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世界を色メガネで見ていませんか?

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。いきなりですが、ある小学生に将来の夢を聞きました「今はサッカーをやっている時がすごく楽しくて、将来はサッカー選手になりたいと思っていますが、実はパイロットにも憧れていて、どっちにするか悩んでいます」
あなたはこの小学生を無意識的に「男の子」でイメージしていませんでしたか?(性別をイメージしなかった方はフラットな価値観の持ち主です)

このように私たちは日常生活の中で、意識することなく物事を「色メガネ」で見てしまうことがあります。この「色メガネ」という比喩は、特定の価値観やステレオタイプ、経験に基づいて、物事を偏った視点で捉えてしまうことを表しています。では、なぜ私たちはこのような「色メガネ」をかけてしまい、どのようにすればそれを外し、物事をよりフラットに見ることができるのでしょうか?

1. ステレオタイプとは何か

まず、ステレオタイプとは、ある集団や個人に対して定型的なイメージや固定観念を持つことです。たとえば、特定の国の人々が全員同じ性格を持っていると決めつけたり、性別や年齢、職業によって能力や性格を一括りにすることなどが挙げられます。こうしたステレオタイプは、私たちの頭の中で形成されることが多く、その形成過程にはメディアや文化、家庭環境が深く関わっています。

ステレオタイプは、個々の違いを無視して特定のグループに対して一律の見方をしてしまうため、多様性を尊重できなくなる原因となります。たとえば、ある国の出身者は皆同じ特徴を持っているという認識は、その国の文化や個々の人々の違いを理解する妨げとなります。このように、ステレオタイプに基づいた偏った見方は、私たちの理解力を制限し、他者との関係を浅くしてしまうことが多いのです。

2. ステレオタイプの形成過程

私たちは、なぜこうしたステレオタイプに基づいた「色メガネ」をかけてしまうのでしょうか。それにはいくつかの要因があります。

社会的影響

メディアや教育、家庭環境など、私たちが接する情報はしばしば偏った見方を反映しています。映画やテレビドラマで描かれる特定の国や職業の人々のイメージが繰り返し使われることで、それが事実として頭に刷り込まれてしまうことがあります。また、家族や友人からの影響も大きいです。小さい頃に聞いた言葉や考え方が、成長とともに自分自身の価値観の一部となることが多いのです。

認知バイアス

私たちの脳は、膨大な情報を効率的に処理するために、簡略化されたパターンを作り出します。これを「認知バイアス」と呼びます。たとえば、一度特定の集団や人物についてネガティブな経験をすると、それ以降、その集団全体に対して同じような見方をしてしまうことがあります。このようなバイアスは、私たちが自覚せずに物事を判断してしまう一因となっています。

3. 「色メガネ」を外すためにできること

「色メガネ」を外し、物事をよりフラットに見るためには、いくつかの心がけが必要です。以下にその方法を紹介します。

自分の偏見を認識する

まず第一に、自分がどのような「色メガネ」をかけているのかを認識することが重要です。自分が無意識に持っている偏見やステレオタイプを自覚することが、偏った見方を改善する第一歩です。たとえば、特定の職業や国籍の人に対してどのような固定観念を持っているのかを内省し、その考え方が本当に正しいのかどうかを問い直すことが大切です。

多様な視点に触れる

自分が普段接している情報源や人々が、限られた範囲のものであると、偏った視点が固定化されてしまいます。そのため、意識的に多様な視点や文化、価値観に触れることが求められます。たとえば、異なる文化や背景を持つ人々と話をしたり、世界中のニュースを複数のメディアから比較して見ることで、より多面的な理解を深めることができます。

また、フィクションやドキュメンタリーなど、多様なストーリーを通じて他者の視点に共感することも有効です。特に、自分とは異なる経験を持つ人々の物語を知ることで、偏見を和らげることができるでしょう。

自己批判的思考を持つ

自分の思考や行動を批判的に振り返ることも、「色メガネ」を外すためには必要です。私たちは時に、無意識のうちに他者に対して偏見を持ったり、不公平な判断を下してしまうことがあります。そうした瞬間に気づき、自分の行動を修正することが重要です。たとえば、「この考え方は偏っていないか?」「他の視点から見たらどうだろう?」と自問自答することで、自分の視点を広げることができます。

マインドフルネスを実践する

マインドフルネスとは、現在の瞬間に集中し、ありのままの感覚を受け入れることで、自己認識を高める方法です。これにより、自分が無意識に持っている偏見や思い込みに気づきやすくなります。定期的にマインドフルネスを実践することで、他者との対話や判断の際に、より客観的でバランスの取れた視点を持つことができるようになるでしょう。

4. 偏見を超えるための実践的なステップ

最後に、日常生活の中でできる実践的な方法をいくつか紹介します。

他者に質問をする

自分が理解できないことや誤解していることがあると感じた場合、直接他者に質問をすることが有効です。相手の背景や経験、価値観を聞くことで、自分が抱えている偏見に気づき、それを修正する機会を得ることができます。

反対意見に耳を傾ける

自分と異なる意見や価値観に触れることも重要です。反対意見に対して感情的に反発するのではなく、その背後にある理由や根拠を理解しようとする姿勢が大切です。こうしたプロセスを通じて、自分の視野を広げ、より包括的な見方を持つことができるようになります。

他者を尊重する

他者の意見や価値観を尊重し、批判的ではなく建設的に対話することは、多様性を受け入れるための基本です。自分とは異なる背景を持つ人々との交流を通じて、偏見やステレオタイプを解消し、より豊かな人間関係を築くことができるでしょう。

まとめ

私たちは無意識のうちに「色メガネ」をかけ、物事を偏った視点で見てしまいがちです。しかし、自分の偏見やステレオタイプに気づき、それを修正するための努力を怠らなければ、よりフラットで多様な視点を持つことができます。自己認識を深め、他者との対話を通じて、私たちは「色メガネ」を外し、世界をより広い視野で見ることができるでしょう。
しんしん心理研究所ではご自身の価値観を客観的に捉え、もっと自分らしく自分のために生きるコツをお伝えしています。自分を変えたい!と思った方はいつでもお気軽に相談ください。

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