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『ジャパン・リバイバル』米国はガレージから日本は町工場から④

「日本はイノベーション後進国」という声が聞こえるようになって久しいです。しかし、イノベーションが起きていないのは、日本社会の閉塞感を強く感じている若者たちのせいなのでしょうか。それとも、社会の構造的な問題が原因なのでしょうか。本対談では、日本のイノベーションの現状と課題を、中島高英氏と中島聡氏に議論していただきます。若者たちは日本のイノベーションの鍵を握っているのでしょうか。日本の未来を切り開くためには、何が必要なのか。必見の対談です。

『ジャパン・リバイバル』米国はガレージから日本は町工場から
1.自己紹介・・・(運命を決めたパソコンとの出会い)
2.得意なこと、好きなことを見つける
3.ChatGPTとは料理をするもの!?
4.Q&A続き・・・GPTがもたらす教育の未来!?

Q&A続き

司会者:まだ大丈夫ですよ。どなたか、他に質問あります? Sさんどうぞ。

質問:ネガティブなことを入力すると、失敗例や失敗する理由を教えてくれますか?失敗の例を質問したら、こういう場合はどうしたら失敗するのか?、どんな失敗条件があるかと入れたら答えが出てくるのか?

否定的な言葉で質問ばかりしていたら、こういうことをやったら失敗すると答えが出てくるのか?

質問:否定的な質問をすると、ChatGPTは失敗例や失敗理由を教えてくれますか?

S:Sと申します。今、勉強しているのが非認知能力なのです。

高英:認知能力と非認知能力。認知能力は?

S:認知能力は例えば、今日お二人の話を聞いていて、なんでお二人がこうやって成功するのかを、お話ししてくださったけれども、皆さんが成功するわけです。そういう人ばかりをやっているのと非認知能力。

すいません、怒られちゃうかな。今、私が考えている仕組みを変えて、非認知能力を探すのではなくて、逆に失敗ばかりした。私なんかは自己肯定感がものすごくあって、やっているときに一生懸命そういうことを考えるのですけど、夜中もずっとChatGPTをやって、終わりになると、おしまいだ。分かりませんとなっちゃうのだけど。

さっきおっしゃっていたように、ネガティブな非認知能力を、逆にネガティブなことを聞いたら、それを逆に戦ってくれるのですか? ポジティブに。失敗した人の話は、なかなか出てこない。失敗した人ばかりの非認知能力。私なんか失敗だらけだけども、そういうのを集めると、こういうのは駄目だという七転び八起きの答えを出してくれるのですか? 全部入れないと駄目かもしれないですけど。

高英:ごめんなさい。質問はChatGPTに失敗の記録を残したら、何か答えが出てくるかということですか? 失敗の答えを入力すれば。

S:仕組みの話なのですけど、ポジティブなことばかりを聞いていくわけですよね。どうなったら良くなるか。そうじゃなくて、ネガティブなこともポジティブなことも入れていくと、失敗するというのは、こういう例だと逆に言ってくれれば、失敗しなくなりますよね。

聡:こうすると失敗するよと言ってくれる?

S:そういう仕組みを、成功例ではなくて失敗例を全部出してもらうから、ネガティブなのですけど、それが出てくるのかという簡単な質問ですけど。

高英:いやいや、簡単ではないですよ。

S:どうもすいません。

高英:Sさんとはいろいろ最近お話ししていて。Sさん。認知能力は定義すると、言葉になってきちんとした体系になっているもので、非認知能力は、感情でモチベーションというご説明を受けた気がしているのですけど、それで合っている?

S:一部はね。

高英:一部は合っている。ChatGPTは文字になっているから、認知能力の世界だけですから、非認知能力の表現は全くできないと僕は思っているのです。

S:出てきます。

高英:出てくる? 非認知能力も表現できるの? 文字で?

S:出る。

高英:それはすみません。こちらが理解してなかった。じゃあ、Sさん聡さんに質問。失敗の例を質問したら、こういう場合はどうしたら失敗するだろうと、どんな条件があるかと入れたら出てくるかですか?

S:肯定的ではなくて否定的なので、どうかと思っているのですけど逆説で。簡単に言えば、否定的な言葉で質問ばかりしていたら、こういうことをやったら失敗すると答えが出てくれば楽しいのですけど。

聡:どうでしょう。あまりそういうアプローチをしたことがないから。

高英:ということは、一度自分で試してプロンプトエンジニアと一緒に試してみると。全部ここで答えが返ってくる全能者ではないから。僕らのシンラボの面白さは、気が付いてやるじゃない。今は、誰にも答えが分からない世界。そうしたら試せばいいのよ。試すやつがいない? 若いの。若くなくてもいいのだけど。やってみる人いない? と呼びかけて、行動に移すこと。僕はすごく大事だと思っていて、行動に移すことだと思う。答えなんか、僕ら2人に聞いても、たぶん出てこない。そうではなくて、行動にしていくことを訴えていきたいと僕は思っております。すいません。

聡:僕、いろんな実験していますよ。わざと自殺したいふりをして、自殺したいと思うのだけど、楽な死に方はないですかと聞くと、ちゃんと自殺は良くないと説得してくれます。あれは、たぶん意図的にそういう仕掛けになっていると思います。自殺補助しちゃうと社会的に問題になるじゃないですか。だから、その辺のキーワードはちゃんと拾って、説得するように設計されています。面白いですよね。

高英:面白そうですね。全然素人すぎて分からない。面白そうですね。ChatGPT。規制しちゃいけないですね。

聡:でも、ある程度の規制を自分でもしていると思います。試してないけど、例えば核兵器の作り方とかを教わろうとしても、たぶん教えてくれないと思います。ただ、その辺は意図して作らないと、そういうことを平気で教えちゃう人工知能もできるので、その辺がリスクですよね。その程度の規制は必要かもしれないですよね。自殺補助をしないとか、テロリストに協力しないとか。

高英:そこはモラルの話ですね。人工知能が問われているモラル。

聡:そうです。でも、実はそれは人工知能の設計者のモラルだと思います。

高英:どういう設計をするかですかね。

司会者:もう少し時間がありますので、もう1つぐらい質問を。

質問:今の人生において大切にしている時間を3つ教えて下さい?

I:ありがとうございます。青山学院大学の文学部比較芸術学科4年のIと申します。ChatGPTのお話ではないのですけど、お二人が、今の人生において大切にしている時間を3つ、どんなものがあるのかを聞きたくて。

司会者:3つですね。

聡:1つ目は、とにかく自分が面白いと思ったことに、できるだけ自分を甘やかす。ChatGPTが楽しいと思ったら、そこになるだけ時間を尽くすのがひとつ。

2つ目は、僕はエンジニアなので、それだけをやっているとずっと座って健康ではないので、運動するようにしています。それはものすごく大事にしています。最近始めたのですけど、朝、海で思いきり泳いだ後にゴルフ場に行って、ゴルフのバッグを担いで18ホール回るというエクササイズをしていて。名前をサーフ&ターフと呼んでいるのですけど、それは結構大事にしています。

3つ目は、そうは言っても自分のことだけ考えていると妻が不幸になる。結婚は維持したいし、離婚訴訟だけは避けたいので、妻との時間を大事にする。この3つです。

司会者:高英さん。

高英:私ですか。まずは寝ること。睡眠でしょ。それから食べることでしょ。あとは、お友達と一緒にお話しして会ったりする。その3つが大事。

というのは、ほとんど仕事の時に削り取ってきたのです。睡眠も食事も、人と会うことも。全部仕事関係になっている。学生さんだったら、それが普通かもしれないけど、社会人が長いとほとんど削ぎ落としてきた部分もあるので、逆に今、大事にして生きています。

I:ありがとうございます。あと40年ぐらい、それを大事にして私も生きていきたいと思います。ありがとうございます。

質問:ChatGPTと1時間会話を続けるとしたら、どんな話題を話そうと思いますか? 

A:質問、最後ですか?

聡:どうぞ。

A:私は、ChatGPTと何を話したらいいかよく分からなくて。お二人方、もしChatGPTと1時間会話を続けるとしたら、どんな話題を話そうと思いますか? 

聡:僕は1時間なんてものではないですよ。最近ずっと話しています。僕は基本的にはエンジニア目線なので実験しています。新しいおもちゃですから。こういうインプットを入れたら、こういうのが出てくるかなという。

例えば、自分が英単語を覚えたいからというのを一生懸命やると、こういうふうに質問すると勉強できるというのが分かったり。もしくは、安全措置があるかというので、わざと自殺したいのだけどと聞いてみるといういたずらをするとか。いろんなことしていますよ。

今朝は何をしたかというと、『吾輩は猫である』の最初の3行分だけを入れて、残りを書けと言うと何が出てくるかを実験すると、一見もっともらしい文章ですけど、当然ですけど本物とは全く違う。一見、起承転結はあるけど、小説としては面白くないものが出てくる。まだね。

たぶん、そこに今だったら、ストーリー、ガイダンスを入れてあげると。あらすじとしてはこうなっていると、吾輩は猫であるの先頭を挙げて、ちゃんと書けと言うと出てくるかもしれない。それは朝、時間がなくなっちゃったのでやらなかったのですけど。小説を書かせるとか、面白いと思います。

A:ありがとうございます。

高英:今ご質問で、何を自分で質問していいか分からないということ?

A:何か質問をしたいと思って、実はChatGPTに「登壇者に質問をしたいのですけど、どんな話題がいいですか?」と聞いたのです。

聡:そうしたら、そう出てきたんですか。

A:はい。なので、もし何か話したいことがあれば聞いてみたいと思って…

質問:日本の教育関係者は、GPTをどのように活用するかを考えています。お二人が考える活用方法がありましたら教えていただけないでしょうか?」

司会者:Mさんが1つ質問したいそうですから。どうぞ。

M:Mです。よろしくお願いします。私は、専門は教育なのですけれども、先週イギリスでBettという世界で一番大きな教育の展示会がありまして、そこに行ってきたんです。協議の中心はChatGPTだったのですが、GPTみたいなものを教育にどう利用するかが、どんなふうに世界レベルで捉えられているかを見に行ったのですけど、流石に新しすぎて、ブースなどでは全然見ることができませんでした。

セミナーの中で4つぐらい、GPTに関して発言している人たちがいて、そこが小さなブースというか、セミナー会場だったのですが、本当に人だかりで、不安を抱えた教育者が寄ってたかって、有識者が何を言うか聞きに行っているわけです。その時に、いくつか僕も見られた部分だけ見たのですけど、メインは「心配することはない。安心してください」「ChatGPTは人間を超えることがないので」という言い方が多いのです。

今の現場の人たちが、これまでなんでBettに取材に行っていたかというと、世界レベルでITの教材とか、日本はすごく遅れているのです。ロボットにしても、プログラミング教材にしてもいろんなものが遅れている中で、ChatGPTが出てきたことによって、もしかしたら日本も世界と並んだのではないかと。ITみたいな、教育を学ぶところが並んだのではないかという感じがちょっとしました。

そういう状況を受けて、では、日本の教育者、関係者がGPTを使って、自分たちが使うのか、子どもたちに使わせるのかも含めて、どんな活用の仕方が、我々日本が今すべきことか?何かご意見があったら、教えていただきたいと思います。たぶん世界の先生がみんな悩んでいるところなので。

聡:マンツーマンの教育だと思いますよ。英語に限った話ではないですけど、基本的に教室は先生が上に立って、生徒たちに一方通行じゃないですか。でも、それぞれ進み方が違う、得意不得意があるので。一番効率がいいのは個人教授じゃないですか。

でも、個人教授だと、生徒の数だけ先生が必要なので、現実的ではないという部分を人工知能が置き換えるというのは今始まっています。僕が教育のベンチャーだったら、まさにそれをやる。数学の得意、不得意は関係ないですよね。得意な子はどんどん進む。不得意な子は丁寧に進めてあげるという、個別教育を与える1対1の教育ツールとして提供するのに、今まさに分水嶺を超えてきたと思います。

今やらないと追いつかないです。そうなったら先生の職が失われるかどうかとか、心配しているどころの話ではないです。やるしかないのです。本当に素晴らしい教育ができるようになるので、これは絶対にやるべきです。

M:ありがとうございます。

聡:Mさんのところでもやってください。

M:中島先生はどうですか?

高英:先生と言われるほどではないですけど。周回遅れだったから今回がいいよね。

聡:そうですよね。リセットがかかって。

高英:ここまで遅れたのだから開き直って、ちゃんとした質問をすればいいと言うのなら、文系の人だってできるわけだよね。少し勉強しておけば。英語勉強するより、たぶん楽だと思う。ロジック的に、ちゃんと質問を正しくする。

聡:そうです。プログラムを書くわけではないので。言葉だけです。

高英:これはチャンスですよ。周回遅れでこういうものをもらったら、どこよりも積極的に日本が活用していけば、ひょっとしたら結構いい場所に行くかもしれない気がしました。

M:世界中の教材メーカーが同じことを考えているのです。先ほどのプロンプトエンジニアリングをどうすればいいか、誰も分からないという。本当に誰が何をすべきか。特に教育業界は、たぶんそういうところがすごく弱いので、誰も考えられないと僕は思っているのですけど…。

高英:そうしたら仲間を集めるしかない。できる人に、教育に対してはこういうものが必要なのだということを説きながら、自分がプログラムを書けない人間だから書ける人を呼んできて、それだけでは駄目で、デザイナー、システムエンジニアを集め、皆さんでチームを作っていく。1回全部バラバラにして、拘束された教育会をぶっ壊して、みんながまた新しくくっつけばいいと思う。それが科学反応ですよ

M:ぶっ壊すところがすごく好きで、今の学習塾の人たちの考えは、どうやったら偏差値を上げられるかとか、どうやったら大学に受かるかをベースに開発していると思うのです。そうではなくて、本当の学習とか学びみたいなものが何かを、既得権者を飛び越えて、新しい教育の世界が作れるチャンスが来たと思っていて。それは誰と組めば、どうやってできるのか、考えられるチャンスだと思う。

高英:そう。まさしくそれがシン・オープン・ラボを開いた理由なの。そういう人たちが集まってきて、足りないことに気が付くわけですよ。そうしたら誰かを呼んでこよう。誰かいないか。ここで試してみようというのが、ここの意義ですよ。ぜひ、ここで何か企画を持ってきて、本当に具体的にやらないと駄目。先ほどみたいに動くものをやらないと駄目。議論ばかりは面白くない。やろう。実験でいいから。

聡:ビジネスにしましょう。僕は、さっき言ったように成功率3割ぐらいなのですけど、7割の部分に関しても毎回僕は結構確信しているのです。これは画期的だと。ただ、売ってくれる人やマーケティングしてくれる人と組めないと、ものにならないので。今、まさにそれを感じているのです。冗談みたいですけど、大阪のおばちゃんの英語教室。あれはとんでもないですよ。本当にとんでもない価値がある。それが僕の中ではできている。あとは売ってくれる人を探しているだけなので。ぜひ見つけてきてください。

司会者:かなり白熱してきました。もうちょっと盛り上がろうということで、今、冷たいビール等いろいろ来たので、そろそろあちらの部屋で懇親会を。今、質問できなかった方は直接お話ししてもいいだろうし、いろいろなグループでまたお話をするということで。

とりあえずダブル中島対談は無事終わります。
どうも皆さんありがとうございました。


『ジャパン・リバイバル』米国はガレージから日本は町工場から

1.自己紹介・・・(運命を決めたパソコンとの出会い)
2.得意なこと、好きなことを見つける
3.話題騒然のChatGPTとは?
4.Q&A続き・・・GPTがもたらす教育の未来!?


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