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大人の遠足:糺(ただす)の森の神様

お昼近くまで降り続いていた細雨も、午後にはすっかり上がっていた。
しめた! 久々に鈍った身体を動かそう。いつものように咄嗟に思い立ちました。


北浜駅で京阪電車に乗り継いだ。
京都出町柳へと向かう電車は、土日は間引き運転をしている。
混雑覚悟の上、先頭車両付近で特急電車が入ってくるのを待っていた。


時刻は14時40分過ぎ。
スルスルスルと電車がホームに滑り込んできた。
えっ、ガラガラやん、これはラッキー。
目的地の出町柳までの小一時間。読書をするのに丁度良い時間だ。


お昼まで降り続いた雨と、緊急事態宣言が影響しているのだろう。
少しだけ気が引けましたが、土日はずっと自宅に篭っていたのだから、今日くらいは少し許してもらおう。再来週に迫った同僚の結婚式の打ち合わせを兼ねてた京都散歩。


久しぶりの大人の遠足だ。
今日は出町柳周辺を散策してから三条辺りまで散策しよう。


出町柳駅から地上に上がると、目の前には糺(ただす)の森が広がっている。京都を潤す賀茂川と高野川が合流する只洲に広がる糺の森は、紀元前からこの地を守る下鴨神社の神聖な森である。


同僚はコロナの影響で、既に当神社で挙式を済ませている。
凄い歴史の神社だな。そう思うとすっかり神社好きの血が騒ぎ始めました。


見上げれば樹齢6百年はあるだろう数多の巨木が、すっぽりと灰色の空を覆い、欅や椋木などの針葉樹を中心に自生している。湧き出る泉や小川と涼風が森を潤し、山城平原の風情を今に伝えている。


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本宮殿の手前に「さざれ石」が祀られている。
言わずと知れた国歌「君が代」の中に登場する「さざれ石」です。


火山の噴火に伴い分離集積した石らしく、太古の昔より信仰の対象となっている。「古今和歌集」には生石伝説の「さざれ石」が詠まれており、僕たちの国家の原典となっている石です。


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「光琳の梅」
ここにあったのかぁ。尾形光琳が描いた『紅白梅図屏風』の原典です。
長い時を経て光琳と繋がったような気がします。


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-『紅白梅図屏風』-


下鴨神社はラグビーの聖地としても話題になっている神社。
神社内にある「雑太社(さわたしゃ)」はラグビーの聖地として全国から関係者が参拝に訪れている。ご祭神は球技上達の神様とされる神魂命(かんたまのみこと)が祀られている。


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新たな目標に向けて第1歩を踏み出す。
ちょうど今、僕にはこれが必要です。


出町柳からゆっくり川沿いを歩き、京都御苑まで歩くと流石に汗ばんでくる。道ゆく人と軽く会話を楽しみながら京都らしい情景を堪能していると、不思議と疲れを感じない。


御所を抜けて烏丸通りまで出ると、蛤門がある。
江戸末期に禁門の変(蛤御門)として、長州藩と薩摩、会津、桑名藩が衝突した場所です。随分昔に歴史で習ったことを思いまします。未だに弾痕が残っているのには驚きました。


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三条大橋まで戻る頃にはすっかり夕方。
昼間の雰囲気からガラッと一変する景色も、また京都ならではの趣です。


三条大橋の夜は静寂で美しい。
カップルも多く憩いの場所となっています。


ただ、京都では有名な刑場で、数多の武将が絶命している場所でもある。
橋の袂にはさらし首が並べられていた事実を、イチャイチャしてる彼らは知っているのだろうか。


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最後まで読み進めて頂きありがとうございました。
過ごしやすい秋です。食や読書を堪能しましょう。🍁


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