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1ドルの幸せ

家からバスを乗り継いで20分ほどの場所に日本人会というものがある。

そこには図書館があり会員一人20冊、2週間まで借りれることになっていて
日頃からよく利用している。

暮らしの中で日頃日本語にアクセスできる機会が少ない日本人にとって
日本語の本、活字に触れられる貴重なシステムだと思う。

こちらで日本の書籍を買うのはとても高価で、日本で買う価格の
大体2〜3倍の売価だ。

日本のAmazonをポチッとしても送料が掛かるし
ならばサクッと借りて読んでしまおうと、私の生活になくてはならい存在の図書館。

今は電子書籍という便利なものもあるけれど、紙の本が好きな私にとっては
やはりいつまでもこだわり続けたいところで。

図書館では、一般書だけではなく雑誌まで借りることができるのもとてもありがたい。

少し前から、図書館の出入り口に小さな書架が設置された。
そこには、元々図書館で貸し出しされていた本が綺麗に並べられていて
壁には〝1冊1ドル、お釣りはでません〟と書かれている。

自分で買いたい本を選び隣に置かれている透明のボックスに
購入金額を入れるだけ。
もちろん中古本ではあるけれど、綺麗な状態のものも多く
時には15年くらい前の婦人雑誌、料理業界の専門誌、おなじみ世界の
旅行ガイドブックまでありとあらゆるジャンルの本がある。

むろん好きな作家さんや自分の本棚にスタメン入りするであろう新書など
そのようなものは新品を買うこともあるけれど
なんて言ったって1冊1ドルで様々な本が手に入るのだから
通うたびに掘り出し物(本)を探すことが楽しくて仕方がない。

カフェでラテを買えば、1杯5-7ドルはするし
少しお洒落なランチをしようと思えば、1回20−30ドルは下らない。

1冊1ドルの本や雑誌を5冊も6冊も買って、家でゆっくりお茶を入れて読む。
インスタントコーヒーにパンなんかをかじりながら、至福の時間。

私にとって、暮らしの中で地味だけど密かな楽しみの一つだ。

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