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④EPATH’s 2nd Summer School 二次性徴抑制療法について

Amsterdam University Medical Center
小児内分泌科医 Daniel Klink先生の講義でした。

https://www.researchgate.net/profile/Daniel-Klink

二次性徴抑制療法は禁止の国もでてきており、
賛否両論ありますが、
日本では一部病院・クリニックで行われています。

今回は二次性徴抑制療法が良いか、悪いかではなく
授業に焦点をあてます。

二次性徴抑制療法に伴う変化
AMAB
・精巣が大きくならない、勃起の減少
・声が低くならない
・毛が濃くならない
・男性骨格にならない

AFAB
・初潮を遅らせる・生理を止める
・乳房発達させない
・骨成熟を遅らせる

起こる可能性がある副作用
・ホットフラッシュ
・疲労
・精神の不安定化
・高血圧
・骨密度低下
・心血管リスク
・脳の発達

今回の授業の結論です。
・体組成は自認する性で判断する
・心血管リスクは増加しない
・トランス男性の骨の健康は損なわない
・トランス女性の骨の健康には注意する

参考文献:

心血管リスクについて
この論文では、二次性徴抑制療法を行ったトランスジェンダーの子どもたちの収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、血糖値、インスリン抵抗性の恒常性モデル評価(HOMA-IR)、脂質値の変化について評価していますが、心血管リスクの増加はなかったとのことです。
しかし、肥満率が高く体重管理が必要を書いてありました(肥満率は、国によって異なりそうです)。


骨密度について

二次性徴抑制療法の後にエストロゲン・テストステロン療法を行うことで
低下した分の骨密度は回復してきますが、その後もトランス女性は骨密度に注意していく必要があります。


現在、日本ではあまり厳しい取り決めはなく、二次性徴療法がおこなわれています。

どのような病院・クリニックで二次性徴抑制療法を行うべきか?
1. 医師の定期診察がある(毎回)
2. 血液検査がある(3か月に1回程度)
3. 骨密度検査がある。

医師による身体診察、血液検査、骨密度検査のフォローは必須だと思います。

日本のとある大学病院の小児科では、思春期早発症の子どもたちにも、同じ薬が使われています。
定期的に医師診察、血液検査、レントゲン、骨密度検査などが行われていました。

漫然と注射を打つのは危険なので、
二次性徴抑制療法を行う場合は、細かなケアがある医療機関・医師のもとで行うようにしてください。



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