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ペットボトルのお茶

ペットボトルのお茶が商品市場に出回るようになって20年以上になるだろうか。出始めた頃は、こんなものが売れるのだろうかと思われたが、今では生活必需品として定着している。

自分の職場経験から言うと、ペットボトルのお茶が出始めてからは、多くの職場にあった気苦労な、お茶入れ業務はなくなり、各自持ち寄ったペットボトルが事務机の上に置かれるようになった。職場からは次第に急須や茶碗はなくなり、お茶当番という仕事がなくなった。お茶入れという本来業務でない業務から勤労者は解放された。ペットボトルの功の部分かと思う。お茶入れという労働力がペットボトルという商品に変換されたということだろうか。

いつのまにか毎日コンビニでペットボトルを買うのが習慣化している。計算すれば月数千円をペットボトルに費やしている。各家庭の急須は食器棚の奥の方に追いやられた。急須にお湯を注いで、家族そろってお茶を飲む風景はめったに見られなくなった。めいめい勝手に冷蔵庫から2リットルのペットボトルを出してきて、マグカップに注いで飲んでいる。生活が簡便になったとも言えるし、味気ないとも言える。

しかも、ものすごい量の空のペットボトルが家庭から出る。救いは、ペットボトルが資源ごみの優等生として、実際にリサイクルされているということなのだろうか。




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