Nocturne NO.2
昨日は、ふわふわ天使の羽の様な雪。時折細かく激しく降る雪。
今日は、淡い水色の霞がかった空。柔らかな日差し。
ここ札幌では今、冬と春が行きつ戻りつしてます。
同じ北海道の地方都市からこの街に今回引越して来て、まだ1年にも満たない。そんなわたしが住処に抱く、願望とジレンマを整理してみました。
①がら〜んとした床がたくさん見える住処。
白い壁と濃茶のフローリング。新築よりも
リノベされた建物。共同住宅で良い。
→広い床はロボット掃除機にお任せ
したいが、資源消費の面ではどうなの
だろうか。不動産のリノベ情報では
断熱や免震等の機能面が判らない。
②日当たりが良く、大きな窓から緑と空が
見えるリビング。耳を澄ますと、外から
小鳥の声が聞こえる。窓を開けるとうち中に
風が通る。
→夏は暑さ、冬は寒さを呼び込んでしまう
のが窓。いいトコ取りのガラス窓って
あるのかな?
小鳥の声は、周りの部屋の騒音に
かき消されやすい。
③キレイな水と空気、地産地消の食材を
苦労なく毎日の生活で摂取できる。
→自然豊かで、一次産業が盛んな北海道で
あっても、日常使いは難しいのだ。
④歩いて数分の場所に、水辺や本物の自然が
溢れる公園がある。
→静かな住宅街の中の公園は、大抵どれも
画一的で人工的。パワー不足を感じる。
⑤暑い季節には涼しい土地で、寒い季節には
暖かい土地で暮らしたい。
→2拠点生活にはお金が掛かる。使う時
だけ住める、という信頼できる物件は
豊富に存在するのだろうか?
⑥空飛ぶ車が実用化される。大地を覆う
アスファルトが減って、緑が増えるかも。
雪による交通網の乱れに悩まなくなるかも。
→まだまだ時間が掛かりそう。
自家用車を減らしたり、悪天候の中を
無理して出掛けなくていいような
ライフスタイルにする方が早い?
⑦家族のライフステージの変化や、その時の
自分がやりたい事に合わせて、どんどん
住みたい場所に移り住む。
→引越しに係る手続きの多さ、賃貸物件の
初期費用の大きさを考えると、二の足を
踏んでしまう。
今回で札幌に住むのは3度目。どの時も、不思議とわたしのライフスタイルが変化する節目でした。
昨年の今頃抱いていた願望の、幾つもが満たされています。力を貸してくれた家族や他の周囲の方々に、ただ感謝するばかりです。
わたしが描く『うち』の象徴は、フジコ・ヘミングさんが演奏するショパンのノクターン第2番。温かで、どこか郷愁を感じる音色。聴くといつも、穏やかな闇に包まれた家のリビングと、暖炉が脳裏に浮かびます。
赤々と、でも静かにパチパチと燃えてうちを暖める炎。それはわたしにとって、家族のそれぞれの胸の中で、ゆらゆらと揺れる愛と希望なんだと思います。
いつか今のわたしのジレンマを、この世界の誰かが解消してくれて、家族との暮らしがまた進化するといいな。
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