見出し画像

心がやられそうになったら本を読め!

#3000文字チャレンジ  『本』

心がやられそうになったら本を読め!

僕はこれを多くの人に伝えたい。だって僕が実際に本に救われているから。メンタルが強そうに見える僕にだって心がやられそうになった経験があるんだ。

僕の実体験に基づいているんだから間違いない。僕と似たような境遇の人がいるかもしれないから、その思い出話を聞いてもらいたい。きっと共感してもらえるし、本を読んでみようと思ってもらえるはずだよ。

※ちょっと暗い話にもなりますが、最後には救いがあるのでよろしくお願いします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本による心の救いの話は僕が新卒で入社する会社に、内定バイトとして働き始めたときの話だ。

時は終身雇用真っただ中の就職氷河期。大手企業も数人しか採用しない時代。僕は就活で大手企業に落ちて、ベンチャーを受け始めたときにひとつの会社に内定した。

その会社は全国で当時急成長していた人材派遣の会社で、今は潰れてしまってもうない。やめる決断をしたときには目の前が真っ暗になってたけど、今思うとあの決断は間違っていなかったのだろう。

「内定者は可能な限りバイトをするように」とのお達しで、最寄りから5駅くらいのところにある事務所でバイトをすることになった。

当時の時給で850円。他のバイトしていた時の時給が950円だから、その時で考えてもすごく安い時給だった。この時給で週3勤務で月12万くらい稼いでいた。

週3で時給850円で月12万って、ざっくり計算して欲しい。4週だから週3万。1回のバイトで1万。時給850円だから、1回の労働は約12時間になる。休憩を含むから拘束は13時間を超える。

そして1回の労働が8時間くらいのときもあった。1番長いときは18時間半という勤務の日があった。

そう、いわゆるブラック企業だ。

内定バイトでこんな仕事をさせられるんだから、とんでもない会社だと思わないか?僕も8月から内定バイトを始めて、辞める12月までで完全にメンタルがやられてしまったんだ。

その会社は日雇いの人材派遣をしている会社だった。当時その企業はガンガン伸びていて、働きたい人と企業をマッチングさせるという双方にWin-Winの関係に魅力を感じて入社をしたのだ。

しかし、実際に中に入ってみて仕事をしてみると理想と現実はまったく違った。理想は働きたい人と企業の応援だったが、現実は労働者は「コマ」であり、企業は「顧客」だった。

翌日、事務所から1時間半かかるような場所で朝8時集合の工場作業。割り当ては5人。それを登録した人に片っ端から電話で探す。

「明日仕事いけませんか?」
前日の22時ころ電話かかってきて明日の仕事に行くわけないだろうとおもっていたが、会社からは電話することを強要された。

当然ものすごく怒られることもある。
「行くわけないでしょ。二度と電話かけてこないでください」
「この前二度と電話かけないでといったでしょ」
「登録消してください」
「何時だと思ってるんですか。非常識ですよ」

こうやって、明日仕事に行ける人を終電間際まで追う。
24時半が退社時間だ。
最終的に探しきれずにお客さんには社員が謝っていた。

朝は朝で「出発コール」というのを受けなければならない。日雇いバイトは当日欠勤があるあるだ。当日に無断欠勤されると非常に困るので、朝から「出発します」という電話を受けなけらばならない。

朝は5時台から出発コールが鳴り始める。それを一つ一つ受けるのだけれど、電話はひっきりなしで大変な仕事だ。そもそも6時に出社しないといけない。

僕の理想はこんな仕事じゃない。
そう思いつつも、「就職氷河期」「新卒としてのブランドが失われる」との思いからがんばっていた矢先、あの事件が起きたんだ。


前日はどうしても遠方の工場作業の労働者が見つからず、ひたすら電話をして終電になった。24時半頃に退社なのだが、翌日も6時出社の予定が入っていた。

家に帰って何時に寝て何時に起きたらよいのだろうか。一日40本くらいタバコも吸っていたからヘロヘロだった。それでも朝の出発コールは僕一人だけのシフトだったから遅刻するわけにはいかない。

気絶するように家で寝て、起きたときには5時半。。
完全に遅刻だ・・・

急いで着替えて、何も食べず飲まずで事務所に走る。
どれだけ急いでも、6時20分頃になる。

自転車で駅までぶっ飛ばして、電車に乗って事務所に入る。複数の回線で電話が鳴っている。

出発コールを受けなければ。
鳴りやまない電話を次から次へと受ける。それと並行して出発コールをしていないやつを確認する。

出発コールを入れていない人は飛んでいる可能性もあるので、こちらから電話しないといけない。

電話が鳴る。
電話を切ったタイミングで捕まらないやつに電話をかける。
また電話が鳴り始める。
捕まらないやつは電話に出ない。
待機の人を派遣させるか、ただ電話に出ないだけかどっちだ。
また電話が鳴る。

あー、おなかが痛い。

・・・・・

ぶりゅjdksふぁおすいあd@pふぉ

あーーーーーーーーーーーーーーーーもーーーーーやーーーだーーーーーー
うんこもらしたーーーーーーーー。。

トイレに駆け込む。
もう電話なんかどうでもいい。

無性に腹が立ってきて、僕は汚れたパンツをビニール袋に入れて、ちょっと嫌いだった先輩のゴミ箱に捨てた。

そして、また僕はノーパンで仕事を始めた。
僕の決意は固まっていた。
支店長が来たので僕はやめることを報告した。

その後、人事にも電話した。内定辞退は企業にとっては大打撃だ。でも僕の決意は変わらない。「こんな少しの期間で辞めるようだとどの会社でも通用
しないよ」という捨て台詞を受けた。。

それから僕はふさぎ込んだ。
年末だか年始だか僕にはわからなくなっていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

仕事をやめてから2か月くらいだろうか。
完全に絶望していたんだ。

そんなとき、何の気なしに見つけた本を読んでみた。その本は自己啓発本か何かだったと思う。その本を読んで僕はいつもの僕に戻ることができたんだ。

「失敗なんてこの世にはない」
「大概のことはどうにかなる」
「人生は楽しんだもの勝ちだ」

そんなありきたりな言葉が書いてあった気がする。

ありきたりな言葉だけど「本」で読むと、すんなりと受け入れることができたんだ。

ふさぎ込んでいたときには、家族や友達の言葉も受け入れられなかった。でも、第三者の活字の言葉は受け入れることができた。

失敗なんてないと思えた。
だって今そのクソみたいな会社はつぶれて存在しない。
僕が残っていたら尚更転職は大変になっていただろう。

僕がうんこを漏らしたことだって、いまこうやってネタにして昇華することができた。

18時間半労働をしたことで、ある程度のきついことには耐えられるようになった。もしかしたらM気のルーツもここにあるかもしれない。

「うんこ漏らしたことある?」って聞かれたら、僕は笑顔で「あるよ」といってこの話を楽しくすることができる。

もしかしたら僕のこの記事を読んで、「失敗したっていいんだ」「うんこ漏らしたっていいんだ」と誰か思ってくれるかもしれない。

だから、心がやられそうになったら本を読んでみてほしい。僕みたいに復活するきっかけになるかもしれないから。

そのぐらい活字には力があると僕はいま信じている。本には力があると信じている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?