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【開催報告】キフカッション#3 与える喜び、受け取る喜び

文責:サチコ

12月は #寄付月間  ! 今年もシングルマザーズシスターフッドでは、寄付月間にシングルマザーが執筆したエッセイを発表して寄付を募集するキャンペーンを行っています。

キャンペーンの有志スタッフと前回前々回と2回のキフカッションを重ねたことは、個々のアクションへと背中を押してくれました。初めて身近な人に寄付のお願いをしてみたスタッフ、自分で寄付をしてみたスタッフもいます。

完結編となる今回のキフカッション#3  与える喜び、受け取る喜び  では、実際にアクションを起こしたことで実感してきた、「寄付」がもたらす与える喜び、受け取る喜びについて気持ちや意見を交換しました。

そして、あらためて、私たちが寄付文化に貢献できることを話し合っていきました。※団体スタッフ向け内部イベントです。

過去のキフカッションの報告はこちら↓
#1 寄付とわたしの現在地 #2 寄付してもらう側の気持ち

今回も早朝から、6人のシングルマザーが集合しました。前回、前々回とすべて参加したスタッフや、初めて参加するスタッフも交えて話していきます。

(今回のキフカッション#3でのワークは、#キフカッション の枠組みをベースに、団体オリジナルにアレンジしたものです。#キフカッション のワークシートは こちら で入手できます。)

◎寄付をお願いして、受け取って、感じたこと

まずは、寄付のお願いをしてみて、受け取ってみて、感じたことを書いてみます。また、お願いのメールを出すまでは行かなかった方には、「お願い」について考えてみてどう感じたか、率直な気持ちを書いていただきました。


・意外にすんなり応援してくれた。
・受け取って、素直にうれしかった。

まず多かったのが、「うれしかった!」という率直な気持ち。寄付のお願いまでは踏み込めなかったけれど、どうお願いしたら伝わるかを考えた、という方も。一方で、

・必ずしも余裕がある人ばかりではないと知っているので、「寄付のお願い」まではできなかった。
・「お願いする」けど、決めるのは相手。期待はしない

という声や、

・実際、声掛けして寄付を集めるのは『大変』だなと感じた。海外では平均20%はコストというのも理解できる。
・寄付でセルフケアを受けているのも、改めて『ありがたいな』と感じた。

といった意見もありました。

◎寄付をしてみて、感じたこと

一方、今日集まったメンバーの多くが、前回のキフカッションを受けて、自分たち自身のキャンペーンにも初めて寄付する経験をしていました。初めての寄付を体験した方からは、

・誰かの役に立てていると思って、気分が良くなった
・お金での寄付はスッキリする感覚。やみつき!
・直接的にできることをした感触がある

などの意見や、

・自分も仲間の一員になった、チームになった感じ

という、「つながり」の感覚を持った方も。自身の経験を振り返って、

・自分が「続いてほしい」と思う活動が、お金を理由に途絶えることのないように
・自分も受け取っているから、支援したい
・受益者としての申し訳なさが勝っていたところから、自分も参加している感じに変わった

と伝えてくれたスタッフもいました。

共通していたのが、「つながり」の感覚。「寄付する」ことで、寄付先の相手とつながること、相手のためを純粋に思えること、、といったことを、新鮮に感じられる感覚があったようです。

◎「受け取る」私たちが、「与える」立場にも、立つ


さて、私たちシングルマザーズシスターフッドは、①セルフケア ②学び ③貢献 の3つのステップで活動しています。この図は、「今がよくなる」から「未来が良くなる」そして、「社会が良くなる」これをどんどん循環させていきたい、という活動理念を表しています。

①セルフケア講座 ②学びの講座 は寄付で運営されており、私たちスタッフは、「寄付の恩恵を受け取る」受益者の立場にいました。

そして、寄付月間キャンペーンのスタッフとして活動することによって、③貢献の場、つまり、「寄付をする」「寄付を集め、その恩恵をまだ見ぬシングルマザーに手渡す」といった「与える側」に来たわけです。

与え、受け取ることは、お金やエネルギーを循環させていくこと。その過程で、たくさんの喜びが生まれた、と感じています。そしてその喜びは、

寄付のお願いをする、という行為 からも生み出されているように感じています。

◎人は、与えることではじめて、受け取ることができる

今回のキフカッションを考えるにあたり、私がヒントとさせていただいたものがあります。

画像、エピソード内容は、COTEN RADIO の YouTube
 矢田明子さん(コミュニティナースカンパニー(現:株式会社CNC)ゲスト回より

私が愛聴しているPodcast、「歴史を面白く学ぶ COTEN RADIO」番外編、矢田明子さん(コミュニティナースカンパニー(現:株式会社CNC)ゲスト回から。詳しくはぜひ、本編を聴いていただきたいのですが、地域の人々の力を引き出し、つながりとコミュニティ形成に寄与する専門職・コミュニティナースについてのお話のなかで、下記のようなエピソードが紹介されていました。

福祉につながっていない高齢の方に、「支援を受けて」と言うだけでは、支援につながってもらうことはできない。その方の得意なことで「力を貸して」とお願いする。そうやって関係性を作っていく中で初めて、「じゃあ、支援を受けてみようか」とその方の気持ちが動いていく。

番組ではこのエピソードを、

人は、与えないと、受け取ることができない。誰かに何かを与えた、力を貸した、という経験から、自分もはじめて支援を受け取れる

このように表現されていました。

このエピソードを聞いて私は、寄付においても、「与えること」を促すこと、つまり、「あなたに寄付をお願いします」というメッセージを送ること、それこそが、相手への信頼、「与える喜び」のプレゼントになるのでは? そう考えるようになったのです。

◎あらためて、私たちにとって、「寄付」ってなんだろう?

最後に、参加した全員でもう一度「『寄付』ってなんだろう?」を考えてみました。

「相手も自分も豊かになる」「応援のツール」「つながりが増える」。

「寄付」と「お金」のイメージも密接につながっているようです。

仕事で稼いでいることもひとつの社会貢献。仕事の中ではできない社会貢献を、稼いだお金を「寄付」することで、よりダイレクトに社会貢献できる


そんな力強い意見も出ました。


私たちシングルマザーズシスターフッドの学びの講座の一つに、高橋ライチさん(リスニングママ・プロジェクト主宰)の「人生を豊かにするコミュニケーション講座『お願いのヒミツ』」があります。相手に対して申し訳ないから「お願い」を上手にできない、という人が多いなか、ライチさんの講座では、上手に「お願いをする」ことで、相手と一緒に「願いを叶え」「ともに喜び合う」ことができるのだ、と学びます。

ライチさんはこれを「喜びの世界への招待状」と表現されていました。

寄付のお願いも、同じだと私は思っています。

そんな話をしてみると、

喜びの世界への招待状っていいですね〜! 
自分が寄付をして「よかったな」と思う気持ちを味わえた。自分が寄付をお願いする相手もそう思うチャンスになるのかな

そして、

「かなえたい未来に向かって、関わること」

そう、表現してくれたスタッフもいました。

キフカッションに、正解はありません。

参加したスタッフは、口々に「身近な人とも「寄付」のこと、あらためて話したことってなかった!」「率直な意見が聞けて楽しかった」と話していました。

私がキフカッションを開催した動機は、今回寄付集めをするにあたり、「寄付」についてそもそも話したことがなかった、と気づいたことです。親や兄弟とも、友達とも話題にすることは稀ですし、寄付集めとはなにか、義務教育で習った記憶もありません。

そんななか、自分たちがせっかく寄付を集めるなら、なんとなく参加するのではなく、自分の心の奥底からの納得を持って関わりたい、と思いました。

寄付には、色々なイメージがついてまわります。受益者でもある私たちは、寄付を受けることによってもたらされる偏見やバイアスに傷ついたことも、率直なところ、あります。

けれどもし、「寄付」が、同情や同調圧力によって行われるような、「義務感」をもたらす重苦しいイメージでなくなったら? 

「寄付するって楽しい!」「寄付のお願いって、喜びをもたらすんだ」そんな風に、楽しさやワクワクをいっぱい詰め込んだ贈り物に変わったら?

私たちにとって「寄付」のイメージが少しずつ変わり、受益者である私たちも、堂々と受け取り、「恩送り」することができる。

ひいては「寄付文化」がポジティブな未来を連れてくるものになる! そう、今の私は考えています。

私たちの寄付月間キャンペーンへも、応援どうぞよろしくお願いいたします!


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