池袋真(Ikebukuro Singh)

産婦人科専門医。GI(性別不合)学会認定医。 ジェンダー/ヘルスケア/セクシュアルヘル…

池袋真(Ikebukuro Singh)

産婦人科専門医。GI(性別不合)学会認定医。 ジェンダー/ヘルスケア/セクシュアルヘルスケア専門。 【横浜元町】LUNAクリニックでトランスジェンダー外来🏳️‍🌈🏳️‍⚧️ 【上野御徒町】パーソナルヘルスクリニック ジェンダー外来 【大阪天満】いだてんクリニック ジェンダー外来

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【災害時】トランスジェンダー・ノンバイナリーにとって重要なこと

令和6年能登半島地震が発生し、TGNB(トランスジェンダー・ノンバイナリー)など、様々なジェンダーの被災者の方について想いながら、書きます。 「災害」時に気を付けるべきこと。ホルモン療法中の"ホル切れ" ホルモン療法中の方のリスク トイレ 造腟術後の外陰部腟ケア 月経 【ホル切れ🟰ホルモン不足】 ホルモン療法中の方が 定期的にホルモン療法をできなくなると、更年期のような症状(疲れやすい、イライラする、悲しくなる、体がほてるなど)が起きることがあります。 そのよ

    • 熊本エイズセミナー

      熊本エイズセミナーでポスター発表をしてきました。発表言語は英語でした。 世界的にトランスジェンダー🏳️‍⚧️のHIVや性感染症(STI)の有病率は高いと言われているのですが、日本の実態は十分にわかっていません。 日本でのデータは少なく、日本の医師でトランスジェンダーのHIV/STIの研究をしているのは私くらいではないでしょうか...(他に医師の研究者をご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください..) 今回、トランスジェンダーのHIV/STIリスクや病院受診へのためら

      • ⑦EPATH’s 2nd Summer School トランス男性(FTM)のテストステロン療法後の出血はどう対応する?

        Gynaecological aspects, fertility options and parenting オランダの産婦人科医 Norah van Mello先生の授業を受けました。 授業内容は、トランスジェンダー男性(FTM)の不正出血、月経、避妊、妊娠・出産、骨盤底筋群の筋力低下、腹痛について 今回は、トランス男性の不正出血・月経について説明します。 *テストステロン療法とは、男性ホルモン療法のことを指します。 *世界的にはFTMという言葉は使わなくなりま

        • ⑥EPATH’s 2nd Summer School 合併症を減らすために、造腟術前に行う3つの対策とは?

          EPATH’s 2nd Summer School Surgical aspects in transgender health 形成外科医 Karel Claes 先生の授業 症例写真が多く、スライド撮影NGだったのでメモでシェアします。 造腟術後の合併症は70%とも言われており、合併症をできるだけ減らすために術前にできることをお話されていたので、共有したいと思います。 半年以上の禁煙 *電子タバコも含める BMIは18以上30未満 *やせすぎも、太りすぎもよくない

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        【災害時】トランスジェンダー・ノンバイナリーにとって重要なこと

          ⑤EPATH’s 2nd Summer School     エストロゲン療法について、ヨーロッパの医師に尋ねてみた。

          エストロゲン療法の注射薬について タイのIHRI Tangerine clinicに行った時も エストロゲン療法(女性ホルモン)の第1選択肢はジェル・パッチ(貼り薬)!で第2選択肢が飲み薬。 よほどなにかあれば、注射と言われていましたが。 日本のエストロゲン療法は、注射が中心です。 私の患者さんたちは、ジェルや貼り薬が多いです。 注射: プロギノン・デポー 10mg/20mg さて、ヨーロッパに渡り。 色んな先生にエストロゲン療法のリアルを聞いてみたところ。 ↑のこ

          ⑤EPATH’s 2nd Summer School     エストロゲン療法について、ヨーロッパの医師に尋ねてみた。

          ④EPATH’s 2nd Summer School 二次性徴抑制療法について

          Amsterdam University Medical Center 小児内分泌科医 Daniel Klink先生の講義でした。 https://www.researchgate.net/profile/Daniel-Klink 二次性徴抑制療法は禁止の国もでてきており、 賛否両論ありますが、 日本では一部病院・クリニックで行われています。 今回は二次性徴抑制療法が良いか、悪いかではなく 授業に焦点をあてます。 二次性徴抑制療法に伴う変化 AMAB ・精巣が大きくな

          ④EPATH’s 2nd Summer School 二次性徴抑制療法について

          ③EPATH’s 2nd Summer School ことばについて

          日本のジェンダーの学会で Gender-affirming careを使う人はどれくらいいるのだろうか。 Gender-affirming surgery 今回の発表で使用されていた言葉たち Transgender individuals TGD people Transgender nonbinary Transgender men/women AMAB/AFAB(assigned male at birth/assigned female at birth) Tran

          ③EPATH’s 2nd Summer School ことばについて

          ②EPATH’s 2nd Summer School ヨーロッパのフラホル状況?

          休み時間中、 ヨーロッパのフラホルについて聞いてみた 【ヨーロッパのフラホル状況について】 「フライングホルモン(フラホル)!?!? それはうちの国ではできないね。 性別不合の診断があり、医師からの処方箋がないと薬はもらえない。 自己輸入をして、自身でホルモン療法を行う場合は、罰金や法的措置があるから、みんなしないね。」 フラホルは懲役がある国もある、らしい。 「血液検査や医師の診察なしでホルモン療法する人がいるの!?!?」と 驚かれたり。 何人かに聞きましたが、ヨ

          ②EPATH’s 2nd Summer School ヨーロッパのフラホル状況?

          ①EPATH’s 2nd Summer School   Stigma 

          今回のプログラム一覧 初日はAula Academiaのホールで博士課程の発表を拝聴。 Doctoral Defense “Understanding gender dynamics in return to work of transgender and gender diverse people” (Joy van de Cauter, UZ Gent/UGent, BE) ディスカッションがオランダ語であり、英語の発表のみ聞いて終了😅 こんなところで発表できるなん

          ①EPATH’s 2nd Summer School   Stigma 

          【ジェンダーを学びたい医療者へ】ゲント大学訪問のススメ(1)

          医療者で、ジェンダーの勉強をするのであれば! 一度ゲント大学に行くことをお勧めします。 最短2週間から病院見学ができるらしい。 今回、ゲント大学病院のジェンダー医療を担当する医師のお話も聞きましたが、とても勉強になりました。 一度勉強のために、出向いてみるのはアリかと思いました。 さて今回、私はゲント大学での病院見学・勉強が主の目的ではなく。 EPATHのサマースクールで、 ベルギーのゲント大学に行きました。 「ベルギーか…..行ったことないし不安だな」と思っていたところ

          【ジェンダーを学びたい医療者へ】ゲント大学訪問のススメ(1)

          注意⚠️【血栓予防の着圧靴下について】

          エストロゲン療法中の方は、血栓リスクが高くなります。 エストロゲン療法(女性ホルモン)は、低容量ピルや更年期・トランスジェンダーのホルモン補充療法で使用されています。 エストロゲン療法使用中の方は、トランスジェンダーも、シスジェンダーも同様に血栓のリスクが高くなります。 患者さんにはよく説明しますが、長時間座ったまま・寝たままの時は、着圧靴下(弾性ストッキング)を履いてください。 ※着圧靴下:足に適度な圧力がかかり、血流を良くして血栓を予防する靴下のこと。 私も長時間

          注意⚠️【血栓予防の着圧靴下について】

          海外の学会に出て思うこと。

          1.from JAPAN まず、【どこの出身なの?】と聞かれて、from Japan.と言えることに感謝したい。 【日本人です】というアイデンティティを自分が持てるようになってよかった、とも思う。 それは親にも、国にも感謝したい。 他の国の人と話したとき。 【あの時は助けてくれてありがとう】と他国の危機(災害や社会問題など)があった時、日本がお金の援助をしたり備品を送ったことのお礼を言われると、はっとする。 日本にいると、 「日本はどんどんお金がない社会になっていって

          海外の学会に出て思うこと。

          EPATH’s 2nd Summer School

          ベルギー🇧🇪ブリュッセルにいます。 7月1日から5日までのEPATH(ヨーロッパトランスジェンダー学会)セミナーに参加するために、1人でベルギーまで来ました。 EPATH’s 2nd Summer Schoolは、ヨーロッパを中心として活動する、 トランスジェンダー研究に携わる学生や研究者たちが集まるセミナーです。 「ヨーロッパ在住者が優先の学会なので、良い抄録でないと、ヨーロッパ以外の方は選出されません!」と応募要項にあったので、チャレンジの気持ちで抄録を出してみたと

          EPATH’s 2nd Summer School

          【講演】日本プライマリ・ケア学会 トランスジェンダーとヘルスケア

          2024.06.08 浜松でトランスジェンダーとヘルスケアの講演でした。 プライマリ・ケア学会は参加は初めて。 シンポジストでした。 会場は優しい雰囲気で、立ち見も出るほどでした。 このような機会をくださり、ありがとうございました。 学会講演ではいつも 【トランス外来での臨床現場のリアル】を医師・医療スタッフに伝えています。 プレゼンしている時に瞼を閉じると。 外来で話してくださった、たくさんのトランス患者さんの一人一人の姿が目に浮かびます。 医療現場でこんなことを

          【講演】日本プライマリ・ケア学会 トランスジェンダーとヘルスケア

          【メモ】ADHD患者にとって抗アンドロゲン薬のスピロノラクトン内服はよくないのか?

          質問がありました。 Redditで患者さんがそのような投稿を見たそうです。 色々調べたのですが、 ADHD症状悪化とスピロノラクトンの関係性をつなげる論文は、見つけられませんでした。 確かに、抗アンドロゲン薬(男性ホルモンを抑える)スピロノラクトン内服後に体調不良になった方には数名出会ったことがあります。 血圧の低下に伴う気分不良なのか…..?と思っていました。 根拠はないのですが、 ADHD患者さんの症状が悪化した理由を考えてみます。 ①電解質の不均衡:スピロノラ

          【メモ】ADHD患者にとって抗アンドロゲン薬のスピロノラクトン内服はよくないのか?

          【MTF トランス女性の薬】黄体ホルモン薬は飲むべき?

          トランス女性の患者さんから、このご相談は、よくあります リスクを説明の上、処方有無について患者さんと相談して決めています。 黄体ホルモンの中でも、体の中でつくられる天然型を「プロゲステロン」、人工的につくられたものを「プロゲスチン」と呼んでいます。 確かに、子宮・卵巣があるシス女性の女性ホルモンは、 エストロゲンとプロゲステロンがこのように(↑)変化し、月に1回月経(生理)がおきますね。 フラホル(自己購入)で黄体ホルモン薬を飲んでいる方から、このような(↑)感想をよく

          【MTF トランス女性の薬】黄体ホルモン薬は飲むべき?