真夏の手袋
「くだもの」という絵本がありまして。
その名の通り色々なくだものが出てくるだけの絵本なのですが、これがなかなか面白いようで。
以前まではよくわからないままページをめくって絵を見ていただけの息子が何のくだものか把握した上で指を指して楽しんでいるのです。
お母さんがくだものの名前を言えば追いかけて真似をしたり、くだものの色を言ってみたり。
最近見なくなったなぁ、と思っている本を改めて開いて見ると息子にとって新しい発見があるようでして。
この本読まなくなったしなぁ、と思って片付けてしまった絵本達ももう一度引っ張りだしてあげてもいいのかもしれません。
さて、そんな「くだもの」の絵本なのですが
「栗」もでてきます。
いがぐりの隙間から栗の身が見えている絵で、違うページに食べる部分が載っている、みたいな。
そのページをお母さんが読んであげる時に
「この中身の黄色いところを食べるんだよ」
と話しかけたそうなのですがイマイチ可食部とカラやトゲとの繋がりがわからないようで。
可食部といがぐり状態のイラストが繋がらないようで
「コレが栗!」と分かりづらそうにしていたそうな。
そこでお母さんは栗の収穫から調理までの動画を見せる事にしたらしく、コレが栗!と教えてあげようとしたみたいです。
その動画の収穫のシーンで栗拾いをする訳ですからもちろん動画の中の人は軍手をしているのです。
こうなってしまっては息子は栗の中身、引いてはくだものなんてどうでもよくなってしまう訳です。
この人が手に着けているこれは一体なんだ!?
と。
いや、なんとなく知っている気がするぞ。
さむいさむいの時に手に着けられて嫌だったヤツだ!
こんな感じに気持ちが切り替わったんでしょうね。
とにかく動画内の手袋を指差しては
「て!て!」
お母さんにそう伝え、その後に自分の手を指差しては
「ないない!ないない!」
そう繰り返すのです。
コレは息子流の伝え方で
こっちにはあるのにボクには無いよ!
ちょうだい!
的なことなのです。
あまりにしつこいのでお母さんもたまらず手袋を出してあげたようで、真夏のエアコンがガンガンに効いた部屋で黄色い毛糸の手袋を着けて暮らしている息子の動画が送られてきたのでした。
ずいぶんと遠回りしたのですが、久しぶりに見た絵本で栗に疑問を持ち動画で学ぼうとした結果。
最終的に収穫用の軍手に全ての意識を持っていかれた少年のお話なのです。
手袋をつけて嬉しそうにしている息子は当然鬼のように可愛かったのですが、冬場は手袋嫌がって結局1度も着けてないんだよな。
真夏にご機嫌で手袋をし続ける息子の動画を見て何だかモヤっとするのでした。
その一方で絵本と同じく時間差で役に立ってくるモノがあるのだと思うと、息子のモノは捨てずに取っておくのも悪くはないかな、と思うのです。
次の冬に手袋嫌がったらお父さんは流石に処分するかもしれませんが。
子どもの興味の移ろうスピード半端ないわ。
っていうお話。
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