氷原の海と空。
窮屈な、分厚い冬靴を履くのがもどかしい。
面倒だが、焦る気持ちを抑えてスパッツを脚に巻く。
「今日も寒くなる」
車の窓から見上る空は、快晴で陽射しも柔らかい。
が、きっと凍えながら空を見上げることになるだろう。
車を降り、雪の上に立って、スノーシューを装着する。
これが終わってしまえば準備は終了だ。
フィールドについてから、歩き始めるまでの準備の時間は、
逸る気持ちのせいで、どうにも落ち着かない。
雪深い森の中を、木々の合間を縫うように、そして深い雪につかまらないように、大げさな歩幅で歩いていく。
やがて向こうの木々の合間に、真白な雪原が見える。
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