夏・馳せる・徒然

夏の甲子園。
地元沖縄の代表、興南高校が初戦で敗退してしまった。
悔しい、頑張った。次こそは。
では今年の甲子園、2回戦以降観るか？
いいえ、観ません。
そんなもんです。

夏は暑い。
当たり前すぎて鼻で笑ってしまうが、今年は段違いで暑い。
ん？　去年も言っていた？
いいじゃないかそんな重箱の隅突くようなこと。
毎年、同じようなこと呟くんです。
あれだ、ボジョレーヌーボの『今年は今世紀最高峰！』と同じことだ。
そんなもんです。

夏はビールが恋しくなる。
僕は、去年1年間ビールを飲むことを止めており、
ようやく解禁し、最近飲ビールを再開したばかり。
だが、残念なことに今まで所持してたビールを嗜む舌を失くしてしまった。
併せてコーラも止めていたのだが
これも悲しいかな、以前より美味くなくなっている。
人は久々になると、拒絶するのだろうか。
そういえば、昔はよく会っていた小学生の従兄弟に数年ぶりに会う。
叔母「この人誰か知ってる？」
従兄弟「ん？（一瞥）知らん」
一蹴。
そんなもんです。

夏の夕焼けは美しい。
マジックアワーともよばれるそれは、とても心が落ち着く。
実に儚い淡い色をしていて、『マジック』とは言い得て妙だ。
家路に就くまでの道でお気に入りの場所がある。
新宿のNTTビルの背景に一面空が広がっており、
その下には線路が果てしなく続き、『THE東京』と言わんばかりの景色。
そこで、何も考えずに空を見るのがひそかな楽しみだ。
でもまぁこの季節。
ものの数分で暑くなって退散するが。
そんなもんです。

夏の蚊よりも血を求む。
数か月に一度のビックイベント『献血デー』が目前に迫っている。
僕は献血が趣味で、血を抜く許可が出ると直ぐに
最寄りの献血ルームに駆け込む。
ドラキュラ伯爵も頷くほどの『血愛好家』だ。
抜く前の注意として「献血後に飲酒は控えるよう」というお達しがある。
何を馬鹿な事を。
抜いた後の酒が一番美味しいんじゃないか。
いつもより酔いが回るのがアホみたいに早い。
僕の献血の目的は「血の提供」よりは「その後の酒」にあるのだ。
やらない正義よりやる偽善たぁこのことですわな。
そんなもんです。