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【ディスクレビュー】ヨルシカ『月に吠える』

文学オマージュ作品第3弾となる配信シングル。萩原朔太郎著・『月に吠える』をモチーフにした楽曲だ。6月にギターのカッティングが印象的なアップチューン『又三郎』、8月には『老人と海』をリリースしてきたが、文学オマージュ3作目となる今作はこれまでとはまるで雰囲気が違う。冒頭では咳のボイスサンプル、数発のキック音がいきなり耳に飛び込んでくるなど独特なサウンドが耳を支配していく。あくまでコード進行は平静を保っているのだが、随所でフィンガースナップや吐息を思わせる効果音が顔を出す。こうした挑戦的な姿勢は、近大日本詩の先駆者として名を馳せた萩原朔太郎への、リスペクトなのかもしれない。

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