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ぼくの気持ちを分かって欲しい!

我が家のぼっくん(3歳)とあーちゃん(1才)が通う保育園の保育理念がとっても素敵で、いつも保育園から育児のヒントを得ているわたし。


3歳のぼっくんは大の車好き。家にはトミカのおもちゃや消防車、救急車、ショベルカー、清掃車など、種類や大きさも様々なくるまのおもちゃがある。その中でも庭で乗る電動式の自動車おもちゃは特にお気に入り。
駐車場から畑につながる道を上手に運転して遊ぶのが、保育園から帰宅してからの日課になっている。

ぼっくんが楽しそうに乗るのをいつも見ているあーちゃんは、もちろん あたちものりたい! と主張。車に手をかけて、思い切り足をあげて乗り込もうとするが、ぼっくんは「やだ、ぜっったいに貸さない!あっちのあーちゃんの(アンパンマン三輪車)あるでしょ!」と無理無理あーちゃんの手を引き離し、アクセル全開で前進。あーちゃん足が引かれそうになりながら、転んで大号泣。

というのがお決まりのシーンである。

わたしははじめ、「ぼっくん、あーちゃん乗りたいんだって。ちょっとだけ貸してくれない?」とか、
「終わったら貸してくれない?」と説得していた。ぼっくんに「やだ。むり。」と断られ、交渉に失敗するたびに、心の中で『ケチだね〜。ほんの少し乗せてあげてもいいじゃんか!』と思っていたので、ぼっくんにかける言葉もどこか冷たい感じになっていた気がする。
結果、ぼっくんのあーちゃんへの当たりが強くなり、あーちゃんも泣いているし、そのうちぼっくんも泣き出して、2人で大号泣して、適当なところで終戦していた。

同じ場面を何回か繰り返しているうちに、保育園でのおたよりに書いてあったことを思い出す。

『保育園ではこんなやりとりを大事にしていますよ』
Aくんがおもちゃを持っていた。
そこへBくんが自分の持っているおもちゃを見せにきてくれた。BくんはAくんのおもちゃも欲しくなり手を伸ばすが、Aくんはもちろん自分が使っていたものなので貸せない。Bくんが無理やり取ろうとしても取れなくて、Bくんが泣いてしまった場面。

保育園の大人(先生)が声をかける。

Bくんに「Aくんのおもちゃ欲しかったんだよね。」と言葉をかけ、Bくんの気持ちを受け止めてあげる。
そして、
Aくんに「今これAくん使ってたんだよね。だから、Bくんには貸せなかったんだよね」とAくんの気持ちも同じ様に言葉にして受け止めてあげる。

するとAくんはウンと頷いたあとに、自分からいいよとおもちゃを差し出して、Bくんに貸してくれたそうだ。

大切なことは、子どもの気持ちを受け止めること。言葉にして受け止めてあげることで、子どもは自分の気持ちを分かってもらたことに安心しますよ。



これを使う時がきた!!!


絶対に貸したくないぼっくんと
何としても電動式の自動車に乗りたいあーちゃんの戦い。

わたしはただその場面の状況とそれぞれの気持ちを言葉にして呟いてみた。

「あーちゃん、乗りたかったのね。乗せてもらえなくて悲しかったね(この時点で大泣きのあーちゃん)。でもこの車、ぼっくんの大事なもので、今は貸せないんだって。」

「ぼっくんは、この車すごく大事なんだよね。今乗ってたもんね。あーちゃんには別の車に乗って遊んで欲しいんだよね。」

そんな言葉を何回か繰り返しているうちに、ぼっくんはウンウンと頷いて、少し車を前進させたところで、

「あーちゃん、これ乗っていいよ!ぼっくんの車、貸してあげる!」


すごい!!!!さっきまで、あんなに怒って絶対貸せないと言っていたぼっくんが、自動車をあーちゃんに貸してくれた!!!!
おたよりに書いてあった通りやんけ!!!!
(母、驚き感動する)

あーちゃんは車に乗せてもらえるまでは号泣していたけれど、車に乗った瞬間ピタリと涙が止まり、

ぼっくんはさらに、アクセルを踏めないあーちゃんのために車を後ろから押して、一緒に遊んでくれたのである。


今回はたまたまうまくいっただけだったのかもしれないけれど、心の中で感動の嵐だった。


こっちが良い、こっちが悪い、お兄ちゃんなんだから、他のもあるでしょ、etc…

大人の感情や考えで勝手に決めつけないことって大事なんだなと気づいた瞬間だった。

大事なことはいつも子どもが教えてくれているのかもしれない。


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