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Firebase Startup #2 ー Pitch & Demo Day@piece of cake 前編

2019年12月1日(土)に FJUG(Firebase Japan User Group)とシンギュラリティ・ソサエティのコラボ企画、Firebaseのイベントを開催しました。

この日のイベントは、2019年10月27日(土)に行われたアイデアソン を形にし、発表する会です。前回のアイデアソン に参加ししていない個人開発者、企業も持ち込みで参加可能とさせていただきました。

前回同様、note のpieceofcakesさんに会場をご提供いただきました✨

<対談> 中島聡 × 村本章憲氏

今回のメインイベントである参加者のPitch & Demoの前に、元Microsoft Windows95 アーキテクトでシンギュラリティ・ソサエティの代表理事を務める中島聡氏と、時間と魔法をつくる会社 Stamp 代表取締役でFirebase Japan User Groupオーガナイザーの村本章憲氏による対談をおこないました。

お題は「サービス、アプリ開発のトレンドやスタートアップの最新事情など」です。存分に語っていただきました。

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中島:昨日はマネックス証券の米国株式セミナーで登壇してきた。雇用統計の話などをしていた人がいたけど、自分はどんな株を買っただとかTeslaに夢中という話などをした。あと伸び代が大きいFirebaseの話。Googleがシェア3%しか持っていないのは、どうみてもおかしい。AWSやAzureよりいい。今はFirebaseの良さに気づいているアーリーアダプターが使っていて、変化の時期だと思っています。

村本:自分のエンジニア歴は半導体設計時代からはじまり、クラウドがない時代も見てきた。サービスを立ち上げようと意気込み、AWSが出てきたときに衝撃を受けたが、設定項目が多いことが障壁だった。ParseがFacebookにのった時も感動したけど、それも2〜3年で終わってしまった。その後Firebaseが登場し、のっかってみたら、これがめちゃめちゃ良かった。これを体験したエンジニアは少ないです。僕はそれにのれて幸せ、それを広めていきたい。

中島:衝撃だったのは東京2020オリンピック 公式チケット販売サイト。大企業がやったら100億くらいの金が流れたりするけど、あれをFirebaseでやったらもっといいものがコストをかけずにできる。ビジネスでそうゆうことをやっていきたい。今は人数少ないけど、そうゆう機会を設けてもっともっと人を増やしたい。

村本:Firebaseのセキュリティは銀行が作るシステムより圧倒的に高い、だけどどう伝えたらいいかな。中島さんだったらどう伝えますか?

中島:パッケージでSaaSでサービスを作って売る。お客さんはバックがFirebaseでできていることを知らないでいいと思う。Googleはビジネスがヘタ。Google I/OへいったらブースにFirebaseのエンジニア普通にいる。エンジニアと直に話せるけど、ビジネスの話ができない。I/Oでエンジニアにビジネスモデルについて聞いたら「わからない」だって。Googleはカンファレンスにエンジニしかださない。Microsoftは営業をだすけど。それがGoogleなんだろうな。

村本:I/Oは営業がいない、なんなんでしょうね。ビジネスのヘタさを感じます。Appleはどうなんでしょうね。

中島:Appleはいい感じ。エンターブライズの信頼がね、Microsoft > Apple > Goolge。Googleは広告モデルがビジネスだから、データを取られるみたいなイメージがあるのかなと。Googleの利用規定をみるとデータはGoogleのものって書いてある。Firebaseの規定にはそんなこと書いてない。

村本:今日の商品はDJIのドローンなんだけど、中国の会社で作られていて、iPhoneで動く。どこで動かしているとかの記録がすべて取られていて、中国に情報がいっている。実はFirebaseは中国でも動きます。だからと言ってFirebaseを介して中国にデータが取られるっていうことはないんですけど。FirebaseはGCPからも切り離されていて、Googleの中でも特殊な位置づけになってるなって思う。1ヶ月前にGoogleで話を聞いてきたのだけど、Firebase AnalyticsはAdMobが使われる。今後AdMobが伸びていく..という意味ではデータはGoogleに使われているってことになっちゃうけど。

中島:ちょっと前にAIとかブロックチェーンとかあったけど、同じようにリアルタイムWebも消えちゃった。五年前にソケットIO使ってサーバー使ってやってたけど、サーバーは常時で動いてないと。Firebaseだとサーバー立てなくていい、僕はこれでリアルタイムWebができると思った。Firebaseはソケットいらないんだと思った。みんなまだ知らない。リアルタイムで反映される価値、リアルタイムでWebで動く、すごいことだし重要。その意味でもFirebaseを推している。

村本:トリップアドバイザーという旅行サイトがあります。このサイト見てると、画面に他に3人がこのページ見てますと表示される。まさにリアルタイムWeb。ちなみにいうと、トリップアドバイザーのこれは、ほんとは嘘。でもビジネス的に大きなメリットがあった。Firebaseだと、これが本当にできる。

中島:そろそろ時間かな?参加者の中で、質問はありますか?

質問者:Firebaseはフロントエンドが使う技術なイメージがありますが、バックエンドの人たちはこれからどうしたらいいのでしょうか。

中島:バックエンドが不要ってことはない。functionとか使わないといけないこともあるし、バックエンドを知らないと。例えば複数のサーバーでやる時にシンクロさせるのはどうしたらいいかとか、僕は誰かにやってほしい。データベースやネットワークオペレーションをしてる人たちは車輪の再発明で、クリエイティブなことができるという感じではないけど。

村本:バックエンドがいらないっていうよりも、インフラが不要なイメージ。サーバーサイドエンジニアは必要。その人たち(インフラエンジニア)はAIのために使うことをすすめる。向こう10年でインフラがなくなるとしたら、AIにいったほうがいいと思う。

中島:AIは統計、数学に強い人がいった方がいいかな。他に質問はないですか?

質問者:Firebaseで今後拡充していきそうなサービスはどんなサービスでしょうか。

中島:今後期待してるところ、今はNoSQLでやってるから、RDBを使わなきゃいけないケースがあるけど、そこを払拭してほしい。Flutterが本気でフロントを攻めている。クロスプラットフォームチームはFlutterのアーリーアダプター。ReactNativeはOSのグラフィックAPIを使うけど、Flutterは直でGPUにいく。作った人の通りに動く。

村本:リアルタイムWebはフロントで使ってほしいけど、使い切れてない。仕様を策定できる人がまだあまりいない。Firebaseの知見をためて、今後未知の機能を体験できるかも。

中島:オンライゲームやってる人が強いかもしれない。オンラインゲームみたいな体験がWeb側にくる。チケットの話をすると、転売、値段最適化、UXを含めた上で、売り手買い手がWINWINなUX、そこには今までにない体験でチケットのあり方が変わる。Firebaseが足りないんじゃなくてUXが足りない。

次の質問者:データについては、今後どんなデータを収集すると有意義に展開できますか。どうゆうところを狙って集めたらいいでしょうか。

村本:Appleは個人情報の観点で、OSレベルで広告で拒否。ヨーロッパでは法律になっている。個人情報のデータ収集にはネガティブなイメージ。ユーザーにとってメリットがあることもあるのだけど。あと、ユーザーのセグメントを現状から更に切るっていうのは、これ以上は無理かな。

中島:どんな目的でって考えたときに、AIでラベル付きのデータが不足している。個人情報はいったん忘れて、画像と場所のデータはたくさんある。そのデータを買ってる人がいる。ラベル付きデータを集めるのはベンチャー視点ではいいと思う。

村本:ヘルスケアがきている。例えばウェアラブルを着用していて転倒したときにアラームが出る、5秒動かないと死んでるかもってAIが検知したり、あと糖尿病のセンサーや血液センサーとか。それを活用する会社が出てくるかも。

中島:アメリカの会社で鬱病のデータを持っているところがある。データはDNAでラベルはこの人に薬が効いているかいないか。30%は効くとか効かないとか、副作用が出るっていうラベル付きDNAデータ。DNAでその人が一発で鬱かどうかわかる。個人向けの医療ができるユニコーンが生まれるかも。ということで、次のプログラムに進まないと、このままどんどんしゃべっちゃいそう。

対談は以上です。興味深い話がたくさん聞けて、有意義な時間を過ごせました。お二方、どうもありがとうございました。

<特別講演> 過疎地の交通を救え

特別講演としてシンギュラリティ・ソサエティ内で立ち上がっているプロジェクトをご紹介させていただくことになりました。

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ある地方(以降A市)の大学、自治体との共同プロジェクトで、このプロジェクトを推進いただいている、土木分野のエンジニア/アーキテクトの重山 陽一郎さんにお話いただきました。

A市では過疎化が進み、移動手段であるバスやタクシーの運転手は高齢の方が多く、数年後にはいなくなってしまう可能性があります。病院やスーパーの送迎バスが、公共バス/タクシーと競合し、運転手を奪いあっている状態です。この競合を調整し、相互に補完したいところですが、どれも音声通話と紙と鉛筆で管理されていて調整ができなくなっています。そこでソフトウエアの出番!というこで、予約システムを作ることになりました。2020年4月試験運行、2020年10月本格運行を予定しています。

Firebaseを使用した予約システム

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A市市役所で実績を作り、全国展開を考えています。

現在、当プロジェクトではFirebase+iOS、Webエンジニアを募集中です。ボランティアになりますが、成果次第では研究結果として発表したりポートフォリの作成や実績作りに繋がるかと思います。もしご興味がありましたら、シンギュラリティ・ソサエティ Twitter @SingularitySoci もしくは Facebook までお問い合わせください。

長くなりましたので、続きは後編で。ここまでご覧いただきありがとうございました!


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