【開催報告】キフカッション#1 寄付とわたしの現在地
文責:サチコ
今年もシングルマザーズシスターフッドでは、寄付月間にシングルマザーが執筆したエッセイを発表して寄付を募集するキャンペーンを行います。
キャンペーンのために集結した有志のスタッフは、エッセイ制作のプロでもなければファンドレイジングのプロでもありません。
普段はシングルマザーとして受益者側の立場にいて、寄付集めの取り組み自体に馴染みがないという方も多く、「寄付のお願い」にハードルの高さを感じている方も。
そこで、そんなスタッフメンバーが、寄付に対する気持ちをフラットに、ポジティブにしていけるよう、寄付月間賛同企画として「キフカッション」というイベントを開催しました。
早朝から総勢6人の仲間(寄付月間キャンペーンのスタッフ)がオンラインで集まりました。
◎初めての寄付の思い出
まずは、#キフカッション のワークシートにそって、それぞれの「初めての寄付」をテーマに話しました。
最も多かった意見は、
募金箱
赤い羽根共同募金
他にも、
など、寄付した経験もそれぞれです。
◎寄付者にとっての一番の懸念点
という意見には、参加者の多くがうなずいていました。
日本の寄付についてまとめた『寄付白書2021』で行われた寄付活動についての調査でも、調査対象の約70%の人が「寄付の使われ方が本当に適正か」を、一番の懸念点としてあげています。
出典:寄付白書(日本ファンドレイジング協会)
寄付する人にとって、「使われ方」はやはり、大切なポイントといえそうです。
◎「消費・貯金・寄付・投資」寄付の意味を考える、10万円のワーク
次に「もし10万円が手元にあったら自分のお金の使い道を、消費・貯金・寄付・投資の4つにどう割り振るか?」のワークをしてみました。
実はこのワーク、渋澤 健(渋沢栄一の5代目)さんの『子どもたちと学ぶお金の使い方」シブサワ・レター』からヒントをいただいています。
シブサワ・レターでは、お金の使い方を「消費・貯金・寄付・投資」に分類したうち、
消費・貯金はMe(わたし)のため
寄付・投資はWe(わたしたち)のため
社会があるからこそ、自分たちもあることを指摘しています。
というポジティブな声や、おすすめ本の紹介などで活気づきました。
◎寄付をするのは抵抗ないのに、寄付を集めていますと言えない
ここで参加者の一人から意外な声が。
寄付月間キャンペーンのスタッフには、シングルマザー当事者として公的支援や食料支援など、寄付の受益者を経験した人、今まさに経験している人も多くいます。
「寄付をもらうことで、立場が弱く感じてしまう、なんだかうしろめたい」という言葉をもらす人も。
画面越しの参加者の表情や間合いからは、何かしらみんなが抱えてきた重たさ、罪悪感や申し訳なさのようなものが伝わってきました。
一方で、前半の「寄付の使い道」の議論ともつながって、
という意見や、
という声もありました。
◎誰かのために、寄付を呼びかける
私たちの寄付月間キャンペーンでは、
と考えたら、寄付をお願いすることをポジティブに捉えられるね!と話し合って、締めくくりとなりました。
◎次回のキフカッションのテーマは「寄付を受けとる側の気持ち」
お金のワークで、「寄付は社会をつくる大事なもの」と頭では認識できたはずなのに、寄付してもらうこと、寄付集めに関するこの「うしろめたさ」は、どうしたら解消できるんだろう?まだ整理のつかない、かすかなもやもやとした気持ちが確かに、まだ、あります。
次回のキフカッションでは、この「寄付してもらう側の気持ち」をテーマにもっと、掘り下げて考え、自分たちにとっての「寄付集め」を深掘りしていきたいと思います。