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プロはすごいな 謡曲をプロが謡うとこうなる

数年前になるが、銀座シックスの観世能楽堂の舞台裏を妻の仕事の関係で見学することができた。

能装束や能の小道具を鑑賞した最後に、謡曲「高砂」を見学者と謡うという場面があった。初めに能楽者による実演があった。謡う声が大きいだけでなく、高らかで張りがあり、明るい。見学者にパーンと声を前の方に出して「タアー カアー サア ゴ ヤアー」と謡うように指導された。

謡曲というと、幽玄な能の世界を思うせいか、わびさび調で、変にもぐもぐとこもったような謡い方を連想しがちだが、むしろプロの発声はストレートではっきりして明るい印象を与える。決して低く内向きではなく、高く外向きである。楽器演奏や声楽における基本もこれと同じだろう。音がはっきりと外に出なくてはならない。やはりプロはすごいなと実感した。

2022.10.25


        画 しんけ 

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