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常宿ホテルマンから学ぶプロ意識

「ゆーじさん、大変ご無沙汰しております」そう声を掛けてきたのは、常宿にしているホテルの従業員Sさんです。


昨日から出張で大分へ来ています。大分へは10年ほど前から定期的に出張で来ていますが、実際に来るのは新型コロナウィルスの影響もあり、1年と少しぶりです。大分へ来る時は常宿にしているホテルがあります。


そんなホテルでチェックインした時の一幕。翌朝のリモート会議の事が気がかりで、周囲が全く見えていませんでした。考え事をしながら、いつもの様にフロントでチェックインをしようとした際にお声がけくださったのです。


「あら、随分久しぶりですね、お元気でしたか?」
「まぁ、お陰様で細々と頑張ってますよ。大分へは1年ぶりですか?」と。


はっとしました。前回の大分出張が昨年の3月初め頃、Sさんが仰る通り凡そ1年ぶりの大分だったのです。


「えー、どうしてわかるのですか?」と伺うと、にんまりしながら、
「大切なお客様ですからね、最後にお見かけした時がいつだったのか大体分かるのです」と。


毎日沢山の宿泊客がいるのに、覚えていてくださっただけでも大変光栄です。確かに10年ほど前は週に2度くらい来ていた時期もあったかな。その時からの顔馴染みではありますが、本当に嬉しいものです。その様に回答すると、Sさんも恐縮したご様子で深々とお辞儀をされました。


ズキュン、


ホテルに限らず常連客の真理ってこんな感じなのでしょうか?
周囲に新しいホテルや飲食店が軒並みに出店していますが、最終的には馴染みのホテルやお店を選んでしまう。きっと”ズキュン”と感じた感覚と、ここなら大丈夫だと言う安心感からなんでしょうね。


そんな僕達の会話を近くで聞いていたフロントのスタッフ、恐らく新入社員なのだろう、胸に研修中のバッジがついている。その彼女も笑顔で対応してくださるが、妙にPCをさばく手つきが新人らしくてぎこちない。


「慌てなくても大丈夫よ、ゆっくりやってね」そう話しかけると、にっこり笑顔で「はい、ありがとうございます」と返って来ました。やはり、新人さんは元気があると気持ち良いです。改めてそう感じていると、


「ゆーじさん、10年前も研修生に同じお言葉を掛けて頂きました」とSさんが補足してくださった。「あの時の研修生も凄く喜んでいましたよ」とSさん。すると周りのスタッフも反応し、終始笑顔で心地良い雰囲気になりました。


この絶妙の一声、ホテルに入った時の一声、周りを一瞬で巻き込んでしまう巧みな雰囲気作り。自然に振る舞っているだけで、決して無理な口出しではない。これぞプロなんだろうなと感じる瞬間です。


ホームに戻ってきたな!
そんな気分になったのは言うまでもありません。


「明日はリモートで会議が入っているから、お部屋の掃除は不要です」とお伝えし、タオル類だけ交換して頂くことで部屋に向かった。


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翌朝、ホいテル近くを20分ほど散歩して部屋に戻ると、ちょうどタオルのお届けのスタッフ、清掃員さんと鉢合わせた。「ゆーじ様、おはようございます、依頼されていたタオル類をお持ちしました。Sがいつもお世話になっています」と。


Sさんが直々に依頼くださったのだと直ぐに分かりました。


ホテルの清掃員に挨拶をされる事はしばしばありますが、会話することはほとんどありませんでした。清掃員の方も僕を名前で呼んでくださる、これって結構驚きです。きっとSさんから完璧な申し送りを受けたのでしょう。


手渡されたタオルの入った袋を受け取り自室に入った。何気なく中を覗いてみるとメモ書きがある事に気づいた。


「お仕事頑張ってください!」


Sさんからのメモだ。たった2泊しかしないお客に対して十分すぎるほどのおもてなし。常宿にして10年、きっとこれからも大分に来る度にこのホテルに泊まり続けるだろう。そう感じた瞬間でもありました。


豪華で度肝を抜くようなおもてなしではなく、いつも明るく自然体、心の隙間にもしっかり対応してくださる安心感と温もり。何気ない一声でパッと周囲の雰囲気を変えてしまう力量。なるほど、改めてプロ意識を見た気がしました。業界こそ全く違いますが、彼から学んだ事は重要です。先ずは自分にも出来るのか、明日から心掛けてみようと思います。🌱



最後まで読み進めて頂きありがとうございました。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。🌱



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