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人はなぜネガティブに敏感なの?

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingoです。何かあった時についついネガティブに捉えてしまうことはありませんか?人間がネガティブなことに敏感に反応するのは、生物学的、心理学的、社会的要因が絡み合っているからです。今回はその理由を解説してみようと思います。

生物学的要因

  1. 生存本能
    人間は生存本能の一部として、危険や脅威に対して敏感に反応するように進化してきました
    。ネガティブな情報に対する反応は、過去の経験から学んだものや、遺伝的なプログラミングによるものです。なんで自分だけと思っている人もいるかもしれませんが、人間はもともとネガティブに敏感に作られているのです。

  2. 脳の構造
    脳の扁桃体と呼ばれる部位は、脅威や恐怖に対する反応を司る部位です。ネガティブな情報が入ると、扁桃体が活性化され、ストレスホルモンの放出や身体的な反応が引き起こされます。

心理学的要因

  1. ネガティブなバイアス
    人間の脳は、ネガティブな情報に対してより強く反応する傾向があります。これは、ネガティブな情報をより注意深く処理し、生存に役立つ情報を見逃さないためです。つまり生き延びるためなのですが現代社会で生命の危機に直面する機会はなかなかないので、そこまで敏感に感じ取る必要はないのかも知れません。

  2. 過去の経験の影響
    過去のトラウマやネガティブな経験が、現在の反応に影響を与えることがあります。例えば、過去に失敗や挫折を経験した人は、同様の状況に対して不安や恐れを感じる傾向があります。

  3. 社会比較
    人は他人と比較することがありますが、その際にはだいたいの場合ネガティブな方向に偏ります。他人と自分を比較し、不十分であると感じることで、自己評価が低下し、ネガティブな感情が増幅されます。比較しても意味がないとわかっているのに、なかなかやめられないのは本能的な部分が影響しているのでしょう。

社会的要因

  1. メディアの影響
    メディアはしばしばネガティブな情報を強調し、これが人々の心理に影響を与えます。ニュースやSNSでのネガティブな報道やコメントが、人々の心に不安や悲しみを引き起こすことがあります。特に最近では過剰な偏向報道や、SNSの偽情報など注意が必要です。

  2. 文化的な影響
    文化や社会の価値観は、人々のネガティブな感情に影響を与えます。競争社会や成功至上主義の文化では、失敗や挫折に対する恐れや不安が強くなる傾向があります。

対処法

  1. ポジティブな思考の促進
    ネガティブな思考をポジティブな方向に転換することが重要です。感謝の日記を書く、成功体験を振り返る、自己肯定感を高める練習などが効果的です

  2. ストレスマネジメントの方法を学ぶ
    ストレスマネジメントやリラクゼーション法を学び、日常生活で実践することが重要です。深呼吸、マインドフルネス、ヨガなども効果的です。

  3. 適切なサポートを受ける
    自分だけではなかなか対処が難しい場合、心理カウンセリングや心理療法を受けることで、ネガティブな感情に対処するスキルを身につけることができます。サポートを受ける際には自分で信頼できる相手かどうかを確認した上で利用することも重要です。

  4. バランスの取れた生活を送る
    健康的な食事、適度な運動、十分な睡眠など、生活習慣に気を配ることで、心と体の健康を維持し、ネガティブな感情に対する耐性を高めることができます。

  5. 環境の見直し
    ネガティブな情報や環境から距離を置くことも重要です。ポジティブな人や活動に関わることで、自然にポジティブな感情が増幅されます。「朱に交われば赤くなる」の言葉通り、周りにネガティブな人しかいない環境ではなかなかポジティブな気持ちになることは難しいでしょう。なりたい自分の姿に近い人との交流が結果として自分の気持ちにも反映されていきます。

いかがでしたか?人間はもともと生物的な生存本能からネガティブな情報に敏感に反応する傾向がありますが、現代社会ではあまりにも過敏になりすぎると心の健康を害する恐れがありますので、適切な対処法や心理的なトレーニングを通じて、ポジティブな思考や感情を促進し、健康的な生活を送ることが必要ですね。
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