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メンバー紹介④松永 栞

 激ヤバの先輩。

 本人がやばいというより家庭環境が壊滅的。小学校の時に父親が蒸発して借金取りが家によく来てたらしい。漫画やドラマみたいな話だけどどうやらマジっぽい、そんでとうとう母親が『今夜逃げるぞ!』つって30秒でしたくしなきゃいけないのに、夜逃げして車出したあとどうしてもプリキュアのおもちゃ取りに戻りたいと言って家に一旦戻って子供部屋に転がってたベースもなんとなく一緒に持ってきちゃったらしい。逃げろよ、そんな悠長なことしてないでと思うけど、そんなんだから高校中退するんだよ…あっ!言っちゃった…そう中卒です。
 
 そんなやつどこで知り合うの?

 そりゃそうだ、こんなやつ普通に生きてたら知り合うわけないけど、まさかのメンバー紹介2で話した堀さんの彼女。松永と堀は徳島の小さい箱(ライブハウスのこと)で対バンしてて知り合ったらしい。当時堀は僕と同い年15歳、一方松永は20歳、学生時代にこの年齢差は少し離れてる印象が強い、松永はまぁニコニコしてるけど自分からはあんまり喋らないやつ、これだけでどうやって世界をサバイブしてきたか少し想像できる。
 ある冬の深夜、松永は家で堀と電話していた、うるさいと母親に迷惑だから、徳島城公園を散歩するために外にでるとそう言った堀は「暖かくしいや」と言葉をかけた。今までの生活を考えると堀の言葉は松永の心を溶かすのに十分な愛だった。
 その時くらいから多分お付き合いが始まったんだと思う。この話を聞いた時、堀が少し大人に見えた、年上の人と付き合ってるからじゃない。自然にその殺し文句が出るところに僕とかけ離れてる世界に住んでるんだと、そう感じた。
 
 そのときちょうど松永と堀のバンドは解散する予定で、2人は新しいバンド組む予定でメンバーを探していたらしい。それまではコピー(既存曲をカバーして演奏すること)が主な活動だったらしく、オリジナル曲で活動していきたい、そのためそこそこ音楽やってる人を中心に探していたらしい。
 少し説明させていただくとオリジナル曲をバンドでやるのはコピーバンドをやるよりも一歩踏み込んでるというかそれまでは演奏だけだったのに対して、初めて創作が加わってくることは活動として全く異質のものだと捉えてる。音楽鑑賞も、コピーバンドもカラオケも音楽評論家も私にとっては同じだ。
 しかし創作は違う、創作に踏み込んでしまた人は人としてもう前に自分には戻れないこれまでの活動で満たされなかった人がたどり着く領域、そこを共にするにはやっぱり理解し合える「人間」じゃないとやっぱり一緒に続けていくのは厳しい。創作に手を出した人は程度に差はあれ社会不適合者の素質があると私は思う。そんなわけで引かれ合うわけです、

 社不適集団【SINDICATE】


『SYNDICATE - ビンキーガール』
short hairのあの子、浮かない顔して1人、深夜4時をほっつき歩いとった。 Composed:SYNDICATE
Vocaloid-Edit:びび様 (@bibian0115)

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