見出し画像

何だかんだ勝つ。勝ってしまう。勝てる監督の用兵術に改めて脱帽です。5/31 VSサンフレッチェ広島

Ciao!!!
6月初日、梅雨入り間近の関東ですが、暑さと湿気が辛いですね。
日差しを浴びていなくても熱中症は起こるので、水分と塩分補給は豆にして、それでいて体を冷やし過ぎないよう温かい飲み物など飲んで欲しいと思います。
ここで内臓が疲れちゃうと夏バテになりやすくなっちゃいますからね。

さて、我らが浦和レッズはこの厳しい環境下で7連戦の真っ最中。
未消化分だった第11節の広島戦が昨日、5/31に行われました。
福岡、京都、広島ってなんでこんなにハードで相性の悪いカードが連続してくるのか日程君をちょっと恨みましたけども、愚痴っていても始まらない。
早速、振り返っていきたいと思います。

レッズのスターティングラインナップは
GKに周作。
最終ラインが右から宏樹、ショレ、マリウス、明本。
中盤が敦樹と岩尾。
2列目が右からモーベルグ、安居、関根。
トップがホセ カンテでした。
宏樹、明本がケガ明けでスタメン。
宏樹に至っては京都戦から中3日でスターターでした。
これは驚きましたね。
スコルジャさんも以前のインタビューで宏樹は連戦を耐えうるコンディションではなく、週1で消化していくと話していたのでここは馬渡やオギを使ってくると思っていたのですが。
明本も京都戦はスタメンを外れましたが、戻ってきましたね。
後は2列目にモーベルグを起用してきました。
これは、まぁ、単純に大久保のプレーに物足りなさを感じたのかなと思います。
やっぱりね。
前回もお話ししましたけど、最終局面で精度が無いと2列目で起用されるのは正直キツいですからね。

対する広島は
GKに大迫選手。
最終ラインは右から住吉選手、荒木選手、佐々木選手の3枚。
中盤が松本選手と野津田選手。
WBが右に茶島選手で左に東選手。
2シャドーが川村選手と森島選手でトップがベンカリファ選手という広島おなじみの3-4-2-1でした。
注目はやはり2シャドーの川村選手、森島選手ですね。
川村選手は今回代表に選出されましたし、森島選手も森保体制で代表経験がある非常に良い選手。
敵にいると危険で厄介な選手なんですよ。
どこがと言われたら、上手いとか速いとか強いとかは当然なんですけど
個人的な意見を言いますとまずどちらもインテリジェンスが高いところですかね。
プレスが基本の広島なんですけど、追い込み方が本当に上手いんですよね。
前からのディフェンスが選択肢を的確に潰してくるのでボールを意図したところでしっかりと追い込める。
結果、良い形でボールが奪えて、前を向いて攻撃が出来る。
これがスキッベ広島の怖いところなんですけど、それもこの2人がいてこそ成り立っているのかなと思います。
次は少ない人数で攻撃を完結できるところ。
中盤の野津田選手からのパスやWBからのクロスなど攻撃のバリエーションは少なくないんですけども、トップのベンカリファ選手のポストから2人、もしくは3人でシュートまで行ける強みがあってこそというのがあります。
セカンドボールへの嗅覚も鋭いですし、転がったボールにいち早く反応して詰めるっていう動きが怖いですね。

レッズは去年広島相手に1分け1敗。
それもアウェーでは屈辱の4失点という大敗もしています。
相性の悪いプレッシング主体のチームということもあり、かなり厳しい試合が予想されましたね。

さて、試合を見ていきますと前半から広島は明確に狙いを持って入ってきましたね。
レッズはCB2人を中に残して守る傾向があることを見越して、WBがSBを釣り出してシャドーの2人やベンカリファ選手がその裏、SBとCBの間のスペースを突いてきました。
これが結構効きました。
やはり両SBはアップダウンしますから結構空くんですよね。
ショレ、マリウスはカバーリング上手いので速い相手には問題なかったんですけど、ベンカリファ選手は体の使い方が上手かったですし、そこからポストされて後ろの選手がどんどん入ってこられて押し込まれていく展開が続きました。
反対に攻撃面は右からの攻撃が中々、機能してませんでした。
大久保に代わってスターターに入ったモーベルグだったんですけど、ロストが多かったですね。
元々、ロストする選手なので私的には特段気にはならないんですけど、スコルジャさんのフットボールはとにかく前半はリスクを取らずに消化する傾向が強く、その他の選手たちのフォローも少ないためによりボールロストが目に付く形になってました。
反対に左の関根は非常に動きにキレがあって、威力のあるシュートを撃ちこんでましたし、前半で唯一攻撃面で可能性のある選手でした。


毎回思うことですが、言い方悪いですけど、本当に前半は動きが鈍重で、ただただ攻撃を受けては跳ね返すの繰り返しでした。
周作、ショレ、マリウスの個人能力で守り切れていますけど、このままいくのは本当に危険な匂いしかしません。
もし、CB2人のどちらかがケガした場合はどうするのかが不安ですね。

前半は広島の攻めを受ける形が多かったもののゴールレスの状態で終了。

後半に入ると広島が早くも交代。
ベンカリファ選手に代えてドウグラス ヴィエイラ選手を投入。
そして、これが当たります。
開始早々の50分。
ハーフライン右からやや広島陣に入った浅い所でボールを奪われると、野津田選手が素晴らしい楔のパスを前へ。
これをショレを背負った状態でヴィエイラ選手がフリック。
入れ替わる形で前を向いた川村選手が一気に持ち上がり、相手から見て左。
エリア入った所で切り返しての右足。
このシュートは周作が素晴らしい反応でストップするんですけど、弾いたところに森島選手に詰められて失点。
正に広島の必殺パターンですよ。
野津田選手の縦パスを受けたトップがポスト、落としたところをシャドーが打ってこぼれたところを逆のシャドーが詰める。
広島にしては最高、レッズにしては最低の失点でした。
ただ、これ守るの難しいですよ。
野津田選手のパスは速かったですし、ヴィエイラ選手が後ろ向きでボール持ったら中々奪えない。
パスは至近距離の入れ替わりだからインターセプトも難しい。
川村選手はトップスピードで入ってきてますから並走で倒してもレッドカードの可能性もある。
シュートはコースが良くてスピードもあったからキャッチは無理。
出来るとすれば、詰めた森島選手をオフサイドにハメる位でしたけど、明本としては川村選手のストップに行っていたわけで後ろの森島選手まで気を配れと言うのはちょっと荷が重いですよね。

被弾してからも前半同様広島のペースで試合が進みましたが、ターニングポイントは65分に野津田選手が下がり、エゼキエウ選手が入ったところでした。
これはスキッベ監督自身も”65分までは自分たちのペースだった”と話しています。
この交代で川村選手が中盤に落ちて、エゼキエウ選手がシャドーに入ったわけですけど、この2人のクオリティの差は大きかったですね。
エゼキエウ選手の持ち味はあくまでも攻撃面でのみ発揮されるもので、川村選手のように前線からの守備で相手のボール運びを限定させるような動きは見られません。
これでビルドアップに余裕が出来たレッズは67分に3枚替え。
モーベルグ、岩尾、カンテを下げて、大久保、リンセン、慎三さんを投入。
安居を一列下げて運動能力でも互角に戦える布陣へ。
最終ラインで十分組み立てが出来るようになり、より相手陣に人数を掛けられるようになると前へどんどん圧力がかかっていきます。
まず、2分後の24分。
この試合で攻撃をけん引していた関根が対峙する佐々木選手を個人技でぶち抜くと右足一閃。
完全に枠に飛んでいたんですが、これは相手GK大迫選手が超スーパーセーブでシュートストップ。
しかし、更に3分後。
同じく関根が右サイド深くでボールを持つと敦樹へバックパス。
これを受けた敦樹はインナーラップしていた宏樹へ。
この縦パスで抜け出したキャプテンがエリア右からシュート。
今度は流石の大迫選手も触れず、ゴール左隅へ決まって同点に追いつきました。

やはり後半勝負なんでしょうね。
宏樹のオーバーラップの数も明らかに増えて、枚数かけて圧力を掛ける攻撃が出来ています。
前半では見られないような簡単なパス回しであっさりと崩し切ってフィニッシュまでいく形が出来ていました。
であるなら、スターターも考えないといけないですよね。
モーベルグはフォローがいないとロストが多いですけど、ファイナルサードでの精度がずば抜けています。
反対に大久保はファイナルサードに入ると途端にキック精度が下がってしまう病気にかかっていますが、フィニッシュワークに関わらないところでは持ち味十分。
運動量が多く、プレスも出来てアップダウンで無理が効きますし、低い位置からでもドリブルで長い距離運ぶことも出来ます。
現状のように前半は耐えて、後半相手の足が止まった所で仕留める戦い方でいくなら大久保先発、モーベルグをインパクトプレーヤーで起用するのが合っているように感じましたね。

ペースを握った状態で同点に追いつくと若干オープンな展開になった、36分にはドウグラス ヴィエイラ選手があからさまなダイブを敢行。
対応していたマリウスが激怒してましたが、これは怒りますよね。
流石ブラジル人の抜け目なさでしたが、ここはマリウスの方が一枚も二枚も上手でしたね。

あれで騙される審判いたら、眼科に行けってレベルだよ┐(´∀`)┌ヤレヤレ

反対に38分はレッズの攻撃。
高い位置で奪ってからショートカウンターでリンセンのコントロールが長くなった先にいた慎三さんのシュート。
これは決定機でしたが住吉選手が素晴らしいシュートブロックでした。

レッズが攻勢に出る中で中々、逆転ゴールが生まれないままアディショナルタイムに入った91分。
中央でボールを持った安いから右の宏樹へ展開。
キャプテンのルックアップとリンセンの抜け出すタイミングがちょうどピッタリ合ったところでファーサイドへアーリークロスが上がりました。
ディフェンスから離れるようにしてファーへ流れたリンセンがヘッドで落とすと、その先にいた背番号3が左足でダイレクトボレー。
しっかりとインパクトしたボールは大迫選手の手をすり抜けてゴールへ吸い込まれました。

終わってみれば、この試合1ゴール1アシスト。
中盤でありながら試合を決定づける活躍を見せた敦樹。
思えば、昨シーズンの夏、ACLの決勝トーナメントからJリーグ再開したくらいにかけて動きが一段と良くなりましたよね。
大学時代はCBを務めていた大型セントラルは1年目、2年目、3年目と年を追う毎に成長を見せつけてくれています。
初年度はやはり守備意識の高さと体の強さ。
2年目はより前への意識とゴールへの意識の向上。
そして、この3年目。
敦樹はもうレッズの中盤の絶対者と言っていいと思います。
岩尾を良く褒める人多いですけど、今のレッズは攻守両面で敦樹がいてこそと声を大にして言いたい。
敦樹が岩尾の欠点を全て背負っているからバランスが採れていると何で誰も言わないのか私には理解できません。
タラレバは意味がないことですが、もしも、敦樹の隣がほんの少しだけレベルが同じくらいまでの選手であれば、京都の川崎選手や柏の茨田選手、福岡の前選手くらいの選手であれば、敦樹はJで最高のインサイドハーフになっていたんじゃないかってそう思ってしまうんですよ。
日本人の評価基準としては”一にも二にも代表に選ばれるかどうか”で選手の優劣を判断しますけど、あれほど当てにならないものも無いですよね。
現代表監督の森保さんは選考基準として”Jリーグはどんなマイナーであってもヨーロッパよりも格下”であり、”自分が一度でも嫌いと思った選手は呼ばない”ことを徹底してます。
こんなのは実際選ばれた選手を見ていれば分かりますよね。
Jリーグから呼ばれた選手を見て何も気づかないですか?
選ばれたのって”GKの方の”大迫選手と川崎選手は広島。
森保監督ととても縁が深い古巣ですよ。
そして、名古屋から森下選手。
森下選手には申し訳ないですけど、このポジションで彼以上の選手は結構いますよ。
そして、それはこれからのポテンシャルも含めてです。

森保はJなんてどうでもいいから地元とスポンサーに忖度していい顔したいだけなんだよな(#^ω^)

言葉は悪いけど、そういうことですよ。
どうせ使わないわけですし、広島枠と親会社の国策企業、超大手広告代理店というJFAの大口スポンサーさんに忖度しただけなんですよね。
だって、Jで最高の選手たちが全く呼ばれていない時点でそうでしょ。
全く興味がないメディアはそんなことお構いなしで大騒ぎしてますけどね。

今日の試合を観た後で”伊藤が良かった。彼も可能性がある。”みたいなこと言ったらしいですけど、”さっさと海外行け”っていう本音が透けて見えますよね┐(´∀`)┌ヤレヤレ
ただ、悔しいですけど、私も森保さんと同じ考えですよ。
敦樹は若くないです。
一日でも早く海外に行く方がいいに決まってます。
だって、今の代表の主力である守田選手や田中選手と現状で比較しても負けてるなんて全く思いません。
それなのに彼らより格下のように扱われるのは正直、不当ですよ。
海外に行ってもこのまま成長できる環境に置いた場合、間違いなく遠藤航の上位互換にすらなれる可能性が敦樹にはあるんです。
敦樹が入ってきた時は”浦和の子”が入ってきて嬉しかった。
今は早く浦和が育てた”漢”を世界に見て欲しい。
身贔屓極まりなく見えるかもしれませんが、これは近い将来必ず起きることですから、伊藤 敦樹は追いかけて損はしないと思いますよ。


さて、レッズの話に戻りますが、これで1試合未消化で勝ち点27の4位になりました。
上を見ればきりが無いですけど、正直開幕から考えたら、ここまでになるとは予想できなかったくらい勝ってますね。(*^▽^*)
これはひとえにスコルジャさんはじめとするベンチが対戦相手に関してしっかりと対策を講じて選手に落とし込み、それを選手たちがピッチ上で遂行すると言う確かな関係性が構築されているからに他ならないと思います。
ポーランドで優勝請負人と言われたほどの人ですから、試合に勝つということに関して一切妥協しない。
それを追求する姿は現レアルマドリーのカルロ アンチェロッティ監督に相通じるところを感じますね。
アンチェロッティは歴史上初めて5大リーグとCLを全制覇した正にマエストロです。
そのフィロソフィーは”まず勝つこと”。
今のマドリーを見ている人は分かると思いますけど、決して派手なタレントもいないですし、やっているフットボールもどちらかと言えば地味です。
しかし、ピッチに出ている選手たち全員がアンチェロッティが理想とするフットボールを一糸乱れず遂行し、結果として勝ってしまう。
どんなに劣勢であっても粘り強く、最後に上回ってしまう。
そんなチームになっています。
昨シーズンのCL準決勝で圧倒的優勝候補だったマンチェスターシティを下した2試合は”これぞ”といった試合でした。
そして、それは今年のACL決勝でレッズが見せた姿にも重なりますね。

フットボールにはどんなチームでも勝たせる術を持っている人がいる。

スコルジャさんはそれを私たちに見せてくれている。
こんな幸せなことはないですね。
出来るだけ、長い期間を過ごしてもらって、その間に正に”勝者のメンタリティ”を今いる選手、コーチ陣、フロントに至るすべてのレッズの関係者に植え付けて行って欲しいものです。

さて、次回は6/4 鹿狩りのレビューをしていきたいと思います。
ではでは、ごきげんよう。Arrivederci(。>ω<)ノ゙




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?