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キウイジュースと空コップ

イオンモール上尾のフードコートで子どもたちと休憩。めいめい好きな物を買ってくることになる。私たちは、美味しそうなジュース店があったので、それにした。特にキウイジュースが美味しそう。店員さんから勧められたゴールドキウイのジュースを2つ買い、持ち帰る。

妻が一口飲んだら、すごく甘いという。スイーツを食べている孫のY君にも飲んでもらおうか。そんな思いに至る。

半分にする方法はないか?コップがもうひとつあればよいのだが。もうひとつ買うほではない。キウイジュースを孫にちょっと味わってほしいだけなのだ。

私は、いつの間にか、持ち帰ったキウイジュースを手にして、元のジュース店に歩いていた。カウンターで、ジュースを見せながら、「半分ずつ分けたいので、空のコップを下さい」という。「孫が飲みたいと言うので」とつけ加える。

若い女の店員さんは、にこやかに、空のコップを手に取りながら、「ストローも入りますか。フタもしておきましょうか」とすごく親切だ。

「こんなにしていただいて、ありがとうございます」お礼の言葉は丁重し過ぎても、し過ぎることはない。

私は、意気揚々と空のコップを手にして家族のもとに帰り、ジュースを半分に分けて、Y君に渡した。Y君は、ストローで上手に飲んでいる。やはり美味しかったのか、最後はフタを取って、コップを逆さにして飲み干した。

店員がコップをくれるかどうかの保証はない。空のコップは差し上げられませんと断られたかも知れない。私は、ひとつのジュースをシェアするために空コップを要求する図々しい客だ。

どうなるか分からないことをお願いするときに、人を信じることにしている。人は基本的には他人に喜んでもらうことが好きなのだ。だから、私の図々しい願いに応えてくれる方を信じることにしている。断られたら、それはお店の方針によるので、店員の親切心が欠けていることではない。

人の善意を信じよう。そのおかげで、今日は、Y君とキウイジュースを分け合うことができた。幸せになった人が少なくとも3人いる。キウイジュースを飲めたY君、キウイジュースを孫にあげられた私、そして、自分の親切で客に喜んでもらえた店員さん。人の善意を信じて、一歩踏み出すのも悪くはない。



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