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IKEAは「男性預かり所」を発明し、来店人数アップに成功した

IKEAがミートボールのレシピを公開しました

「STAY HOME」が叫ばれる中、イギリスのIKEAがフードコートで大人気のミートボールレシピをTwitterで公開し、世界中のファンが歓喜に湧いています。

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ライブドアNEWSでレシピの翻訳が掲載されていますので、作って見たい方は下記をご覧ください。


IKEAのフードコートは日本でもコアなファンに人気がありますが、海外の店舗にはフードコート以外にもユニークなスペースがあります。

そのひとつが「MANLAND」です。

IKEAの男性預かり所「MANLAND」

このスペースの特徴は以下の通り。

・女性は同伴した男性をMANLANDに預けることができる。
・スペース内にピンボール、テーブルサッカーを完備。
・GQなどの雑誌を快適なソファで読める。
・女性には30分経つと鳴るブザーが渡され、男性の置き去りを防止する。

もともとIKEAに設置されていた託児所の「スモーランド」をモデルとしたことから、日本語では「男性預かり所」と訳されたりしています(笑)。

このMANLANDはコンシューマーインサイトの事例として優れているので、紹介したいと思います。


男性の利用客を増やすには?

オーストラリアに拠点を置くIKEA Australiaは、2010年当時、男性の利用客が少ないという課題を抱えていました。
 
当時、各家庭の買い物における男性の役割が増えつつあり、男性は小売業界の新たなターゲットとなっていました。しかし、売り場の構成や商品の訴求は依然として女性向けのものが多く男性客向けの戦略を整備していくことが、小売業界全体の課題となっていたのです。
 
それはIKEAでも同じ。彼らはガイドを作るなどの対応を行っていましたが、「パートナーがIKEAに行きたがらない」という女性客の声が減らないため、男性客のインサイト調査を行うことにしました。


IKEAで男性は、ただ暇な時間に耐えていた

同社はインサイト調査として男性客の店内での動きをつぶさに観察し、データ集計しました。すると、男性客の中には店内をまわらず、座って待っている人が多数いることがわかりました。

しかも、彼らは座っているあいだ、ただ何もすることなく時間を潰していたのです。

男性はもともと長い時間をかけて買い物をすることがあまり好きではありません。しかし、IKEAでは商品の特性上、長時間の買い物を強いられるため、それが嫌ならひたすら暇な時間に耐える以外に術がなかったのです。

また、このような男性と一緒に来店した女性にも調査を行ったところ、男性がいないほうが自分のペースでゆっくり買い物できると感じていることがわかりました。つまり、パートナーの男性がいないほうが女性はIKEAの商品をたくさん買ってくれる可能性が高いと言うことです。


男性に商品を買ってもらうことは諦め、MANLANDを設置した

インサイト調査による重大な事実を手に入れたIKEAは、男性にIKEAの商品を買ってもらうことを諦めました

そのかわり、男性向けの雑誌やピンボール、テーブルサッカーなどを集めた「MANLAND」を設置し、女性に連れてこられた男性も楽しく時間を潰せるようにしたのです。
 
この施策は父の日キャンペーンとしてテスト的に実施されました。すると、結果として来店人数は前年同時期よりも8%も増加したのです。

その後、シドニーの店にはMANLANDが設置され、2015年にはドイツにも展開したようです。そこから大きな拡がりは見せていないようですが、日本のIKEAにも設置されたらちょっと行ってみたいですね(笑)

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