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母の短歌 ぼろ屑と思える程の遺品をも

 ぼろ屑と思える程の遺品をも
 捨てかねており七回忌迎う

父が亡くなり、たくさんの毛筆書、日記帳、スクラップブック、レタリング帳、カメラ等が遺された。一周忌が過ぎて、三回忌が過ぎても、そのままの状態が続いた。

断捨離という言葉が言われはじめて、それが強迫観念に近い想念として湧いてくる。取捨選択して不要な物を処分しなければならない。だが、なかなか捨てられない。理由は簡単で、生きているからだ。生きているから、周りのいろいろな物が心の糧になっている。特に思い出の品ほど捨てられない。家族に残したらさぞや困るだろうなと思うのだが。

母の思いは、今の私の思いだ。思い出が心の糧になり、捨てられない。「ぼろ屑と思える程の遺品をも捨てかねており・・・」昨年、母の三回忌を終えた。なかなか遺品の整理がつかない。


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