは間違っていた。
写真は「ネプ&イモトの世界番付」という番組のロケで行ったキューバ。
2014年、当時31歳。
ディレクター4年目くらいの僕は、想定していたネタがことごとく現地でNGをくらい、電話でゲキ揉めしていた。
テレビ業界に入って最高だと思える理想の1つが「海外ロケに行けること」
結果からいえば、
キューバ/メキシコ/スウェーデン/ネパール/韓国/タイ
様々な番組で、一生訪れる機会がないであろう国にも行けた。
しかし、ディレクターとして知った現実は…
ゴールデン番組の海外ロケは費用が4桁になることがあるというプレッシャー。
当然、つまらなければお蔵入り。
ましてや1回のロケで「アイツはできないディレクター」というレッテルまで貼られるであろう。
そんな責任感のもと海外に行かなくてはならなかったのだ。
日本でのロケと違い、海外は全く想定通りにいかないため、警察のお世話になったり、毎日、道路の上で台本を手書きで直すハメに…。
最終的にタレントに渡した台本は全て手書きになっていたほど、滞在中は脳みそフル回転だった。
時には空気の読めない覆面レスラーに殴られ、流血することも。
海外ロケでの印象を文字に起こすとこんな印象だった。
しかし、携帯の写真を見返してみると
【キューバ:カメラマンがインサートを撮ってくれているのをよそに満喫する様子】
【スウェーデン:超優秀名物コーディネーターと素敵な時間を過ごす】
【メキシコ:覆面プロレスの本場で大はしゃぎ】
結局のところ、死ぬほど楽しかったんだろう。
スタジオで自分のVTRで爆笑している芸人さんたちを見て、ロケでは震えなかった脚が震えたのを覚えている。
この業界でしか見れない世界、挑戦、感じられないプレッシャー、
「おもしろい」を追求する楽しさ。
これらの経験を生んでくれた「1000万円」
その価値は、今思えばまるでそれではない。
株式会社シオン
ディレクター
本田 学
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