ゴールデンカムイ考察 最後の晩餐編

キロランケとウィルクとソフィアの関係が見えて来たり、家永が…杉元と白石が…だったりと、最後の晩餐メンバー全員の伏線回収に突入してきたので。

9巻収録 81話「隠滅」に出てきた最後の晩餐の解説兼考察

座り位置と簡単な人物紹介は以下
左から

左上杉元=ペテロ

主の一番弟子。
主が処刑されるとなると、自分は罪を被りたくないと主との関係を否認する、ペテロの否認で有名

使徒を仕切るリーダ格。

最後の晩餐では、主に裏切り者の告発を促す役。

樺太後、土方組と再合流したあとの酒宴で、門倉さん名指しする辺り役目通り。

右手に持つ箸が、左端に座っている剥製を指しているのも意味深。

左端はバルトロマイ
ミケランジェロ最後の審判でナイフと自分の皮を持つ、聖人。皮剥ぎ刑で殉教。

皮職人の守護聖人。

最初の後藤のおっさんの死体引きずって皮剥ぐまでのくだりは、最後の審判のオマージュ。

そのまま皮剥ぎ係。

箸=左端っていうシャレ

元の最後の晩餐も、ナイフが向いているほうにバルトロマイがいるので…

ミイラ取りが、ミイラにならなければいいですが…

キロランケ=イスカリオテのユダ

主を銀貨30枚で司祭長に売り、処刑させた裏切り者。

作中そのまま初期から、アイヌ惨殺金塊強奪の真犯人的扱い。

キロランケの主は、ウィルクもしくはソフィア。

キロランケがウィルクへの裏切りに関しては、そのまま、金を昔の仲間のために使う使わないでモメたから。

キロランケが主であるウィルク(のっぺら坊)の処刑を尾形に任せる辺り、尾形が司祭長の立ち位置に。

網走時点での配役
ウイルク=主
キロランケ=ユダ
尾形=司祭長

樺太後の配役
ソフィア=主
ウイルク=ユダ
キロランケ=マタイ

過去話からすると、鶴見さんがソフィアを裁く役ですが、本誌ソフィアの処遇は
まだ。
 

杉元とキロランケは縦に並んでいるので、タロットカードのように上下入れ替わりも示唆されている。

現に杉元は「アシリパさんを引き渡す代わりに二百円貰う」という契約を鶴見中尉とした。
金で、アシリパさん(主)を鶴見中尉(司祭長)に売った話そのまま。

それより遡ると、杉元がアシリパさんより前に契約した主がキロランケで、杉元が鶴見中尉と契約したことで、谷垣がキロランケに致命傷負わせるくだりは、谷垣が5巻カバー絵ですでに予告されていたとか面白いなと。

タロットカードの5は別名司祭長なので。


ヨハネ=白石

主に最も愛された弟子。最後の晩餐では中性的に描かれている。

杉元によりかかるのは、ヨハネの福音書の記述で、主に気に入られている弟子が主に寄りかかっていると、客観的に描かれている
ことから自分は寄りかかっていない。もう一人の主(杉元)によりかかる、白石なのかと。

杉元、白石、アシリパさんのトリオで白石が癒やしのムードメーカー的な所しかなかったんですが、本誌杉元裏切った房太郎がアシリパさんの意を汲んで、命懸けでアシリパさんと杉元を引き離したので、最後の晩餐の絵通り、白石が杉元をアシリパさんから遠ざける壁役になってきて面白く。

網走も…キロランケについて、杉元とアシリパさんを引き離した壁役…


ますます、最後の晩餐回のあった、夕張炭鉱のトロッコに…
レールの分岐で、杉元白石は本来なら死んでた。
尾形が相棒(牛山)連れてたから助かった。
運転できないから、ブレーキかけられない宣伝カーに乗るとかトロッコ回そのまま…

このまま付き合い続けると、杉元と心中ルートですが白石だけはどうか…

※房太郎関連は本誌に合わせて修正しました。


主=アシリパ

言わずもがな。主役のはずなのに、杉元のせいで影がどんどん薄くなって、本来のルートから外れていくヒロイン…

元ネタのほうは、裏切り者を予言する場面ですが、裏切り者の予言をしたのは、もう一人の主杉元という。

これから裏切り者を告発します。と集まって食べる食事メシマズ。

食事は静かに(会食除く)の国は多いですが、そこは宗教観の違い…


杉元一番弟子、白石二番弟子、尾形最後の弟子と順番通り?


大ヤコブ=牛山


怒りっぽい性格の野心家、ヨハネと兄弟


牛山も白石どっちも遊郭好きだもんなと…

兄弟=同胞という意味で、刺青囚人で遊郭好きと。


フィリポ=家永

弟子の中で食料係とそのまま。

親しみやすかったらしい。

死者を蘇らせ、幾多の命を病気や怪我から救った。

家永が医者なのもそこから、死者の蘇り杉元…まんまと言えばそのまま。

二人の娘と共に殉教

家永が助けたインカラマッのお腹の子は女児だったので、家永母が亡くなった時妊娠していたのも女児なのかも。

そして、母の肖像画に瓜二つの顔で亡くなる…二人の娘ってそういう意味か〜と。


マタイ=尾形

いちばん最後の弟子で、最も主に忠誠を誓った人。

組織の中で、嫌われ仕事している辺りも。

マタイ福音書と、マタイ受難曲(対訳付き)調べると、なるほどと思う所も。

※前後編別れていて合わせて3時間ですが、主が裏切られるまでの前半だけでいいかと…後半は主の処刑話なので。

マタイ受難曲は特に前半。
ソフィア、キロランケ、ウイルクの三角関係そのままだなと…虎とオオカミとか…
木の十字架=銃に置き換えると尾形とキロランケ。

途中、官能小説的なメタファーが繰り広げられる所はホント、ソフィアとキロランケだなと。


マタイ福音書


71話のマタイ7章15節で、羊の面被る狼の鶴見中尉とか

キリストの母マリアに夫がいると、マリアの処女性を否定した現実的な人でもある。 
お役所仕事してた人なので、高学歴で現実的だったんだなと…
 
でもそこは無視され空気。

全員分の食事をセッティングしたりと気前のいい人。

杉元組には、ヤマシギ、大雪山鹿。
樺太編トド、トナカイ、シロイルカ
土方組には白鳥、カモも?

家永の食べてたお粥作りそうなのは、尾形しかいない?
どっちも食事セッティングする者同士。
尾形ばあちゃん子を家永に置き換えると面白い。ジジイとは言ってますけど。


四徳持ち合わせている人物らしい。

西洋四徳
思慮、勇気、節制、正義

どれもタロットにあるワード。
尾形カバー絵巻タロットカードの8は正義でもある。
力のカードに描かれている獅子は、勇ましさを表す。

節制=頭に∞マークのある乙女に飼い馴らされている獣。
節制のカードの2つの水瓶の部分は、∞を表す。星のカードの2つの水瓶も。

思慮の部分は、戦車のカードに描かれているスフィンクスもしくは、フード被った見た目の隠者のカードの部分かと。


ニーチェの四徳
誠実、勇気、寛容、礼儀


寛容以外は、こちらのほうが近いかも。

寛容…寛容…イヤミ言ってるうちは、まだ寛容なのかも…

寛容の度超えると、鯉登少尉の時のように…

ユダ(タダイ)=土方歳三

最後の晩餐、裏切り者のイスカリオテのユダが有名になりすぎて、紛らわしいから聖人から外された不遇な人。

ヨハネだけだと、どっちの?ですし洗礼者ヨハネもいるので。 

最後の晩餐大ヤコブも小ヤコブもいるのに、片方が悪い方に有名になりすぎて不遇…

聖書にも、ほぼ名前しか出てこない。
謎の多い不遇な人。


熱心党のシモン=永倉新八

こちらも記述の少ない人…シモン他にもいるので余計に

タダイ(土方)の隣に常にいると聖書に書かれているくらいな存在感の人?


聖書関係は、名前被りが多いので人物覚えにくい。
マタイ福音書とマタイ受難曲は官能的なメタファーもあるので、創作的な深読みしやすい。

こういう時、やっぱりpixivのほうがいいなと…エロワード書きたくても書けないので。

カインとアベル

最後の晩餐ではないですが、尾形の呪い、カインとアベル話も、肉食系男子の弟と、女性に興味ない草食系男子の兄の話で、妊娠した彼女連れてきて父に褒められた弟に嫉妬した話なので、そして孫が欲しい父が、残された兄にどうしたら結婚して子づくりしくれるのか紆余曲折する話。
ラストまで違うそうじゃない…なので面白いです。

尾形のナイフは突き立てられてませんけど、処女の仔羊=アシリパさん…


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