行かないで!
お父さんはお仕事やお買い物などで
息子とお母さんを家に残して出なければいけない事が多々あります。
息子はお父さんが仕事の準備やお買い物で出かける準備をし始めると、ボクも行く!とでも言うように自分の洋服を仕舞っている場所で待機するのです。
お留守番よー。と言っても聞かずにお父さんの足の周りをチョロチョロします。
お父さんが着替えている時に靴下やベルトを渡してきて。
お手伝いした!ボクも行く!
みたいな雰囲気を出してきます。
お留守番の息子は準備をせずにお父さんの準備が徐々に完了していくと、焦っているのか玄関への扉の前を陣取るのです。
玄関前には息子が侵入できないようにフェンスを設置しているのですが、そのフェンスに寄りかかるように引っ付き。
お父さんがフェンスを乗り越えようとすると足に縋ってくるのです。
そしてお父さんがフェンスを乗り越え。
向こう側からバイバイと手を振ると、悲しい顔で何やら訴えてきます。
行ってくるね。
お母さんと良い子にお留守番しててね。
そう言っても玄関に続く扉を閉めさせてくれません。
こちらから閉めてみても、すぐに開け直しフェンスの向こうから精一杯手を伸ばして来るのです。
そして息子の真っ赤な顔には一筋の涙。
お父さんはいつもこの姿を見るたびに
仕事休もう。
買い物も無し!
と心が揺らぐのです。
世の中の子どもを置いて出かける人は、みんなこの葛藤と戦っている訳ですね。
そんな中で最近気づいたのですが。
息子は、ボクもおでかけ!
だけを訴えて来ている訳では無さそうなのです。
と、言いますのも。
なんだかんだで玄関でお見送りする時には、最後は泣きながらもバイバイと手を振ってくれる。
その後泣き声もするのですがスグに駐車場の見える大窓の前で待っているのです。
もちろん泣き顔で。
そして車に乗り込むお父さんをずっと見ていて、手を振り続けているのです。
お母さん曰く、車が見えなくなってもしばらく窓の前で車の消えた方を見ているとの事。
これはさすがにお父さんも自惚れてしまいます。
今までは、自分もお出かけ!車のる!
くらいで泣いて縋っている、と思ったのですが。
もしや息子はお父さんがいなくなるのがイヤ過ぎていつも一生懸命まとわりついているのでは?
そうなら嬉しいなぁ。
息子の中でのお父さんは、所詮お母さんの予備。
くらいなんだろうな、と考えていたので。
なんだよお父さん大好きじゃん。
とニヤニヤしてしまいます。
実際のところは息子にしかわかりませんが。
これはハッキリさせない方がお父さんは幸せなのです。
ボクも連れてけ!ではなく。
大好きなお父さん行かないで!なのだろう。と。
息子が喋り出して真実が明らかになるまでは
お父さんはそう思って過ごすのです。
そんなお話。
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