月についての詩

2020/11/01 のメモより推敲


月 詩 二篇



窓辺に坐り、唯一人を心に抱く
一千年も昔、平安の人も詠んだ月が
湛えるはふへんの美と妖しさと

魑魅魍魎が蠢くハロウィンの夜
液晶 ーブルーライトー は零時を映すのみ
いっとう輝く 青い月 ーブルームーンー
手の届かない 太古の望月




闇夜を統べる望月に
敬意を表した雲ゝが
姿を隠し晴れ渡る

星ゝさえも恥じ入るのに
地上に瞬く街灯の
なんと風情のないことか

今宵限りは地の星よ
役目を忘れて振りさけ見れば
いっとう輝く 青い月 ーブルームーンー

秋の夜長 十月の晦
上着を羽織って窓を開けたら
冬の気配に身震いをした

紺碧の空 統べたるは満ちた月
側で微笑むは 金の星

寒ゝしい都会の空に君臨せり



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