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なんでひどいことするの!?

息子はなかなか強い子なのか、転んだりどこかにぶつけたりしてもほとんど泣かないのです。
この間扉を勢いよく開けた弾みに足を挟んで皮が剥け、軽く出血する。ぐらいで初めて泣いたのを見たくらい。

それくらい痛みやショックでは泣かないのです。
そんな息子なのですが、痛いものは痛いのか転んだりぶつけたりするとお父さんの手を取ってぶつけた場所などに持っていくのです。
「痛いの痛いのとんでいけー」をやってほしいみたいで。

もちろんやってあげるのですが、その行為自体が目的になってくるのかワザと転んだフリをしてみて足を指差しながら「あれぇ、あれぇ?」などとアピールしてくるのです。

楽しくなってくると結構な勢いで走り回り転んで、を繰り返します。
その度に「痛いの痛いのとんでいけー」をやるのですが、毎度痛みをモノやヒトにぶつける様にするのです。

「痛いの痛いのアンパンマンに飛んでいけー」
とか。
「痛いの痛いのお母さんに飛んでいけー」
とか。

モノに痛みを飛ばした時は
「代わりに〇〇が痛いのもらってくれたねぇ」
なんて息子に話しかけて、ヒトに飛ばした時は大袈裟に痛がってみせて息子を笑わせたりするのです。

そうすると息子は喜んでくれるのですが、ふとお父さんに悪戯心が芽生えてきてしまいまして。
「息子に痛いの飛ばしたらどうなるんだろ?」
と。

相変わらず息子はワザと転んでアピールしてくるので。
「痛いの痛いのお母さんに飛んでいけー」
「痛いの痛いのお父さんに飛んでいけー」
この順でお父さんに飛んできたので

「痛いの痛いの息子に飛んでいけー」
飛ばしてみました。
息子のお腹に痛いのをツン、と。

すると息子は見る見る内に泣き出してしまい。
お、演技派か?
なんて思いながらお母さんと見ていたのですが、徐々に顔が赤くなり涙がポロポロと溢れてきたのです。

そしてお父さんにギューと抱きついてきて、お父さんの手をお腹に持っていきます。
ホントに痛い訳がないのにポロポロ泣きながら痛いの飛んでいけー、をして欲しがるのです。

その後すぐにご機嫌は治りキャッキャと遊んでいたのですが、お母さんと何だったんだろう?と話してみたところ。
お父さんに痛いのを飛ばされたのがショックだったのではないか、となったのです。

ワザと転んでの痛みですから、自分に返ってきても痛さを思い出したりする訳ではありませんし。
そもそも痛みではなかなか泣きませんし、お腹に痛さはないのですから。

なんでお父さんヒドイことするのー!
的なショックの泣きだったのではないか、と。
罪悪感が湧いてしまいます。
想像では息子も痛がる真似をするのではないか、と思っていたのですが。

息子にとってお父さんとお母さんは無条件で味方になっている存在なんだろうな、と。
裏切られたような気がしてショックを受けたのだとすれば、これからもお父さんは身の振り方を常に考えなければなりません。

でも息子は痛いのがお父さんに飛んできて痛がると爆笑するんだよなぁ、と。
息子にちょっとモヤッとしたのです。

っていうお話。

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